基礎知識

糖尿病の基礎知識|原因、治療について

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この記事の内容

この記事を監修した人
自由が丘本間内科クリニック 院長 本間良子

北里大学医学部卒業後、慶應義塾大学医学部内科内分泌代謝科、東京歯科大学市川総合
病院、久我山病院、聖母病院で糖尿病・内分泌疾患の診療にあたり、2007年自由が丘本
間内科クリニック開業。地域の中で患者さんの生活に寄り添う医療を目指して、専門性
を生かしながら、かかりつけ医としての役割も果たす診療を心がけている。

http://www.jiyugaoka-hommaclinic.com/

この記事をおすすめする人

身近に糖尿病の方がおり、自身の健康管理への意識が高まっている方


この記事のポイント

  • 糖尿病になると、身体が疲れやすくなったり、体重の急激な減少が起こったりする
  • 糖尿病は健康的な食事や運動、薬の投与などで治療する
  • 現代の医学では、一度でも糖尿病を発症すると完治させることはできない


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シニア世代とよばれる年齢に差し掛かると、身体の機能が衰えはじめ、さまざまな病気に悩まされるケースを目にします。また、そうした病気の予防に励む人もいることでしょう。

中高年がかかりやすい病気はさまざまなものがありますが、とくに代表的なのが「糖尿病」です。しかし、名前は聞いたことがあっても、どのような症状が現れるのか、治療にはどういった方法があるのかくわしく知らないという方も多いはずです。

そこで本記事では、糖尿病の種類や発症する原因、主な治療法について解説します。

糖尿病とは

糖尿病とは、インスリンが正常に分泌されない、または作用不足によって血液中に流れる血糖の量が増える病気のことを指します。

本来、糖は私たちのエネルギー源となる栄養素であり、食事によって摂取された糖は血液によって全身に運ばれ吸収されていきます。このとき、糖をエネルギーとして変換する際に必須となるのがインスリンとよばれる物質です。

健康な人は糖を摂取しても効率よくエネルギーに変換されるため、血糖値が一定の範囲内に収まっているのですが、糖尿病患者はインスリンの異常によって糖が吸収されず、血糖値が高くなってしまうのです。

1型糖尿病と2型糖尿病のちがい

ひと口に糖尿病といっても、1型糖尿病と2型糖尿病という2種類が存在します。それぞれのちがいについて見ていきましょう。


1型糖尿病2型糖尿病
発症する年齢若年層が中心40代以降
病状の進行急に症状が現れる気づかないうちに進行する
患者の体型の特徴やせ型が多い肥満体型が多い
発症原因膵臓にある細胞が破壊されることでインスリンの分泌量が著しく低下生活習慣または遺伝によるインスリン分泌量の低下、インスリンの効果が下がること
治療法

インスリンの注射が必須

インスリン投与をやめることはできない


食事療法と運動療法による生活習慣の改善

薬の服用

インスリンの注射

糖尿病のなかで圧倒的に多いのは2型であり、生活習慣や遺伝による影響が大半を占めます。急に症状が現れることなく、徐々に進行していくことから自覚症状が感じにくく、気づいたときには病状が深刻化しているケースもあります。

糖尿病を発症するメカニズム

糖尿病を発症する原因およびメカニズムとして、「インスリンの分泌量低下」と「インスリンの効果が下がる(作用不足)」ことが挙げられます。しかし、言葉で聞いても内容がわかりづらいと感じる方も多いのではないでしょうか。

まず、「インスリンの分泌量低下」とは、その名のとおりインスリンの量そのものが減少することを意味します。インスリンは膵臓から分泌されますが、膵臓が機能不全を起こすことによってインスリンの分泌量が減少してしまいます。

これに対し、「インスリンの効果が下がる(作用不足)」とは、インスリンの分泌量は十分なのに、糖からエネルギーへの変換が正常におこなわれにくい状況を指します。肥満や運動不足が原因でインスリンの作用不足を起こすケースが多いです。

糖尿病の症状

糖尿病は自覚症状がないまま進行することが多く、健康診断や人間ドックを受診したタイミングで糖尿病であることが発覚したという人も少なくありません。自分自身が糖尿病であるかを確認するためには、血糖値を測定することが大前提となります。

しかし、目に見える症状が表れる場合もあるため、今回は一例を紹介しましょう。

  • 身体が疲れやすくなる

  • 体重の急激な減少

  • 喉が乾きやすくなる

  • トイレに行く回数が増える など


血糖値が異常に高くなると上記のような症状が表れやすくなる傾向があります。

ただし、上記の症状は必ずしも糖尿病患者にだけ表れるものではなく、健康な人であっても見られる一般的なものです。そのため、上記の症状が見られるからといって糖尿病と決めつけるのは早計であり、繰り返しになりますが医療機関での診断を受けることが何よりも重要です。

