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終末期の基礎知識|人生の終わりへ向けた準備とは

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この記事の内容

この記事を監修した人
高山哲朗

2002年慶應義塾大学医学部卒業。医療法人社団志嵩会理事長。かなまち慈優クリニック(http://www.jiyu-clinic.jp)院長。医学博士。東海大学医学部客員准教授。PEG・在宅医療学会データ委員。NPO法人PDN理事。

日本内科学会認定医、日本内科学会総合内科専門医、日本消化器病学会専門医、日本消化器内視鏡学会専門医、日本医師会認定産業医、緩和ケア研修会修了者、東京都難病指定医

クリニックでの内科診療、訪問診療を通じ、地域の人々の疾病予防・健康管理に注力するほか、予測医学研究所所長として、医療予測ツールの開発にも従事。

この記事をおすすめする人

終末期に備えて早めに準備をおこないたいと考えている方


この記事のポイント

  • 終末期の準備は、自分の希望の実現や家族への負担軽減のために必要なこと
  • 終末期の準備では医療・介護についての記録や、家族との話し合いなどをおこなう
  • まずは何をすべきか考えることから始めよう


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以下の記事では、終末期医療でおこなわれることを紹介しましたが、そもそも終末期とはどんな時期を指すのでしょうか。


【終末期医療に携わる医師が寄稿】死期を前にした親との向き合い方|楽クラライフノート お金と終活の情報サイト

今は元気に暮らしている親も、いつかは必ず死が訪れます。年齢の順に旅立っていくことを考えれば、そのときに親を看取るのは、子どもです。 実際に親が亡くなってしまうと、「もっと親の希望を聞いてあげればよかった」「もっと一緒の時間を過ごしたかった」と後悔してしまう場合もあります。そこで、終末期を迎えた親とどう向き合うべきか、緩和ケア医の大津秀一さんに寄稿していただきました。多くの人の旅立ちに立ち会ってきたからこそ知る、人の最期への臨み方をご覧ください。

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終末期医療(ターミナルケア)とは?定義や費用、ケアの種類を解説|楽クラライフノート お金と終活の情報サイト

「いかに自分らしく、満足できる人生の最期を迎えるか」「家族の負担や経済面を考えて、理想の実現が可能か」は、自分自身のことだからこそ自分で考えておきたいもの。そのためには、終末期医療について知ることが不可欠です。  こちらの記事では、終末期医療の概要や費用から受ける場所の選択肢まで、くわしくご紹介します。

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本記事では、終末期の本来的な意味や必要な備え、心構えなどをくわしく解説します。

終末期とは

終末期とは、病気などが進行し治療による改善がこれ以上見込めず、余命がのこり少ない状態のことを指します。

似たような意味を指す言葉に「危篤」がありますが、これは脈拍の低下や意識状態の低下などが見られ、死が目前にまで迫った状態を指します。

しかし、終末期は患者本人の意識はしっかりしているケースもあり、のこされた時間を充実した生活に充てることもできます。

また、終末期の患者に対しては、できるだけ本人が負担や苦しみを感じないよう配慮し治療をおこなうケースもあります。

終末期に向けた準備でやること

とくに若い世代の方にとって、普段の生活のなかで自分自身の死を意識することは少ないでしょう。

しかし、現時点では健康な生活をおくっている人も、ある日突然病気を発症し、徐々に進行し始めて、若いうちに終末期を迎える可能性もゼロではありません。

そのため、シニア世代はもちろん若い世代の方にとっても、いつか迎える人生の終わりに向けて準備をしましょう。意識がないなどの場合にはその判断は身近な家族にゆだねられることもあります。そのため身近な人とよく相談しておくことも重要です。

では、自分自身の終末期を意識したとき、具体的にどういった準備が必要なのでしょうか。

終末期医療について学ぶ

万が一、自分自身が重篤な病気を発症し余命宣告を受けた場合を想定し、終末期医療について学んでおくことは準備の第一歩といえます。

冒頭でも簡単に触れたとおり、終末期医療は患者の負担や苦痛を軽減するケア的な側面もあり、患者本人の意志に応じて治療方針を決定できます。

終末期医療に関する書籍やWEBサイトなどで情報収集することはもちろんですが、以下のページも参考にしてみてください。


【終末期医療に携わる医師が寄稿】死期を前にした親との向き合い方|楽クラライフノート お金と終活の情報サイト

今は元気に暮らしている親も、いつかは必ず死が訪れます。年齢の順に旅立っていくことを考えれば、そのときに親を看取るのは、子どもです。 実際に親が亡くなってしまうと、「もっと親の希望を聞いてあげればよかった」「もっと一緒の時間を過ごしたかった」と後悔してしまう場合もあります。そこで、終末期を迎えた親とどう向き合うべきか、緩和ケア医の大津秀一さんに寄稿していただきました。多くの人の旅立ちに立ち会ってきたからこそ知る、人の最期への臨み方をご覧ください。

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終末期医療(ターミナルケア)とは?定義や費用、ケアの種類を解説|楽クラライフノート お金と終活の情報サイト

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遺言書を作成する

死期が近づいているとわかっているのであれば、遺言書をつくることも必要なプロセスになります。遺言書とは、主に相続に関して亡くなる人の意思を示すものです。

遺言書には、「自筆証書遺言」、「公正証書遺言」などといった種類があり、それぞれに特徴があります。また、口頭で作成する「危急時遺言」という方法も存在します。これらについては、以下の記事をご覧ください。


遺言書に関する基礎知識|正しい書き方や保管の仕方|楽クラライフノート お金と終活の情報サイト

楽クラライフノート お金と終活の情報サイトでは、これまでも「遺言書を書きのこしておくことの大切さ」について、記事のなかでたびたび触れてきました。では、実際に遺言書を書きのこす際には、どのように書けばよいのでしょうか? この記事では、いざ「遺言書を書こう」と思い立ったときに参考になる、遺言書の作成方法や保管の仕方のポイントを解説します。

