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つみたてNISAの始め方|コツコツ積立をスタートしよう
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この記事の内容
佐藤元宣FP事務所代表。日本FP協会CFP(R)認定者・1級
この記事をおすすめする人 これからつみたてNISAを始めるか迷っている方 この記事のポイント
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以下の記事で解説したように、つみたてNISAは投資の入門時に活用できる制度といえます。
そこでこの記事では、つみたてNISAを始めるときにどんな手続きを踏むのか、具体的な方法を解説します。証券会社の口座開設に必要なものなどを網羅していますので、ぜひご覧ください。
つみたてNISAの始め方の基本
つみたてNISAを始めるためには、NISA口座と呼ばれる投資用の口座を証券会社や銀行(郵便局のゆうちょ銀行を含む)、信用金庫といった金融機関で開設する必要があります。
このとき、どの金融機関で口座を開くかは、つみたてNISAの場合だと商品のラインナップをより多く揃えているところがよいといえます。この記事では、ネット証券でつみたてNISAの口座開設をする方法を解説します。なぜネット証券なのかというと、手数料が安い商品のラインナップが充実しているのはもちろんのこと、対面営業で必要のない商品を買ってしまう可能性をおさえられ、純粋に自分の判断と責任で投資ができるからです。
なお、ここで解説するのは、まだNISA口座を開いたことがない人が口座開設する場合です。すでにつみたてNISA口座を開いている人が金融機関を変更したいときや、一般NISAからつみたてNISAに変更したい場合は、この後で解説します。
ステップ1 NISA口座を開設する金融機関を選ぶ
つみたてNISAを始めるための最初のステップとして、まずは、NISA口座を開設する金融機関を選ぶところから始まります。
前述のように、つみたてNISAの場合では取り扱う商品の数の多さが金融機関選びのポイントとなります。つみたてNISAで投資できる商品は金融庁が定めた要件を満たす投資信託が主なラインナップとなっていますが、それらの商品は信託報酬などの運用コスト、手数料が極めて低く、金融機関によってコストが大きく変わるということはありません。
ステップ2 提出書類を用意する
提出書類はおおむね次の2点を金融機関から求められます。
本人確認書類 | 運転免許証、保険証、パスポートなど |
マイナンバー確認書類 | マイナンバーカードもしくはマイナンバー通知カード |
マイナンバーカードがあれば、本人確認書類の提出を求めない金融機関もあります。
提出方法は、以前は上記書類のコピーを郵送する場合もありましたが、現在は口座開設の申し込みページ上でスマートフォンにて撮影した書類の写真を送信する形を採るネット証券会社が多く見られます。
ステップ3 口座開設する金融機関のサイトで必要事項を入力
各金融機関が「つみたてNISA口座開設はこちら」などといったWEB上のページを設けていますので、その案内に従って名前、住所、電話番号などといった情報を入力していきましょう。同時に、先に述べた本人確認書類、マイナンバー確認書類も送信します。
ステップ4 税務署の審査
ステップ3までの口座開設手続きを終えれば、口座開設通知が届き取引を始められる金融機関もあります。
それと並行して税務署の審査がおこなわれます。税務署の審査にかかる期間は2週間〜数か月程度とされていますが、ネット証券の場合、数日でNISA口座の開設が完了する場合が多くなっています。
つみたてNISAを始める金融機関を変えたいとき
次に、すでにNISA口座を開いている人が、別の金融機関でつみたてNISAを始めたいときの方法を解説します。まず、NISA口座は1人1口座しか開設できないため、複数の金融機関にNISA口座を開くことはできません。つまり、すでにNISA口座をもっている人が別の金融機関でにつみたてNISAを始めるには、金融機関の変更手続きをおこなう必要があります。
なお、こうした金融機関の変更や一般NISAからつみたてNISAへの変更は、1年に1度しかできません。また、一般NISAからつみたてNISAへの変更をする場合やつみたてNISAから一般NISAへ変更する場合は、変更時期に期間を設けている金融機関もあります。そのため、変更時期が過ぎてしまいますと、望んでいる変更ができなくなってしまう点もあわせて注意が必要です。
ステップ1 現在の金融機関のNISA口座を廃止する
まず、現在の金融機関のNISA口座を廃止しますが、それには2つの方法があります。
非課税管理勘定のみ廃止し、これまでのNISA口座は現在の金融機関にのこす方法
NISA口座を完全に廃止する方法
1.も2.も次の上で説明したステップ以降におこなうべきことは変わりません。
