パーキンソン病とは？具体的症状について

加齢により運動機能が低下してくると、思うように身体が動かなくなることは珍しくありません。

身体をひねる、曲げるなどの動作がすこし難しくなる、疲れやすくなる、といった程度ならばともかく、震えが出る、身体のバランスがとりづらく倒れそうになる、などの状態であると医療機関を受診したほうがよいかもしれません。「パーキンソン病」などの病気の可能性があるからです。

パーキンソン病とは、脳の異常によって身体の動きに障害が出る病気のこと。この記事では、パーキンソン病について解説します。

パーキンソン病とは

パーキンソン病が起こる原因は、神経伝達物質であるドーパミンの減少とされています。ドーパミンは、脳のなかの中脳と呼ばれる場所にある「黒質」でつくられます。しかし、黒質の変性によってドーパミンが減少し情報伝達がうまくいかなくなることで、パーキンソン病が発症すると考えられています。

パーキンソン病の症状

では具体的にどのような症状が表れるのでしょうか。

症状

パーキンソン病の症状には、手足を動かすことに障害が生じる「運動症状」と、それ以外の症状が表れる「非運動症状」があります。

運動症状

主な運動症状として、下記が挙げられます。

• 動きが緩慢になる（動作緩慢）

• 手足の震えが起こる（安静時振戦）

• 関節がスムーズに動きにくくなる（筋固縮）

• 身体のバランスがとりづらく倒れてしまう（姿勢反射障害）

このように、パーキンソン病の運動症状によって日常生活は徐々に困難になっていきます。ただし、進行がゆっくりとした病気でもあるため、すこしでも運動機能を維持するために運動療法が有効です。

非運動症状

非運動症状は、下記のようにさまざまな症状が表れます。

• におい・香りを感じにくくなる

• 便秘になる

• 汗をかきやすくなる

• 寝ているとき、夢のせいで身体が動いてしまう、寝言が大きくなる

• 頻尿になったり、残尿感を感じたりしやすくなる

• 精神的症状（無気力、無関心、意欲低下、不安、うつ、パニック、幻覚、幻想など）

このなかでも、におい・香りを感じられないといった嗅覚の異常は、パーキンソン病の初期症状として代表的といわれます。

若年性パーキンソン病について

パーキンソン病は50〜65歳で発症する人が多いといわれています。一方で、若い人はパーキンソン病にならないかというと、そうではありません。40歳以下で発症する場合は「若年性パーキンソン病」と呼ばれ、比較的病気の進行が緩やか、初期症状には歩行障害が多く、震えは少ないなどの特徴があります。著名人では、映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズの主演として知られるマイケル・J・フォックスさんが29歳でパーキンソン病を発病し、現在も闘病しながらパーキンソン病の研究資金調達や啓蒙活動をおこなっています。

まとめ

パーキンソン病は、動作に障害が生じる、嗅覚の異常、排泄や睡眠などの日常生活にもさまざまな支障が出やすくなります。

ただ、パーキンソン病になったからといってただちに命に関わる状況ではありません。薬物治療によって症状の緩和を図り、日常生活動作を改善させることができます。

パーキンソン病の診療を担うのは神経内科ですので、気になる方は神経内科のある病院に相談してみましょう。しかし、最初の診療は神経内科ですが、進行期になって薬物治療が困難になると脳神経外科が外科的治療をおこなうことがあります。

また、以下の記事もありますので、併せてご覧ください。

パーキンソン病の治療について｜発症後の日常生活も解説｜楽クラライフノート お金と終活の情報サイト

「パーキンソン病とは？具体的症状、類似の病気とのちがいについて」でパーキンソン病の概要を解説しました。 では、この病気に対してどのような治療がおこなわれているのでしょうか？ そこで、本記事ではパーキンソン病の治療法などを解説します。

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（執筆編集：NTTファイナンス 楽クラライフノート お金と終活の情報サイト編集部）