コラム

100歳までの健康管理〜運動・食事・睡眠のポイントをご紹介

この記事の内容

平均寿命が伸び続け、人生100年時代と呼ばれる現代。「健康寿命」という言葉も耳にするようになってきました。できることなら、ずっと健康で元気に過ごしていきたいですよね。

自分の力で栄養の摂取や運動ができる「自立したシニアライフ」を実現するために、いまからできることをいっしょに考えてみましょう。

健康寿命って何?

世界でも有数の長生き大国と言われる日本。平均寿命は男性で81.41年、女性で87.45年となっています。(参照:厚生労働省「令和元年簡易生命表の概況」2019年)

しかし、亡くなってしまうその瞬間まで、元気に歩いてご飯を食べられるわけではありません。老いがやってくるにつれて、思うように歩けず自分でトイレに行けなくなったり、食事を食べるたびにむせたり、ちょっと動くだけで息切れしたり……。

自分の思いどおりに身体が動いて元気に暮らせる時間は、平均寿命よりもずっと短いもの。この「日常生活に制限がある不健康な期間」を平均寿命から引いた、健康に元気に暮らせる時間のことを「健康寿命」と呼びます。

(引用元:厚生労働省「平均寿命と健康寿命の推移」2016年)

厚生労働省の統計によると、日本人の平均寿命と健康寿命には男女とも約10年程度の差があります。つまり、思いどおりに動けず不自由な生活を強いられてしまう時間が、10年近く続く人が多いということ。

「長生きしたい!」と「死ぬまで元気でいたい!」という願いを両方とも叶えるためには、平均寿命を伸ばすだけでなく、健康寿命を伸ばすことが何よりも大切なのです。

健康に大事な3つのこと

病気は努力すれば必ず防げるというものではありませんが、健康に気をつけて日常生活をおくることで「生活習慣病」などのリスクをぐっと減らすことができます。また病気のリスクを減らすためだけでなく、高齢になっても自分で栄養や水分をとったり、運動をしたりと自立した生活をするためにも、元気なうちからの備えが大切なのです。

健康に大切なのは、「運動」「食事」「睡眠」の3つ。ここからは、3つの重要性やおこなううえでのポイントなどをくわしく見ていきましょう。

【健康の大前提:禁煙】

禁煙は、健康の基本です。
タバコは日本人に多い死因であるがん・脳卒中・心疾患、すべての要因です。

また、タバコ病の代表とも言われる慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、タバコの煙で肺がじわじわと破壊される病気。進行すると10m歩くだけで息切れをするようになり、トイレに行くのもベッドから起き上がるのもフルマラソンを走るような辛さです。現在喫煙されている方は、これを機にぜひ禁煙しましょう。

 

1.  健康につながる運動をしよう

食事によって取り入れたエネルギーは、運動することによって消費され、バランスが保たれています。また身体を動かすための機能は、日々の運動によってその力が維持されており、ずっと使わずにいると次第に衰えていきます。

こうしたエネルギーのバランスや身体機能を維持し続けるためには、日々の適度な運動が欠かせません。無理のない範囲ですこしずつ、身体を動かす習慣をつけておきましょう。

とくに元気なうちから鍛えておきたいのが、大きな筋肉がある「太ももとお尻」の部分です。歳を重ねてからも自分の足で歩いたり、転倒のリスクを減らしたりするためには、歩くときに重要な役割を担う太ももとお尻の筋力が大切になります。

おすすめの運動はスクワット。立った状態からお尻を落として膝を曲げ伸ばしする運動ですが、いきなりおこなって膝を痛めないよう、最初は椅子の背もたれに手をつくなど工夫してみましょう。

もしくは、イスに座った状態からすこし腰を浮かして5秒キープ。これを10回×3セットおこなうことでも、太ももとお尻の筋肉を強くできます。

関節や筋肉などに痛みのある方や、ご病気の方は、主治医と相談してからおこなってくださいね。

【負荷のかかるトレーニングが難しい方は】

ひざや腰になるべく負担をかけずに気軽にできる運動には、身近な「ウォーキング」があります。距離や速度にこだわりすぎずに、まずはこまめに歩く習慣をつけることが大切です。

電車に乗らずに1駅分歩いてみたり、あいた時間に散歩に出かけてみたり、ときにはエレベーターを使わずに階段を上り下りしてみたり。すこしの積み重ねで、歩くための筋力や心肺機能にほどよく負荷をかけることができます。

 

2.  健康的な食事をとろう

(引用元:厚生労働省「食事バランスガイド」2010年)

