コラム

【投資家に聞く】インデックス投資とは?その利回り、注意点

この記事の内容

資産形成と聞けば、株式投資を真っ先に思い浮かべる人はすくなくないと思います。ただ、実際に株式投資をしようとすると、覚えるべき基本的な知識すら難しく感じてしまう、あるいは、その知識がないがゆえに株価がいつ上がり、いつ下がるかがまったく読めず、手を出しづらいと感じる人もいることでしょう。

こうしたビギナーともいえる人にとって、投資の入り口に適切なものとして「インデックス投資」が注目を集めているのをご存じでしょうか。今回は、米国株のインデックス投資についても触れられた著書『お金が増える 米国株超楽ちん投資術』(KADOKAWA)が6万部を超えている投資家のたぱぞうさんに、インデックス投資の心得を伺いました。

インデックス投資とは?

「著書やブログで運用総額を明かしているので、顔を出すのは控えさせてください」との条件で取材に応じてくれたたぱぞうさん

 ――まず、たぱぞうさんのプロフィールを教えてください。

投資をはじめたのは2000年のことでした。1998年に社会人になったのですが、2000年に転職をしまして退職までの収入額に予想がついてしまい、金銭面ではちょっと面白くないなと思ったのがきっかけです。最初は日本株に投資して、2010年ごろから米国株の市場規模や成長率に魅力を感じて、いまは米国株をメインに投資しています。

――インデックス投資については、いつからおこなわれているのですか?

2015年ごろだったと思います。最初は一般NISAで購入しました。その分は、いまではダブルバガー(価値が2倍)になっていますね。

――では、インデックス投資自体を知らない人のために、どんな投資であるかを教えてください。

投資をしたことがない人でも、日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)という言葉は聞いたことがあるのではないかと思います。これがインデックス(指数)であり、インデックスに基づいた各投資信託商品は、これらをベンチマークとしています。たとえば代表的なインデックス投資信託の商品として、三菱UFJ国際投信の「eMAXIS Slim国内株式(TOPIX)」があります。これはTOPIXをベンチマークとして、TOPIXに連動した価格の動きを目指すものです。ざっくりというと、TOPIXが上がればこの投資信託商品の価値も上がるということですね。なお、私は米国株を中心に投資をしていますので、アメリカのS&Pグローバルが日々発表している「S&P500」をベンチマークとした投資信託商品などを購入しています。

――S&P500はどんなインデックスなのですか?

簡単にいえば、アメリカの証券取引所に上場している大型株500銘柄の値動きを示すインデックスです。全世界のETF(上場投資信託)の運用総額ランキングを見ると、上位に数多くのS&P500をベンチマークとするETFが入っています。

――ほかに押さえておくべきインデックスを教えてください。

基本的には、米国株であれば3指数といわれるS&P500、NYダウ、Nasdaq100、全世界株式ならばMSCIオールカントリーワールドインデックスなどを押さえていただければと思います。

インデックス投資をおこなう前にすべきこと

――では、これからインデックス投資をしたいという人は、何をすべきでしょうか?

まずは、証券口座の開設をします。どの証券会社を選ぶかは、ネット証券で問題ありません。インデックス投資をするのが目的ならば、対面営業をしてもらう必要はありませんからね。

そして、証券口座を開いた証券会社でつみたてNISAの口座も開くとよいでしょう。「楽クラライフノート お金と終活の情報サイト」の読者のみなさんは、すでにシニアの方やこれからシニアになる方が老後の生活資金をつくるためにインデックス投資をしたいと考えておられるのではないでしょうか。そうであれば、リスクの高い投資をする必要はありませんので、つみたてNISAの非課税投資枠である年間40万円でインデックス投資をしていけばよいと考えます。

これらの口座開設が終わったら、口座に入金し投資信託商品を購入します。購入は、一度につみたてNISAの非課税枠40万円分を買うのではなく、毎月に分けて買うのがよいでしょう。ドルコスト平均法(価格の変動する商品でもたとえば毎月一定額を購入することで、平均購入価格を平準化できる)が心理的にも楽です。

――代表的なインデックス投資の商品を教えていただけますか?

まず、インデックス投資の投資商品には、一般の投資信託商品とETFがあります。そして、ETFはつみたてNISAの対象商品ではありませんので、老後資金の準備としてインデックス投資をするならば、一般の投資信託商品のなかのつみたてNISAの対象となっているものを選ぶのがよいでしょう。

つみたてNISAの対象となっているS&P500の商品で代表的なものとして挙げられるのが、前述のeMAXIS Slimシリーズのなかの「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」です。S&P500に限らない米国株のインデックス投資をするならば、SBIアセットマネジメントの「SBI・V・全米株式インデックス・ファンド」が挙げられます。これは、CRSP USトータル・マーケット・インデックスという全米の株式の株価を表すインデックスを目標としたものです。あるいは、全世界株式のインデックスであれば「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」があります。

――全世界株式はその名のとおり、運用会社が全世界の株式に投資するものですよね。そう聞くと、スケールがとても大きく複雑でありそうな印象もあるのですが、投資する対象としてよいものなのでしょうか?