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遺言書の作成は、終末期医療を受ける本人が意思表示できるうちにおこなうのがよいでしょう。

リビングウィルとのちがい

終末期の治療の方法などの希望を伝える方法に、「リビングウィル」という書面があります。遺言書は亡くなった後の財産をどう分けるかなどを書きのこしておくものですが、リビングウィルは「どう生きるか」の希望を書きのこすものです。また、遺言書は内容について法律での規定がありますが、リビングウィルには法的根拠はありません。

終末期について家族と話しあう

病気によって余命宣告を受けたとき、ショックを受けるのは患者本人だけではありません。家族も本人とおなじくらいのショックを受け、精神的に立ち直れなくなることもあるでしょう。

終末期医療を考えるとき、患者本人の希望が第一となるのは当然ですが、それと同時に家族と十分話しあうことも重要です。

たとえば、死が間近に迫り意識が低下してきたとき、患者のなかには一時的な延命措置を拒否する意志を事前に示しているケースもあります。しかし、このことを家族が知らなかった場合、心の整理ができず精神的なダメージを負ってしまうこともあるでしょう。逆に、家族が知っていたとしても、延命治療の拒否に対して理解を得られていなければ、なかなか患者の希望どおりの対応をすることも難しくなります。

また、終末期の過ごし方、どこで看取ってほしいかなど、具体的な内容も話しあっておく必要があります。例えば、「住み慣れている自宅」や「家族にかかる負担が小さい医療施設」など、過ごし方は様々ですが、患者の生活には家族の協力が不可欠です。

のこされた家族に精神的な負担をかけないようにするためにも、終末期医療について患者本人の希望を押し付けるのではなく、家族と十分話しあい、お互いが納得した結論を出しておきましょう。

終末期への準備が必要な理由

だれしもが死から逃れることはできません。年齢を問わず、病気や事故によるケガなどによって命が失われる可能性はあると理解できているものの、実感として湧いてこない方も多いでしょう。

そのような場合、終末期への準備をする理由や意義について考えてみるのもよいかもしれません。なぜ終末期への準備が必要なのかの理由、意味を解説します。

自分の希望を叶えるため

終末期への準備が必要な大きな理由としては、自分自身の希望を叶えることが挙げられます。

命の危険が迫っているとき、意識がなく自分自身の意志を示すことができないケースがほとんどです。

生と死に対する価値観は人によって異なり、家族や大切な人のためにすこしでも長く生き続けたいと考える人もいれば、助かる見込みがない場合、自然の流れに身を任せて命を全うしたいと考える人もいるでしょう。

いずれの選択であっても、「リビングウィル」や「尊厳死宣言公正証書」などによって終末期への準備ができていれば、万が一のときでも希望を叶えられるのです。

家族の負担を軽減するため

のこされた家族に精神的な負担をかけないようにするために、終末期について家族と話しあっておくことが重要であると紹介しました。

この「精神的な負担」とは具体的にどういったことを指すのでしょうか。たとえば、終末期の準備ができないまま危篤状態に陥ったとき、患者本人の意志が確認できないと家族に判断が委ねられることになります。

具体的には、延命措置をどこまで続けるかということであり、これはすなわち死を受け入れてもらうことを意味します。

終末期の準備ができないと、延命措置をおこなったことで「最期に苦しい思いをさせてしまった」と考えたり、反対に延命措置を断った場合「死期を早めてしまった」という罪悪感を抱く家族もいるかもしれません。

このような後悔を家族に抱かせないようにするためにも、終末期の準備は重要といえるのです。

終末期に家族ができること

終末期医療を受ける患者にとって、特別な思い出づくりをしなくても、最期まで家族がそばにいてくれたり話してくれたりしたという記憶が何よりも嬉しいものでしょう。近年では本人の希望などにより、自宅で終末期を迎えるケースも少なくありません。家族にとって、患者と触れあえる時間もある程度は確保できる場合もあるでしょう。

ここでは、終末期に家族ができる具体的なことについて説明します。

本人の近くで話せる時間をつくる

患者本人が会話できる状態であれば、話を聞くのがよいでしょう。会話はできても発声に苦労している場合もあるので、できるだけ時間をかけて聞くようにするのがよいといえます。

また、患者に寄り添いつつ、家族の思いを伝える場面にもなります。

手足を軽くマッサージする

終末期の患者にとって、家族の温もりを直に感じられるマッサージをされると、嬉しくなります。肩こりなどのマッサージと異なり、軽く触れる程度で十分です。それぞれの患者にあった詳細な方法は、看護師や介護士などが教えてくれます。

好きな音楽をかけてあげる

もし会話ができない患者であっても、耳は聴こえている場合があります。好きな音楽をかけてあげれば、本人はとても喜ぶはずです。音楽に限らず、本人の趣味にあわせてドラマや落語などをかけてあげるとよいでしょう。

まとめ

医療が発達した現代において、仮にこれ以上手が施せない状態まで病気が進行しても、一時的に命を先延ばすことも不可能ではなくなっています。

ただ、こうした延命治療には費用がかかり、患者本人にとっても負担がかかるため大切な家族や友人などとのコミュニケーションが不可能となる場合があります。

自分自身が終末期を迎えた場合、そうした状況は避けたいと思うのであれば、年齢を問わず終末期に向けた準備は不可欠です。まずは終末期を知り、具体的に何を準備すべきなのかを考えることから始めてみましょう。


(執筆編集:NTTファイナンス 楽クラライフノート お金と終活の情報サイト編集部)

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