こちらの「食事バランスガイド」は健康的な食事の指針のひとつになりますが、日本人の食事摂取基準の改定により、2010年に変更が加えられました。くわしくは厚生労働省の「日本人の食事摂取基準の改定を踏まえた食事バランスガイドの変更点について」(2010年)をご参照ください。

「これさえ食べていれば健康になれる」という食べものは、残念ながらありません。食事は何よりもバランスが大切です。

まずは1食のうちに「主食(ご飯、パン、麺類など)」「副菜(野菜のおかず)」「主菜(肉、魚、卵などタンパク質のおかず)」の3つが揃うように心がけましょう。定食をイメージしてみてください。ご飯と魚や肉のおかず、野菜の小鉢が揃っていますね。これがバランスのとれた食事の第一歩です。

蕎麦やラーメン、カツ丼などの一品物は、栄養分が炭水化物に偏ってバランスが崩れやすくなってしまいます。このようなものを食べた日は、1日のなかでバランスを取ります。たとえばお昼がざる蕎麦だった日は、野菜とタンパク質のおかずを朝と夜に意識してとるようにするなど、1日トータルでバランスが取れるように心がけましょう。

ただしご病気がおありの方はこの限りではありませんので、主治医のアドバイスにしたがってください。

【ご飯の「食べづらさ」が気になる方は】

歳を重ねるにつれ、食べ物を噛むことや飲み込むことが難しくなり、手軽に食べられるものばかりを摂取して栄養バランスが偏る、ということも少なくありません。とくにお肉や固い野菜などを避けることで、たんぱく質やビタミン、食物繊維などが不足しやすいといわれています。

固い野菜やいも類は食べやすい大きさに切ったり、お肉は叩くか筋を切ることでやわらかくしたり、野菜の皮に切り込みを入れたり、食材にゆっくり長時間火を通して飲み込みやすくしたり……。ちょっとした工夫が、バランスのよい食事の手助けになるはずです。

 

3.  よい睡眠をとろう

心身の疲れを回復させたり、免疫機能を高めたりする大切な役割をもつ睡眠。病気やけがを防ぐためにもきちんと確保したいものですが、歳を重ねるにつれて寝付きが悪くなったり、早朝に目が覚めてその後眠れなくなったりと悩みを抱える人が多くなります。

しかし、年齢とともに必要な睡眠時間が減ってくるのは自然なこと。人によって差はありますが、歳を重ねるにつれて身体が必要とする睡眠時間は少なくなるといわれています。長く寝たからといって健康になるわけではありません。昼間に眠気が強すぎて困る……ということがなければ、若いころよりも睡眠時間が短くなっていたとしても、十分に睡眠は取れているのです。

ただし昔と比べて睡眠時間が短くなったとしても、睡眠の質を高める必要があるのはおなじです。「よい睡眠」のためには、1日の生活リズムや体内時計が重要になります。日中には太陽の光を浴びて身体を動かすことで、夜間の眠りを促すメラトニンというホルモンが分泌されやすくなります。昼間は積極的に外に出て身体を動かし、夜によく眠るメリハリをつけましょう。

もちろんご病気で通院中の方はこの限りでないので、主治医の指示にしたがいましょう。

健康で自立したシニアライフを目指して

「死ぬまで健康で長生きしたい」という願いを叶えるキーワードは、「健康寿命」です。健康寿命を伸ばすための大切なポイントをお伝えしてきましたが、あらためて言われなくてもご存知のことばかりだったのではないでしょうか。

健康になるための魔法のような方法はありません。当たり前のことを、当たり前にやっていくことが、実は健康への一番の近道なのです。十分な運動とバランスのよい食事、そして良質な睡眠の3つを軸に、10年後、15年後の健康で自立したシニアライフを目指してみませんか?


(執筆編集:NTTファイナンス ライフノート編集部 情報は2020年10月27日時点のものです。)

この記事を監修した人
荒井 秀典

国立研究開発法人国立長寿医療研究センター理事長

人生100年時代がいずれ来ると言われており、いずれは国民の約半数が100歳まで生きる時代が来るかもしれないと言われています。

ただ長生きするのではなく、健康で活動的な生活をできるだけ長く続けることが大切であり、そのためにはできるだけ病気の予防をすること、病気を早く見つけて、できるだけ早く治療すること、そしてその病気が再発しないようにすることがまず第一。そして高齢になるとからだ全体が弱ってくるフレイル(虚弱)になりやすくなりますので、日頃から栄養や運動に注意を払うとともに歯の健康や社会活動もできるだけ継続することで、健康長寿を達成することができます。今回のコンテンツには具体的な秘訣が書かれています。是非ともこれからの生活に生かしてください。

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