コラム

【フィットネスインストラクターに聞く】シニアにおすすめの運動とは?

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この記事の内容

この記事を監修した人
大東 俊彦

1985年、セントラルスポーツ(株)入社。フィットネスインストラクターを経て、1990年「アカデミー本部」配属。プログラムの開発とインストラクターの育成に従事。2005年「介護予防事業部」配属。主に介護予防に関する教育事業に従事。介護予防運動指導員の養成に努める。現在、健康サポート部シニアマネージャー。運動の実技は同社の江本佳世子さん。

https://www.central.co.jp/

この記事をおすすめする人

定期的な運動でいつまでも健康に過ごしたいと考えている方


この記事のポイント

  • 下半身と体幹の筋肉は日常の動作に直結するため鍛えたほうがよい
  • 家でトレーニングをおこなう際は、すこしずつ負荷をかけることが重要
  • 記録をつけるとカロリー摂取量に関する意識が上がり、毎日の継続につながる


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これから終活をはじめようとする世代の人々にとって、不安に思うことは何でしょうか?「手持ちの資産で過ごしていけるだろうか」「会社勤めをやめて、生きがいを見つけられるだろうか」などのほかに、「できるだけ健康を維持したい」と感じる人もいるかと思います。

日常生活はもちろん、趣味や旅行といった楽しいシニアライフを過ごすためには、定期的な運動をし、健康を維持することが不可欠といえます。そこで今回は、シニアへ運動指導をおこなうフィットネス企業・セントラルスポーツの大東俊彦さんに話を伺いました。具体的な運動方法もご紹介しておりますので、読者のみなさんもぜひチャレンジしてくださいね。

体力が落ちていく「フレイル」、それを防ぐためには?

――運動を指導する相手となるシニアの方は、どんな方が多いですか?

シニアのなかでも、75歳以上の後期高齢者の方が多いですね。というのは、75歳を過ぎると体力がぐっと落ちてくるんです。

――そうなると、お仕事などは完全に引退されている方が多いのでは?

ええ。ただ、引退という点でいうと、男性の方が60歳や65歳で定年になったあと、とくに何の活動もせずに生活すると、前期高齢期のうちに体力が落ちてくることが多いんです。こうした身体が虚弱になっていくことを「フレイル」、それを防ぐ取り組みを「フレイル予防」といいます。

フレイル予防のためには高齢期になってからではなく中年期から運動をすることが大切です。70代になってから運動を始めようとしても、その時点で、すでに体力が落ちているなんてことも。今日は、シニアの方ができる運動をご紹介しますが、その息子さん、娘さんの世代の方にも、ぜひ親御さんと一緒に運動していただきたいと思います。

有酸素運動・筋力トレーニング・ストレッチをバランスよくおこなう

――では、シニアの方々は週に何日程度の運動をおこなうのがよいのでしょうか?

運動によって一週間の頻度は変わります。具体的な運動タイプには3点あり、「有酸素運動」と「筋力トレーニング」と「ストレッチ」です。

1点目の有酸素運動では、毎日早歩きすることをおすすめします。有酸素運動には、脂肪を燃やして循環器の能力を高める、血液の流れを助ける、血圧が安定するといった効果があります。2点目の筋力トレーニングは、週2回ほどおこなうとよいでしょう。具体的なトレーニングは後ほど実技でご紹介します。3点目のストレッチは、ウォーキングや筋力トレーニングの前後に、準備運動、整理運動としておこなわれるのがよいと思います。

――ところで筋力トレーニングは、シニアの方でもトレーニングマシンを使ってもよいのでしょうか?

マシンを使えるのであれば、使ってトレーニングしたほうがよいですね。私たちが指導しているデイサービスの施設でも、要支援、要介護1、要介護2に認定された方々がマシントレーニングを使っているんですよ。マシンを使うと、座ったまま一定の動きをするため、安全で効果的なトレーニングが期待できます。

――とくに鍛えたほうがよい筋肉はどこでしょうか?

下半身と体幹の筋肉を鍛えることが重要です。下半身の筋肉は、移動する、立ったり座ったりする、階段を上り下りするといった行動に直結します。ただ、私たち人間の、全身の筋肉量のうち6〜7割はおへそから下の部位に集中しており、筋肉が多いところは、それだけ筋肉が落ちるのも早いんです。

これから実演する、ご自宅でもできるトレーニングは下半身を鍛えるものですので、ぜひ読者のみなさんに実践してほしいですね。

家でもできる筋力トレーニング4選

――それでは、よろしくお願いします。

まず最初は、レッグエクステンションの動きです。レッグエクステンションとは、脚を伸ばす動作を繰り返すトレーニングのことです。これは太ももの表側の筋肉を鍛えて、歩くのを安定させる効果があります