投資初心者の方には、全世界株式の投資信託が入門向けのものとしてよいと思います。たとえば1990年代の全世界株式のうち日本株が40%を占め、高いウエイトとなっていました。しかし、今では60%が米国株です。こうした状況の移り変わりを前にしても、そのときにあわせた投資先の変更を運用会社がしているので、初心者にとってはとても楽で安心感のある商品となっています。

ただ、私自身は全世界株式の投資信託は購入していません。理由は、私のこの先の寿命である40年や50年という時間で米国中心の経済が変化するとは思えないからです。こうした点で、みなさんも自己責任において自分の投資先を選んでいただければと思います。

――投資家のなかには、ポートフォリオ(保有する金融商品の組みあわせ)のなかで一定の現金をもつ方もいらっしゃいます。投資初心者の場合、どのくらいの現金をもつべきなのでしょうか?

一般的には、生活防衛資金として月の生活費の半年から一年分を現金として置いておくと言われます。もっとも、これは、その人の年齢や考え方によっても変わってきますね。シニアのお孫さん世代である20〜30代の方であれば、毎月蓄えようと考える金額の相当額をインデックス投資に費やしてもよいとも考えられます。若い人は、たとえ金銭的な損失を被ってもまだ働いて取り返すことが可能ですから。逆にシニア世代、シニアを前にした世代では、年齢を重ねるごとに働いて取り返せる金額もすくなくなってきますので、ご自身のリスク許容度に応じた投資を心がけてほしいですね。そういう意味では、つみたてNISAの非課税枠内での投資はひとつの目安となるかもしれません。

インデックス投資のメリット・デメリット、注意点

――投資家として、インデックス投資にはどんなメリットとデメリットがあると考えますか?

1番大きなメリットは、投資にかける時間をすくなくできる点です。個別銘柄投資とはちがって、インデックス投資はあまり研究をする必要がありません。また、過去の実績からある程度のリターンが見込めることです。一般にインデックス投資の期待利回りは5%程度といわれますが、これをつみたてNISAの年間40万円の非課税枠内で20年間複利で計算すると、リターンは1370万円程度となります。足りないと思うならば、時間を長くとるか、つみたてNISAとは別に積み立てるということになります。たとえば、同じ20年で月5万円ならば、2000万円を超える計算になります。あくまでシミュレーションですが、老後資金としては十分ですよね。

これはデメリットにもなり得る点でありますが、インデックス投資で資産を築こうとすると非常に時間がかかります。また、必ずしも大きなリターンではありませんので、一攫千金をねらう人にインデックス投資は向いていません。

――堅実に資産形成する人向けの投資法ということですね。

あと、ネットで証券口座を逐一チェックするような人も、本当はインデックス投資に不向きかもしれません。そのときの株価の上下によって、一喜一憂してしまいますからね。そういう人がインデックス投資するならば、銀行口座から証券口座への引き落としと毎月つみたてNISAで決まった商品を定額で購入する、この2つの設定だけしておいてそのあとは口座を見ないくらいの気持ちでいたほうがよいと思います。設定をしたら、20年後まで口座を見ないくらいの気持ちでよいのです(笑)。とはいえ、このところ大変株価が好調でしたから、振り返ってほくほくしている人も大勢いると思います。

――ほかに注意点はありますか?

信託報酬や信託留保額が低いものを選ぶのをおすすめします。これらは固定費なので、安ければ安いほどよいですね。信託報酬や信託留保額は、ネット証券の口座を開いて各投資信託商品のページを見れば掲載されています。

少額からコツコツとはじめてみよう

たぱぞうさんの話にあったとおり、インデックス投資は短期間に巨額の利益を得られる投資法ではありません。景気がよいときも悪いときもコツコツと投資をし続けることで、結果的に含み益が得られます。一攫千金ではなく、将来に向けてすこしずつお金をつくっていきたい人には非常に向いている方法といえます。

また、当然のことではありますが、投資は自己責任においておこない、リスクが存在することも知る必要があります。インデックス投資についても100%安全な投資法ではなく、相場全体が下げの局面となれば、インデックス商品の価値も下がります。この点はきちんと理解しておきましょう。


(執筆編集:NTTファイナンス 楽クラライフノート お金と終活の情報サイト編集部 情報は2021年12月16日時点のものです。)

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この記事を監修した人
たぱぞう
某投資顧問のアドバイザー、自ら資産管理会社を2社経営。
米国株投資を中心に、不動産事業/太陽光事業も手掛ける。メディア実績、日経新聞など多数
著書5冊 http://amzn.to/3GiE8cC
ブログ「たぱぞうの米国株投資」http://americakabu.com
YouTube「たぱぞう投資大学」https://www.youtube.com/c/たぱぞう投資大学

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