基礎知識

ふるさと納税の確定申告|手順とワンストップ特例制度の詳細を紹介

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この記事の内容

この記事を監修した人
金森重樹

1970年生まれ。東大法学部卒。

ふるさと納税の達人として、TV、ラジオへの出演、雑誌の取材多数。

年に200件以上ふるさと納税し、食生活の全てを返礼品でまかなっていた事も。

この記事をおすすめする人

ふるさと納税を6箇所以上におこなった方


この記事のポイント

  • ふるさと納税をした自治体が6か所以上の場合は確定申告が必要である
  • ワンストップ特例制度を使えば確定申告は不要である
  • 提出期限が翌年の1月10日までなので要注意


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地域に貢献でき、返礼品ももらえるふるさと納税。税制上の位置づけとしては自治体への寄付にあたるものですが、所得税や住民税にも関連するため、原則的には確定申告が必要です。


ふるさと納税とは?初心者の方へ徹底解説|楽クラライフノート お金と終活の情報サイト

2008年にスタートした「ふるさと納税」。自治体に寄付をすることで所得税や住民税が控除されるだけでなく、魅力的な返礼品がもらえることもあり、この制度は広く定着したように感じられます。  ただ、ふるさと納税の利用者は2020年時点で400万人(総務省「ふるさと納税に関する現況調査結果(令和2年度実施)」)であり、日本全体の納税者の数からするとまだ一部の人しかおこなっていません。  今回はふるさと納税に関心のある方、これからはじめてみたいという方に、どんな制度であるかを解説します。

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ただ、会社員として働いている方の多くは確定申告の経験が少なく、どうおこなえばよいのかと悩んでしまう場合もあるのではないでしょうか。

そこで、この記事ではふるさと納税で寄付をしたあと、どのような場合に確定申告が必要かを解説します。

ふるさと納税で確定申告が必要になるのはこの3つに該当する人

ふるさと納税をおこなった場合、寄附金額に応じて所得税および住民税から控除が受けられます。控除の対象となるためには、「確定申告」または「ワンストップ特例制度」のいずれかの手続きをおこなわなければなりません。

このうち、確定申告が必要となる条件は、以下の4つのうちいずれかの項目に該当する場合です。

  1. 1月1日からの1年間で、ふるさと納税をした自治体が6か所以上の人

  2. ワンストップ特例制度で1つでも申請書を提出できなかった人

  3. 個人事業主や年収2000万円以上の会社員、医療費控除を受けたい人など、そもそも確定申告する必要がある人

  4. ワンストップ特例制度の申請期限に間にあわなかった人


なお、上記の4つ目のポイントにある「ワンストップ特例制度の申請期限」は、翌年の1月10日です。この期日までに申請書と必要書類一式を提出する必要があり、もし間にあわなかった場合には確定申告をする必要があります。

確定申告が不要になる「ワンストップ特例制度」とは

確定申告に不慣れな会社員にとって、申告書類を作成し自分自身で提出するのは決して簡単な作業ではありません。また、万が一、書類に記入漏れや誤りがあったりすると、本来受けられるべき控除が受けられないといった問題も発生します。

そこで、このような問題を解消するために、一定の条件を満たす場合に限り、ふるさと納税をしたあとに確定申告をおこなうことなく控除が受けられる「ワンストップ特例制度」が存在します

ワンストップ特例制度の適用条件や申請の手順、注意点などをくわしく解説します。

ワンストップ特例制度が利用できる条件

ワンストップ特例制度が申請できるのは、以下の3つの条件を満たす場合に限られます。

  1. 1月1日からの1年間で、ふるさと納税をした自治体が5か所以内であること

  2. 自治体に対して都度申請書を提出していること

  3. もともと確定申告が不要な給与所得者であること


上記の3つの条件のうち、一つでも該当しない項目があった場合には、ワンストップ特例制度の対象とはならず、確定申告をおこなわなければなりません。

ワンストップ特例制度を受けるための手順

上記の3つの条件を満たしている場合、ワンストップ特例制度を受けるためには以下の手順で手続きを進めます。

1.「寄附金税額控除に係る申告特例申請書」の準備

寄付先の自治体から送付されてきた「寄附金税額控除に係る申告特例申請書」を準備します。もし申請書が手元にない場合には、各自治体へ連絡のうえ郵送してもらうことも可能です。

2.マイナンバー確認書類および本人確認書類の準備

マイナンバー確認書類として、以下のいずれかの書類を準備します。

  • マイナンバーカード裏面のコピー

  • 通知カードのコピー(令和2年5月25日マイナンバー通知カード廃止に伴い、通知カードに記載された氏名、住所等が住民票に記載されている事項と一致している場合に限り有効です)