椅子に座ってひざを直角に曲げた状態から、片脚を連続して伸ばしてください。

レッグエクステンション2

次は、スクワットです。スクワットを続けることによってお尻や太もも、ふくらはぎの筋肉が鍛えられ、立ち座りや階段の上り下りが楽になります

椅子やテーブルに手を置き、空気椅子のような状態にまで腰を落としてから立ち上がります。腰を落とせば落とすほど、トレーニングの強度が高まりますが、無理のない範囲でおこなってください。

スクワット1

スクワット2

こちらは、アブダクションです。アブダクションとは、脚を閉じた状態から開くのを繰り返すトレーニングのことです。お尻の横の筋肉を鍛えることで、立ったときに踏ん張れるようになりますたとえば、電車やバスに乗っているとき、急ブレーキがかかっても姿勢が安定します。

直立した状態から足を左右にひらきます。お尻の筋肉を使って、身体のバランスを取るようにしてください。


最後は、かかとの上げ下げです。これはふくらはぎの筋肉を鍛えられ、道の段差などで転倒することを防げます。かかと上げ下げだけでなく、かかとを地面につけてつま先を上げ下げする運動もやってみてくださいね。

トレーニングしたら記録をつけて、継続的におこなうことが大切

――家でトレーニングをするときに、心がけたほうがいいことはありますか?

できるだけ筋肉に負荷をかけておこなってみましょう。先ほどのスクワットであれば、毎日やるなかで「昨日よりもすこし深く腰を落としてみよう」とすこしずつ負荷をかけることが重要です。トレーニング前後のストレッチでは、筋肉をより伸ばすため、時間をかけておこなってください。

あとは、転倒しないことも大切ですね。写真のように椅子やテーブル、壁を使って転倒を防いでいただければと思います。

――なるほど。こうした運動を習慣化するための方法はありますか?

記録をつけてみてはいかがでしょうか。我々がシニアの方に指導させていただくときも、日記帳をお渡しして記録をつけていただいています。書くだけでは身体に変化は起きませんが、記録をつけることで運動やカロリー摂取量を気にするようになります。また、できたという体験を記録として積み重ねることで、自信が生まれ、運動を継続しておこなうようになります。

あとは、ご家族やお友達など仲間をつくって一緒に運動することも大切といえるでしょう。

――運動するには何か目標があったほうがよいのではと思います。みなさん、どんな目標を立てていらっしゃるんでしょう?

短期的な目標と長期的な目標を立てています。短期的には、健康になることで、旅行へ行きたい、やめてしまったカルチャースクールに再び通いたい、などが挙げられますね。一方で、いまの時代は平均寿命と健康寿命の差が10年ほどひらきがあるため、ここを縮めていくのが長期的な目標にあたると思います。具体的にいえば、死ぬまで自分の足で歩ける身体をつくる、です。自分の足でいろいろな場所へ旅行したりおいしいものを食べたり、と活動的な生活をできるほうがよいですよね。

――運動以外でも健康のために気を配ったほうがよいことがあれば、教えてください。

食事ですね。とくに高齢になると、動物性のたんぱく質を摂ることが少なくなってしまうため、お肉やお魚を食べていただければと思います。

――プロテインをはじめとしたサプリメントを摂るといった方法ではよくないのでしょうか?

足りない栄養素を補助的にサプリメントで摂るのであれば、いいとは思います。しかし基本は、食事のなかでお肉を1皿、お魚を1皿、さらに大豆製品、乳製品……というように、きちんと「食べる」ことが必要です。なぜかというと、高齢になると口腔機能が衰えてくるという問題があるからです。噛む力や飲み込む力、固いものを食べるなどの力を維持するためには、サプリメントに頼るよりきちんと食事をしたほうがいいですね。また、バランスよく栄養素を摂るための献立を考えることは、認知症の予防にもつながります。

日々の積み重ねで、健康で丈夫な身体を維持しよう

運動は継続的におこなうことが大切で、そのためには記録をつける、仲間をつくるといった行動を併せておこなえば運動の習慣化が図れます。また、健康になるための運動をしようとしてケガをしてしまっては元も子もありませんから、自宅で運動をする場合、椅子やテーブルを使って転倒しないよう心がけましょう。

そして、運動だけでなく食事を摂ることも健康の維持には不可欠です。とくに3大栄養素とされるたんぱく質、脂質、糖質をバランスよく摂ることが重要です。日々の食事のメニューにも気を配ってみると、日々の運動効果をより高められるといえるでしょう。


(執筆編集:NTTファイナンス 楽クラライフノート お金と終活の情報サイト編集部)


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