糖尿病の治療

糖尿病を患った場合、1型と2型ではそれぞれ治療法が異なることを紹介しました。糖尿病治療の主な3つの方法についてくわしく解説しましょう。

食事療法

糖尿病の治療と聞くと糖質を制限するといったイメージを抱きがちですが、人間が活動するうえで糖は欠かせない栄養素です。そのため、糖尿病治療において主食を排除したり、食事そのものを抜くという行為は好ましくありません。

食事療法において重要なのは、規則正しいタイミングで適正量の食事を摂ることです。暴飲暴食は避け、主食と主菜、副菜、汁物といったバランスのよい食事を心がけることで、血糖値の急激な上昇を抑え安定化につながります。

運動療法

運動療法で重要なのは、毎日でも継続できるよう無理のない範囲で始めることです。たとえば、犬の散歩をしながら朝夕15分程度のウォーキングをしたり、駅やショッピングセンター、職場などの移動に階段を使ってみるなど、ちょっとした生活習慣を変えてみることで血糖値の上昇を抑えられます。

とくに運動療法の効果を高めるためには、血糖値が上昇しやすい食後1時間ほどのタイミングで身体を動かすことです。

また、天候の関係でウォーキングができない日には、室内で短時間でできる筋力トレーニングに挑戦してみるのもよいでしょう。

薬物療法

インスリンの分泌量が著しく減少している場合、その機能を回復させるためにインスリンの注射や薬を服用し治療にあたることもあります。また、近年では糖尿病に対しての新しい内服薬もいくつか登場しており、血糖改善効果を認められています。

ただし、薬物療法だけに任せるのではなく、食事療法や運動療法を組みあわせながら進めることが一般的です。生活習慣を改善することで注射や薬の服用量を減らすことができ、やがては薬に頼らなくても日常生活を送れるようになる可能性もあります。

糖尿病は治るのか

糖尿病と診断された方のなかにはショックを受け、そのタイミングで日々の生活習慣を見直すというケースも少なくありません。

しかし同時に、「糖尿病は完治するのか?」といった不安も抱くこともあります。結論からいえば、一度でも糖尿病を発症した患者は、現代の医学では完治させることはできません。

糖尿病治療の研究は盛んにおこなわれており、将来的に有効な治療法が開発される可能性は大いにありますが、現時点においては食事療法と運動療法、そして薬物療法を併用しながら症状を緩和していくという治療法が基本です。

ただし、上記でも説明したように、生活習慣を大幅に見直すことにより、インスリン注射や薬を飲まなくてもよい状態にまで回復することは可能です。

糖尿病の予防

糖尿病は一度でも発症すると完治が難しい病気であるため、発症しないよう予防をすることが重要です。

肥満傾向のある方はダイエットをおこない適正体重を維持し、食事のタイミングや栄養バランスの考慮、適度な運動に加え、飲酒や喫煙といった嗜好品もできるだけ控える必要があります。

糖尿病の予防方法の詳細については、こちらの記事でもくわしく解説しているためぜひ参考にしてください。


糖尿病の予防について|どんな食事、運動をすればよい?|楽クラライフノート お金と終活の情報サイト

糖尿病は現代の医学では完治させる治療法や薬がない病気です。 一度発症した後は、生涯にわたって糖尿病と付きあっていかなくてはなりません。そこで重要となるのが糖尿病の予防ですが、これは主に食事と運動の両面から生活習慣を改善していく必要があります。 本記事では、糖尿病を予防するにはどのような点に注意すべきなのか、具体的な予防方法について解説します。

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糖尿病は「ならないこと」への心がけが大切

糖尿病を発症し病状が進行していくと、日常的にインスリンの注射や薬の服用が必要となるのが一般的です。なおかつ、一度でも発症すると完治できないと聞けば、恐ろしい病気と感じるのではないでしょうか。

現時点では難しくても、将来的に完治できる治療法や薬が開発される可能性はあります。しかし、生活習慣の見直しに励むことで糖尿病の予防につながり、それ以外の病気のリスクも低減してくれるため、メリットの大きい方法といえるでしょう。

いつまでも健康を維持し、糖尿病を予防するための参考として、関連記事もぜひ確認しておきましょう。


糖尿病の予防について|どんな食事、運動をすればよい?|楽クラライフノート お金と終活の情報サイト

糖尿病は現代の医学では完治させる治療法や薬がない病気です。  一度発症した後は、生涯にわたって糖尿病と付きあっていかなくてはなりません。そこで重要となるのが糖尿病の予防ですが、これは主に食事と運動の両面から生活習慣を改善していく必要があります。  本記事では、糖尿病を予防するにはどのような点に注意すべきなのか、具体的な予防方法について解説します。

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(執筆編集:NTTファイナンス 楽クラライフノート お金と終活の情報サイト編集部)

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