  • 個人番号が印字された住民票のコピー


また、本人確認書類として、以下のいずれかの書類も準備しましょう。

  • マイナンバーカード表面のコピー

  • 運転免許証のコピー

  • 運転経歴証明書のコピー

  • パスポートのコピー

  • 身体障害者手帳のコピー

  • 精神障害者保健福祉手帳のコピー

  • 療育手帳のコピー

  • 在留カードのコピー

  • 特別永住者証明書のコピー

3.上記の書類を寄付先の自治体へ送付

1月1日から12月31日までの1年間で、ふるさと納税で寄付を行った分について、翌年の1月10日までに「寄附金税額控除に係る申告特例申請書」、マイナンバー確認書類および本人確認書類を、寄付先の自治体へ送付します。寄付先の自治体が1か所であれば送付先は1か所ですが、複数の場合は寄付先に応じた部数を準備しておく必要があります。

注意点

ワンストップ特例制度の利用にあたっては、以下の3つの注意点を押さえておく必要があります。

1. 寄付のたびに書類の送付が必要

ワンストップ特例制度の適用条件の一つに、「自治体に対して都度申請書を提出していること」という項目があります。たとえば、一つの自治体に対して2回、3回と寄付をおこなった場合であっても、その都度申請書の提出が必要です。

2. 医療費控除などは確定申告が必要

ワンストップ特例制度で控除が可能なのは、あくまでもふるさと納税による寄付金のみです。もし、医療費控除や住宅ローン控除などが必要な場合には、確定申告をおこなわなければなりません。

3. 書類の提出期限は翌年の1月10日まで

申請書やマイナンバー確認書類、本人確認書類の提出期限は、翌年の1月10日までとなります。これは提出先の自治体への必着日であり、送付日ではありません。もし、寄付先の自治体が遠方の場合、書類の到着まで1日以上を要することも考えられるため、余裕をもって手続きをおこないましょう。

ふるさと納税の確定申告3ステップ

ワンストップ特例制度の対象者ではなく、確定申告をおこなう必要がある場合、どのような手順で進めればよいのでしょうか。3つのステップに分けて解説します。

1. 必要書類を揃える

ふるさと納税の確定申告にあたって、必要となる書類は以下の4つです。

  1. 寄付金受領証明書

  2. 源泉徴収票

  3. 還付金を受け取るための金融機関口座情報(口座番号)

  4. マイナンバー確認書類+本人確認書類


寄付金受領証明書とは、返礼品とは別に寄付先の自治体から郵送される書類です。自治体によっても証明書が届く日数は異なりますが、早ければ1週間程度、遅くても2か月程度で届く場合がほとんどです。万が一、確定申告までに寄付金受領証明書が届かない場合には、ふるさと納税サイトからダウンロード可能な「寄付金控除に関する証明書」で代用することも可能です。

また、マイナンバー確認書類および本人確認書類は、ワンストップ特例制度で紹介した書類と同様です。

2. 確定申告書類を作成する

「令和◯年分の所得税及び復興特別所得税の確定申告書」へ必要事項を記入します。国税庁のホームページでは記載例も公開されていますが、より簡単に記入するためには、国税庁が公開している「確定申告書等作成コーナー」で作成するのがおすすめです。

3. 確定申告期間中に書類を提出する

作成した確定申告書類を提出する際には、書類に印刷したものを提出するか、e-Taxによるオンラインでの提出が選択できます。e-Taxによる提出の場合、マイナンバーカードおよびICカードリーダライタが必須です。

なお、確定申告の期間は毎年2月16日から3月15日の1か月間と短いため、手続きを忘れないようにしましょう

また、所得税の還付金がある場合には、毎年4月から5月ごろに振り込まれます。

まとめ

確定申告に慣れていない方にとっては、期限内に忘れずに申告できるか、誤りなく手続きができるか不安に感じることも多いでしょう。もし、確定申告を忘れてしまったとしても、期限から5年以内であれば「更正の請求」という手続きにより、控除・還付を受けられます。

しかし、できるだけ早く還付金を受け取るためには、期限内に確定申告をおこなうことが原則といえます。

そして、給与所得者でふるさと納税での寄付先が5か所以内の方は、ワンストップ特例制度を活用することによって手続きを簡素化できます。

返礼品や税制面の優遇を受けられ、地域貢献にもつながるふるさと納税。お得な制度をフル活用するためにも、確定申告やワンストップ特例制度は忘れずに申請しましょう。


(執筆編集:NTTファイナンス 楽クラライフノート お金と終活の情報サイト編集部)

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