何がちがうのかというと、1.の場合はすでにNISA口座内で購入した金融商品が今後も非課税期間内は現在の金融機関のNISA口座にのこる形となります。もちろん、非課税期間内にその商品を売却して利益が出ても、非課税の扱いとなります。この場合、廃止後に現在の金融機関から発行されるのは「管理勘定廃止通知書」となります。
2.の場合はNISA口座を完全に廃止するため、これまでNISA口座で購入した金融商品は特定口座などに移されます。よって、口座廃止後にこの商品を売却して利益が出ると、課税されます。この場合で廃止後に現在の金融機関から発行されるのは、「非課税口座廃止通知書」です。
ステップ2 新たに口座を開く金融機関から必要書類を取り寄せ、返送
次に、新たにつみたてNISA口座を開く金融機関から、「非課税口座開設届出書」を入手しましょう。こちらに必要事項を記入します。そして、次の書類を新たに口座を開く金融機関へ送付します。
非課税口座開設届出書(必要事項を記入したもの)
本人確認書類のコピー
マイナンバー確認書類のコピー(マイナンバーカード、通知カード)
管理勘定廃止通知書もしくは非課税口座廃止通知書
以降は、「つみたてNISAの始め方の基本」の「ステップ4 税務署の審査」とおなじプロセスとなります。
一般NISAからつみたてNISAに変えたいとき
一般NISAで短期的な取引によって利益を得るという目標から、つみたてNISAに変更して将来に備えたいというマインドへ変わる人もいるかもしれません。そうした、一般NISAからつみたてNISAに口座の種類を変更したい場合の手続きは、以下のとおりです。
金融機関の変更がない場合
金融機関を変えずに一般NISAからつみたてNISAへ変更する場合は、まず金融機関へその旨を申し出ます。ネット証券であれば、WEB上で手続きができ、ヘルプページなどでどう手続きをおこなうかが明らかにされています。
利用者側がおこなう手続きはそれで終わりです。一般NISAからつみたてNISAへ区分変更されたとの連絡を待ちましょう。
金融機関を変更する場合
一般NISAからつみたてNISAへの変更だけでなく、金融機関も変えるという場合は、前述の「つみたてNISAの口座を開く金融機関を変えたいとき」の流れと、基本的におなじです。ただ、新たな金融機関への口座開設届出書は、「つみたてNISA」の口座を開くことを記入する(あるいはチェックを入れる)点は、まちがえないようにしてくださいね。
金融機関はどう選ぶべきか
前述のように、つみたてNISA口座を開く金融機関選びは、取扱商品の多さが大きなポイントとなります。
一方、ほかのポイントを挙げると、「最低積立金額」や「クレジットカード決済が可能か」があります。クレジットカード決済は可能であるとポイントも付き、ある程度、お得な投資方法といえそうです。
以下、著名ネット証券のつみたてNISA商品数、最低積立金額、クレジットカード決済を記します。
商品数 | 最低積立金額 | クレジットカード決済 | |
SBI証券 | 184本 | 100円 | 三井住友カードの利用で最大2%のポイント付与 |
楽天証券 | 182本 | 100円 | 楽天カードの利用とポイントコース・マネーブリッジの設定が必須。1ポイント以上を使い月に3万円以上の投資信託を購入すると楽天市場での買い物が0.5%ポイント還元 |
マネックス証券 | 152本 | 100円 | マネックスカードの利用で1.1%のポイント付与 |
松井証券 | 177本 | 100円 | MATSUI SECURITIES CARDの利用で対象となっている銘柄の保有に応じてポイント付与(参考) |
※2022年10月時点の情報です
なお、ポイント還元の率などは、変更される場合もあります。たとえば、楽天証券について、以前は1ポイント以上を利用しながら月500円以上の投資信託購入で、楽天市場での買い物が1%のポイント還元となっていました。こうした流動的な状況にも注意を払うとよいでしょう。
つみたてNISAの始めどきは
つみたてNISAは、最長で20年間に渡って運用益に税金がかからないメリットがあります。
また、以下で紹介するお金を長い時間をかけて安定的に準備したい人にとって向いている制度でもあります。
まとまった子どもの教育資金を準備しておきたい人
まとまった老後資金を準備しておきたい人
住宅ローンを一括返済するためのまとまったお金を準備したい人 など
つみたてNISAの始めどきを考えたとき、これらのニーズを満たすための方法として、つみたてNISAを始めることは、最適な始めどきといえるでしょう。
つみたてNISAを始めるのはカンタン
ご覧いただいたように、つみたてNISAの始め方は決して難しくありません。ただし、つみたてNISAで自分のニーズを満たすためには、NISA口座を開設する金融機関選びと投資をする商品選びがとても大切です。
また、つみたてNISA口座を開いた後は、どの商品をつみたてNISAの口座で購入・積み立てていくかも忘れずに設定するようにしましょう。
なお、商品の選び方などについては、以下の記事を参考にしてくださいね。
(執筆編集:NTTファイナンス 楽クラライフノート お金と終活の情報サイト編集部)
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