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つみたてNISAの基礎知識|月々約3万円を積立!

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この記事の内容

この記事を監修した人
佐藤元宣

佐藤元宣FP事務所代表。日本FP協会CFP(R)認定者・1ファイナンシャルプランニング技能士。税理士や社会保険労務士など士業事務所での勤務経験を活かし「税金」「社会保険」といったお金をはじめ、「保険」「住宅」「資産運用・資産形成」など、幅広いお金の相談に年代を問わず応じている独立系FP。保険や不動産など商品販売をしていない独立系FPで、相談者が抱えるお金の不安やニーズを長期的にみた無理のない解決方法を常に提案。

この記事をおすすめする人

まだつみたてNISAを使ったことがない方


この記事のポイント

  • つみたてNISAは月々100円から始めることができる
  • 投資対象は投資信託のみであることに注意する
  • 非課税期間は20年間


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お金を増やす手段として投資を考える人は少なくありません。ただ、何から始めればよいのかわからない、初めはどれくらいの投資額から始めればよいのかわからない、という人も多数いるのではないでしょうか。また、将来のまとまった教育資金や老後資金を準備しておきたい人も多いと思います。

このような人は、投資の入り口につみたてNISAを利用してみる、という方法はいかがでしょう?つみたてNISAとは、毎年40万円を限度に指定された金融商品へ投資でき、生まれた収益に税金がかからない(非課税)制度のことです。つみたてNISAは、少額のお金で投資を始められ、さらに利益に税金がかからないため投資初心者でも気軽に始めやすい制度です。

そんなつみたてNISAの基礎知識を、この記事でお伝えします。

つみたてNISAとは

冒頭で述べたとおり、つみたてNISAの大きなポイントは、年間40万円まで指定された金融商品へ投資でき、収益は非課税となる点です。さらに詳細を述べると、以下のとおりとなります。

  • 日本に住んでいる20歳以上(2023年1月1日以降は18歳以上)の人が利用できる

  • 1人1口座のみ開設することができる(複数の金融機関で口座開設できない)

  • 「一般NISA」と「つみたてNISA」のうち「つみたてNISA」を選択する

  • 指定された投資信託の分配金や譲渡益が非課税対象

  • 非課税期間は最長20年間

  • 新規投資額は毎年40万円までが上限。40万円×20年(非課税期間)=最高で800万円の投資が非課税となる


ちなみに「指定された投資信託」とは、金融庁が定めているつみたてNISAの投資対象基準に当てはまっている投資信託のことをいいます。

端的にいうと、投資初心者でも資産形成をしやすい商品が「指定された投資信託」だと考えるとわかりやすいでしょう。

つみたてNISAで投資できる商品とは

では、つみたてNISAで投資できる商品とはどんなものなのでしょうか?

金融庁のWEBサイトによると、2022年8月18日時点で、つみたてNISAの投資対象商品は215本もあるため、すべては紹介できませんが、一例として以下の商品が挙げられます。

  • SBI・全世界株式インデックス・ファンド

  • SBI・新興国株式インデックス・ファンド

  • SBI・先進国株式インデックス・ファンド

  • <購入・換金手数料なし>ニッセイTOPIXインデックスファンド

  • eMAXIS JPX日経400インデックス

  • eMAXIS Slim 新興国株式インデックス

  • eMAXIS Slim 先進国株式インデックス

  • eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)


※上記は商品の一例として挙げたものであり、安全性などを担保する・購入を推奨するものではありません。

つみたてNISAと一般NISAのちがい

先ほど、NISA口座は1人1口座のみ開設できる、一般NISAとつみたてNISAのいずれかから選択すると説明しました。では、この一般NISAとはつみたてNISAと何がちがうのでしょうか。


つみたてNISA一般NISA
利用できる人日本に住んでいる20歳以上(2023年1月1日以降は18歳以上)の人
非課税期間20年間5年間
非課税投資上限額(年間)40万円120万円(2024年より122万円へ変更されるが条件あり)
投資方法積立積立・スポット
投資対象金融庁が定めた基準を満たす投資信託国内株式・外国株式・投資信託・ETF・REITなど
ロールオーバー不可可能
口座を開く金融機関の変更各年ごとに変更可能、年1回のみ

5点目の投資方法として、一般NISAでは「スポット」と記されていますが、これは自分が購入したいと思った任意のタイミングで株式や投資信託を購入することです。反対に、つみたてNISAではこのスポット購入ができず、すべて「積立」方式で購入していく形です。積立とは、つみたてNISAの場合でいうと、基本的に毎月、自身が希望する一定のタイミング(日にち)に積立したい金額を投資していく方法です。

