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シニアの定期的な健康診断について|自宅でできる健康診断キットも紹介
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この記事の内容
複数の企業で健康管理室に勤務した後、ドクタートラストへ入社。
この記事をおすすめする人 退職後も健康診断を受診したいシニア世代の方 この記事のポイント
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定年退職前の現役世代は、職場で年に1回健康診断を受診しています。
しかし、これから定年退職を迎えシニア世代になる方のなかには、「会社員生活を終えてしまったら、健康診断を受けるにはどうすればよいのか」「自分は病院嫌いだけれども、シニアになっても健康診断を受けなければいけないのか」などと思う方も多いでしょう。
そこで本記事では、シニア世代が定期的に受けるべき健康診断にはどういったものがあるのか、健康診断と人間ドックのちがいなども含めて解説します。
健康診断とは
そもそも健康診断とは、労働者の健康維持を目的として労働安全衛生法第66条第1項に基づき実施されるものです。
以下の条件に当てはまる場合、企業は常時雇用する労働者に対して健康診断を受診させなければなりません。また、労働者は健康診断を受診する義務を負います。
企業は労働者に対して定期的に健康診断を受診させるだけでなく、規模50人以上の事業場は報告義務があります(労働安全衛生則第52条)。
以下は、企業が健康診断を受診させる義務のある労働者であり、1と2の両方に該当する場合にその義務が生じます。
期間の定めのない契約により使用される者であること。なお、期間の定めのある契約により使用される者の場合は、1年以上使用されることが予定されている者、及び更新により1年以上使用されている者
その者の1週間の労働時間数が当該事業場において同種の業務に従事する通常の労働者の1週間の所定労働時間数の4分3以上であること
雇入時および毎年1回の定期健康診断、飲食店従業員など(ただし、深夜業を含む業務などに従事する場合には、特定業務従事者の健康診断となります)が実施する検便検査などは「一般健康診断」とよばれます。
また、有機溶剤や鉛、特定化学物質、電離放射線などを扱う業務に従事する労働者に対しては、「特殊健康診断」、粉じん作業に従事する労働者に対しては「じん肺健診」など、職種や業務内容に応じてさまざまな健康診断があります。
多くの事業所で行われている「一般健康診断」では、主に以下のような項目を健診します。
既往歴、業務歴の調査
自覚症状および他覚症状の有無の検査
身長、体重
腹囲
視力、聴力(1000ヘルツと4000ヘルツの音)の検査
胸部X線検査、喀痰(かくたん)検査(雇入時の健康診断では喀痰検査は不要)
血圧測定
血液検査(貧血検査、肝機能検査、血中脂質検査、血糖検査)
尿検査
心電図検査
健康診断と人間ドックのちがい
健康診断と似たものに「人間ドック」があります。どちらもおなじようなものと認識している方も少なくありませんが、健康診断と人間ドックは検査項目に大きなちがいが見られます。
健康診断は上記でも紹介したとおり、10項目ほどの内容を検査しますが、人間ドックの場合は50〜100項目にものぼる検査を行います。
事業者が法令に基づきおこなう健康診断は、前述のように検査する項目が限られているため、必ずしもすべての病気を発見できるわけではありません。
そこで、会社の医療保険者(健康保険組合)は本人が任意で追加できる検査として人間ドックなどをおこなっています。人間ドックでは、胃内視鏡検査(胃カメラ)や、腹部超音波検査(腹部エコー)などの検査が可能。法令に基づきおこなう健康診断ではわからない、さまざまな病気の早期発見につながる可能性があります。
こうした人間ドックの範囲まで含む検査の費用は、事業主負担、個人負担、健康保険組合負担、あるいはそれらの組み合わせなどさまざまなパターンが存在します。ただ、一部にせよ大半の額にせよ、個人負担が発生するケースが少なくありません。また、人間ドックをおこなっていない企業に勤めていたとしても、個人が費用を負担して受診する形になります。
シニアの定期的な健康診断
会社勤めをしている現役世代は、受診義務があるほか、費用を会社が負担してくれるため毎年欠かさず健康診断を受けている方がほとんどです。しかし、定年退職をしたり、会社勤めを辞めて独立したりといった場合では、自ら費用を払って健康診断を受診しなければなりません。
定年退職後のシニア世代は、「前期高齢者(65歳〜74歳)」と「後期高齢者(75歳以上)」のそれぞれに対応した健康診断を受診することが重要です。
特定健康診査(特定健診)
74歳までの前期高齢者は、生活習慣病を予防するための特定健診を受診しましょう。これは40歳から74歳までを対象とした健康診断であり、一般的には「メタボ診断」ともよばれます。
