基礎知識

パーキンソン病の治療について|発症後の日常生活も解説

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この記事の内容

この記事を監修した人
矢野大仁

中部脳リハビリテーション病院・中部療護センター、脳神経外科部長、副センター長

 

経歴

平成2年 岐阜大学医学部卒業

平成12年 岐阜大学医学博士

平成12年から岐阜大学病院に勤務。

平成17年 チューリヒ大学脳神経外科(留学)

平成25年 岐阜大学臨床教授・准教授

令和2年4月より現職

 

資格

日本脳神経外科学会専門医、日本脳卒中学会専門医、日本がん治療認定医機構認定医

 

学会活動

日本脳神経外科学会評議員、日本脳腫瘍病理学会評議員、日本ニューロリハビリテーション学会理事、日本意識障害学会世話人

 

診療活動

脳腫瘍、脳卒中、てんかんなどの他、パーキンソン病など不随運動の外科治療など幅広く診療しています。患者さんにわかりやすい説明を心がけています。

この記事をおすすめする人

これからパーキンソン病の治療をおこなっていく方


この記事のポイント

  • パーキンソン病の患者にはLドパやドーパミンアゴニストなどを投薬して治療していく
  • 日常生活にかかる負担を軽減するために、家のバリアフリー化や着脱のしやすい服を用意するとよい
  • パーキンソン病の人をただサポートするのではなく、本人ができることは見守ることも大切


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以下の記事でパーキンソン病の概要を解説しました。


パーキンソン病とは?具体的症状について|楽クラライフノート お金と終活の情報サイト

加齢により運動機能が低下してくると、思うように身体が動かなくなることは珍しくありません。 身体をひねる、曲げるなどの動作がすこし難しくなる、疲れやすくなる、といった程度ならばともかく、振るえが出る、身体のバランスがとりづらく倒れそうになる、などの状態であると医療機関を受診したほうがよいかもしれません。「パーキンソン病」などの病気の可能性があるからです。 パーキンソン病とは、脳の異常によって身体の動きに障害が出る病気のこと。この記事では、パーキンソン病について解説します。

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では、この病気に対してどのような治療がおこなわれているのでしょうか?

そこで、本記事ではパーキンソン病の治療法などを解説します。

パーキンソン病の治療法

医療が発達した現代においても、パーキンソン病を完治する治療法は存在していません。

しかし、パーキンソン病の原因となるのはドーパミンの減少であるため、これを補う薬があり、症状を緩和させることは可能です。

ドーパミンを補完する薬としてとくに知られているのが、Lドパ(レボドパ)です。こちらの薬は、服用すると成分が腸で吸収されてから脳に到達し、ドーパミンに変化して不足するドーパミンを補うものです。

Lドパのほかにも、ドーパミンアゴニスト、抗コリン剤、ドーパミンの代謝抑制剤など治療薬はさまざまあります。

また、こうした投薬治療と並行して、便秘、排尿障害といった非運動症状への治療もおこなわれます。

パーキンソン病となったときの日常生活

パーキンソン病は、身体を動かすのが難しくなる、あるいは身体に振るえが起こる病気です。そのため、家のなかの段差をなくすといったバリアフリー化が転倒防止などに有効です。また、衣服を着る、脱ぐといった動作も困難になるので、着脱のしやすい服を用意するとよいでしょう。

パーキンソン病の症状として睡眠障害、嚥下障害、便秘、排尿障害などがあります。そのため、寝る場所は介護用のベッドを用いると介護しやすく、また睡眠しやすい環境になります。食事では医師の助言に基づき、口に運びやすい食器を用い、飲み込みやすい食形態などに変えるといった工夫が必要です。トイレが和式の場合は立ち座りがしやすい洋式に変更し、手すりがあるとなおよいでしょう。便秘解消のためにはできるだけ繊維物を多く含む食事を心がけ、適度な水分摂取も必要になります。排尿障害では頻尿や、逆に排尿困難、尿意切迫や残尿感などさまざまです。適切な薬物治療が必要になりますが、まず排尿回数や時間帯、排尿量や残尿感の有無などをチェックして医師に相談するとよいでしょう。

パーキンソン病の人への接し方

では、家族などパーキンソン病の人の周囲にいる人々はどのように接していけばよいのでしょうか?

前述のように、パーキンソン病の主な治療法は薬物治療になります。そのため、パーキンソン病の人には定期的に、「薬は飲んだ?」と声をかけ、内服の確認をするのがよいでしょう。

パーキンソン病は、身体を動かすことが困難になる病気ですが、だからといって家族などが行動を何もかも手伝おうとすると、本人がストレスを感じる、生活上の意欲を失ってしまうことがあります。本人がやりたいことやできることは、できる限り見守ることも大切です。

もちろん、本人がしたい行動でもそれを実行するのが難しい場合は、サポートしてあげましょう。単に身体面でのサポートをおこなうだけでなく、本人の気持ちに寄り添ったメンタル面でのサポートも大切です。

パーキンソン病を防ぐために

現在の医療では、一度、パーキンソン病になると完治することはできません。そのため、予防が大切になります。

ここまで解説したように、食べるものもパーキンソン病の発症に影響すると考えられており、予防のためにはバランスのよい食生活が不可欠といえるでしょう。また、脳に刺激を与えてドーパミンを分泌させるため、他人と話すのが苦手という人もストレスを感じない程度に会話の機会を設け、意識的に脳を働かせてみてはいかがでしょうか。

趣味に取り組んだり、適度な運動をしてみたりなど脳に刺激を与えるとともに、気分もリフレッシュできれば、ドーパミンの分泌が増え。予防につながるでしょう。これらは、パーキンソン病に限らず、心身の健康に必要不可欠ですので、ぜひ心がけてくださいね。


(執筆編集:NTTファイナンス 楽クラライフノート お金と終活の情報サイト編集部)

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