なお、つみたてNISAを始める金融機関によっては、毎月だけでなく、毎週や毎日といった頻度で投資できる場合もあります。

また、6点目のロールオーバーとは、非課税期間が終了しても翌年の非課税枠に移行することです。上記のとおりつみたてNISAではこのロールオーバーが不可能なため、該当する商品は非課税期間終了前に売却するか特定口座などに移行することになります。一方、ある年の非課税枠に購入していない分=余りが出たとしても、それを翌年の非課税枠に繰り越せません。

このように、つみたてNISAは長期的に投資信託を購入し、一方の一般NISAは幅広い商品を短い期間で売買することを想定した制度設計となっています。

つみたてNISAのメリットとデメリット

ここまでで、つみたてNISAは「投資信託」を「積立」で「長期間」にわたって購入していくことを想定した制度とイメージできたのではないでしょうか。より深堀りして、つみたてNISAのメリット、デメリットをご紹介しましょう。

メリット

まず、つみたてNISAのメリットを解説します。

  • 20年にわたる非課税期間

  • 少額から購入可能

  • 積立のため、まとまったお金を準備しやすい


まず、購入した商品の価値が上がって売却したとしても、購入から20年のうちは非課税となる点が最大のメリットといえるでしょう。

また、金融機関により異なるものの、つみたてNISAの最低購入額は100円などといった少額となっています。さらに年間の非課税投資上限額40万円を12か月で割ると約3万3000円です。つまり、つみたてNISAの1か月あたりの投資額は約3万円であり、そう考えると「自分でもできそう」と感じる方がいるのではないでしょうか。

3点目は、とくに積立であるとドルコスト平均法と呼ばれる、毎月一定額もしくは一定口数を購入していくことで平均購入単価を下げる方法を必然的に採ることになります。たとえば購入する商品が、1月の価格=1000円、2月の価格=1300円、3月(現在)の価格=1500円であるとき、現在の価格は1500円でも平均購入価格は1233円となり、含み益が出る状態となります。つみたてNISAで長期投資をしていると、このドルコスト平均法の効果を大きく実感できることでしょう。また、短期的には購入商品の値下がりがあっても、長期的には平均購入単価が下がるため値上がりした際に含み益も大きくなります。

デメリット

一方、デメリットは以下のとおりとなります。

  • 積立を目的とした投資信託しか購入できない

  • 損をする場合もある

  • 特定口座などとの損益通算・繰越控除はできない


繰り返しになりますが、つみたてNISAは積立を目的とした投資信託しか購入できません。個別銘柄の株式などは購入できないということです。

また、投資なので当然ではありますが、損をする場合もあります。一見、つみたてNISAは安定・安全といった要素があるように感じられますが、たとえば2008年に起きたリーマンショックと同様の景気後退が起きると、手もちの資産が一時的に大きく目減りするケースも十分に考えられます。

一方、NISA口座とは別に特定口座、一般口座でも投資をする場合があると思いますが、特定口座もしくは一般口座で生じた利益とNISA口座での損失を相殺(これを繰越控除といいます)はできません。

つみたてNISAの始め方は

つみたてNISAの口座は、証券会社をはじめとした金融機関で開きます。非課税上限額の40万円のうち、20万円をA証券、のこりの20万円をB証券で購入する、などといったことはできません。

詳細はこちらの記事で解説しておりますので、ご覧ください。


つみたてNISAの始め方|コツコツ積立をスタートしよう|楽クラライフノート お金と終活の情報サイト

つみたてNISAは投資の入門時に活用できる制度といえます。 そこでこの記事では、つみたてNISAを始めるときにどんな手続きを踏むのか、具体的な方法を解説します。証券会社の口座開設に必要なものなどを網羅していますので、ぜひご覧ください。

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月々の投資額は約3万円

先ほども述べたように、つみたてNISAの年間非課税上限額40万円を12か月で割ると、約3万3000円です。同額以上の貯金を毎月している方もきっといることでしょうから、そう考えればつみたてNISAは決して難しくないとご理解いただけると思います。

もちろん、株式市場や経済全体が後退する傾向にあると、手もち資産も減っていくといったリスクを理解する必要もあります。

また、2024年の改定される新しいNISAによって、つみたてNISAの口座開設期間は2042年までとされることが決まっていますが、これを口座開設期間が恒久的に続く議論もされており、今後、制度が変わっていく可能性もあります。同じく2024年の新制度について、つみたてNISAではない一般NISAに関しても、非課税投資枠が120万円から122万円に拡大される一方、20万円の枠内で必ずつみたてNISA商品を購入しなければいけないなどの変更点があります。

つみたてNISAの始め方は、こちらの記事をご覧ください。


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(執筆編集:NTTファイナンス 楽クラライフノート お金と終活の情報サイト編集部)

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