メタボリックシンドロームに着目した健診であり、生活習慣病の予防および治療のために、保健師や管理栄養士といった専門家が生活習慣を見直すサポートをおこなう「特定保健指導」も行われます。
後期高齢者の健康診断
75歳以上にあたる後期高齢者は、自治体ごとに健康診断がおこなわれています。費用は自治体によって、無料の場合、受診する人が負担する場合の両方があります。年1回は受診しましょう。
「後期高齢者健康診断」や「後期高齢者健康診査」など、自治体によっても名称は異なりますが、主に以下の健診項目が用意されています。
問診
身長・体重・腹囲・BMI
血圧測定
肝機能検査
脂質(中性脂肪・HDLコレステロール・LDLコレステロール)
血糖検査(空腹時血糖またはヘモグロビンA1c)
尿検査(糖・蛋白)
上記の検査の結果、医師が必要と認めた場合には、貧血検査、心電図や眼底検査、血清クレアチニンなどの検査がおこなわれる場合もあります。
さらに、上記に加えて、安価な検査費用で人間ドックを受けられる自治体もあるため、制度の詳細については役所の窓口へ問いあわせてみましょう。
自主的に人間ドックを受ける方法も
特定健診や後期高齢者の健康診断は、国や自治体が公的に行っている最低限の健康診断です。医師の問診があるとはいえ、検査項目は限られていることから、すべての病気や身体の異常を発見できるとは限りません。
もし、上記の健康診断だけでは不安に感じる場合、自主的に人間ドックを受けることも可能です。ただ、人間ドックは健診項目が多いためさまざまな病気の早期発見につながる可能性があるものの、胃内視鏡検査等は局所麻酔を使用しても苦痛を伴う場合が多く、また、健診後に精密検査の指示が出ると、場合によっては身体への負担が大きい検査を受けるケースもあります。さらに、検査の結果、間違って陽性と診断される偽陽性、その反対の偽陰性などもまったくないとはいい切れません。これらの利益・不利益を理解し、ご自身で納得して受診することが重要です。
加えてがん検診を受ける場合、積極的に受診勧奨をおこなう対象者の年齢上限として69歳を厚生労働省は推奨しています。70歳以上の方についても、受診機会を提供することが前提ですが、国の検討会で対象年齢の上限について議論を進めていることは留意すべき点といえます。
自宅でできる健康診断キットも
健康診断や人間ドックの重要性は認識しているものの、医療機関や検査機関まで出向くのが困難であったり、時間が確保できないといったケースも多いでしょう。
そんな悩みを抱える方に知っていただきたいのが、医療機関や検査機関まで足を運ばなくても自宅で手軽に健康診断ができるキットです。ただし、健康診断キットは医療機関による診断はおこなわれない場合が一般的なので、そういった商品の特性を理解したうえで利用するか否かを自分自身の責任によって判断することが大切だといえます。
ここでは、いくつか代表的な健康診断キットを紹介します。
おうちでドック
「おうちでドック」は、数滴の血液と尿を専用キットに入れて郵送するだけで、さまざまな病気のリスクを検査できるキットです。大腸がんや食道がん、乳がんなどのほか、糖尿病や痛風、肝機能障害、腎機能障害といった生活習慣病の検査が可能。
独自の特許技術により、病院で血液や尿を採取し検査を行った場合と同等の検査水準も実現しています。
血液検査キット.jp
「血液検査キット.jp」では、がんや生活習慣病、ピロリ菌などの検査を自宅で手軽にできる検査キットを提供しています。厚生労働省の承認を得た安全性の高いキットで、指先から採血をするため簡単かつ安全です。
医療機関と同等の検査精度を実現しており、検体を送った後は3〜5営業日で結果を返信してくれます。
健康チェッカー
「健康チェッカー」は、大塚製薬が提供する血液検査キットです。糖代謝や脂質代謝、肝機能、腎機能、栄養状態など14項目を手軽に検査でき、1週間程度で検査結果が郵送で届きます。
より早いタイミングで結果を知りたい方には、メールアドレスを指定するだけで3日程度で速報を送信することも可能です。
必ず自分の身体をチェックしよう
今回紹介した健康診断キットは厚労省の承認を得ており病院と同等の精度がうたわれていますが、医師と対面し問診などを経ることで初めて病気が判明する場合もあります。
健康診断キットは便利なツールですが、キットだけに頼るのではなく、補助的にうまく活用しつつ、医療機関での健康診断も並行しておこなうとよいでしょう。
個人差はあるものの、基本的に人間の身体は年齢を重ねるとともに衰え、さまざまな不調が現れてきます。
一見すると若々しく健康な方でも、血液や尿などをくわしく調べてみると、身体のなかではさまざまな問題を抱えているというケースが少なくありません。そのため、自分の身体の状態を正確に知るためにも、健康診断は必須といえます。
なお、医療機関での健康診断について、65〜74歳の前期高齢者は40歳以上の人とおなじ特定健診を、75歳以上の後期高齢者は後期高齢者医療健康診査を受ける形になります。
(執筆編集:NTTファイナンス 楽クラライフノート お金と終活の情報サイト編集部)
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