コラム

【シニア料理研究家に聞く】「肉食シニア」のススメ|食べやすい肉料理のレシピ

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この記事の内容

この記事を監修した人
小林まさる

料理研究家。1933年、樺太(現ロシア共和国サハリン)生まれ。勤務先の企業を定年退職後、義理の娘である料理研究家・小林まさみのアシスタントをしたことをきっかけに自らも料理研究家の道へ。著書に『人生は、棚からぼたもち!』(東洋経済新報社)など。

この記事をおすすめする人

健康に過ごすための食生活を送りたい方


この記事のポイント

  • 肝臓を機能させるにはタンパク質が不可欠
  • 肉料理は「簡単」を心がけるとよい
  • 手羽中のグリル焼きは包丁を使わないので手軽に調理できる


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医食同源という言葉があるように、食べるという行為はそのまま健康に直結するといえるでしょう。よって、健康に、そして長生きをするためには、やはり食に気を配る必要があります。

そこで、シニアのみなさんにお聞きしたいのが「お肉を食べていますか?」ということです。肉は食べすぎると体によくないイメージがあり、また食感も重たいことから、敬遠しているという方も少なくないのではないでしょうか。

しかし、健康の維持のためには肉に含まれるたんぱく質の摂取が不可欠です。今回は、シニア料理研究家として活躍されている小林まさるさんに、美味しく気軽に食べられる肉料理のレシピをお聞きしました。

なぜシニアも肉を食べたほうがよいのか?

「そうそう、たしかに歳をとると『肉離れ』しますよね」

今回の取材が始まって開口一番そう話される小林さんに、具体的な料理の作り方の前に、まずはシニアも肉を食べたほうがよい理由をお聞きしました。

――小林さんはシニアも肉を食べたほうがよいとお考えですか。

もちろんそう思います。肉を食べずたんぱく質をとらなければ、たとえば夏バテが起こりやすくなります。

また、私は以前肝臓を壊してしまったことがあるのですが、そのときに医師からいわれたのが、「必ずたんぱく質をとってください」ということでした。肝臓の機能にはたんぱく質が不可欠なんだそうです。おそらく読者のなかには、お酒をたしなむ方も少なくないと思いますが、そうしたシニアには肉料理を食べることが必要なんです。

もちろん、毎日食べる必要はないですし、肉以外の食事もバランスよくとることは大切です。私の場合でいえば、3日に1回は肉を食べています。

――とはいえ、肉を敬遠してしまうシニアがいるのも事実ですよね。今回の企画もそこから発案したものです。

私も今年で89歳になるのでわかりますが、我々の世代は「肉は身体に悪いもの」と思ってしまっているところがあります。また江戸時代より前まで遡れば、牛や豚を食べる風習は日本に広く根付いていたとはいえません。

ただ、このように肉を口に入れてこなかった私たちより上の世代の人を見てみるとどうでしょう?昔は、人生50年なんていわれていました。50年はおおげさだとしても、たとえば55歳で会社を定年になって、60歳にもなると身体が弱りきってしまうケースも珍しくなかったことを、よくご存じの方もいると思います。

しかし、今は人生80年、あるいは100年といわれます。これだけ寿命が延びたのは、医療の発達もありますが、日本人の食生活が肉の摂取も含めたバランスのよいものになったからではないか、と私は考えています。

――これから具体的なレシピをお聞きしますが、肉を敬遠するシニアの方でも食べられる肉料理をつくるための工夫を教えてください。

とにかく「簡単」を心がけていただければと思います。まず、素材数を少なくする、もしくは食材は身近なもので「◯◯牛」や「△△ポーク」という銘柄にこだわる必要はありませんし、あちこちの店に行かなければ入手できない材料を使う必要はありません。どこでも入手できるような素材で料理するのがよいですね。

そして、料理自体も簡単にしたほうがよいです。私の場合でいうと、あまり多くの調味料は使わないんです。たとえば豚肉を料理するなら、煮たり焼いたりして、あとは塩こしょうを軽くまぶすだけ、ということが多いですね。そうすると、あっさりした味付けになり、肉のこってりとした味を敬遠される方でも気軽に召し上がれることでしょう。

――どうしても肉料理に手が伸びないシニアへのアドバイスもお願いします。

卵や牛乳を摂取することをおすすめします。これらには肉に劣らないほどたんぱく質が豊富ですからね。先ほど申し上げた、私が肝臓を壊したときも牛乳を飲んでいました。

レシピ「手羽中のグリル焼き」

それでは、小林さんにシニアにおすすめできる肉料理のレシピを教えていただきましょう。今回の料理は「手羽中のグリル焼き」です。

〈材料(2人分)〉

鶏手羽中 6本(250〜300g)

アスパラガス 1束(100g)

水 150cc

塩 小さじ1

にんにく(すりおろし) 小さじ1

マヨネーズ 適量

七味唐辛子 少々

〈下準備〉

水・塩・にんにくをボウルなどで混ぜる

〈手順〉

1.手羽中の水気を拭く。身(皮ではないほう)にハサミで約4cmの切り込みを入れる

「切り込みを入れることで、味(水・塩・にんにくを混ぜたもの)が入り、火の通りがよくなります。包丁を使わなくても大丈夫です。このレシピはシニアの方が包丁を使わなくても、手軽につくれることを意識しました」(小林さん)

2.保存容器に水・塩・にんにくを混ぜたものを注ぎ、手羽中を漬ける。保存容器の蓋をして冷蔵庫に移し、一晩漬けておく。

「塩水につけると肉がふっくらと焼けます」(小林さん)

3.アスパラガスの下側の硬い部分を折り、そのうえで下側約3cmの皮をむく。グリル(魚焼きグリルなど)でアスパラガスを焼く。強火で約3〜4分。

「アスパラガスがあったほうが、料理に彩りが出て、栄養のバランスもとれますね」(小林さん)

4.手羽中の汁気をふき、まず皮目を上にして強火で焼く。焼けたらもう片面も焼く。

「先にアスパラガスを焼いておくと、余熱によって手羽中を焼くときの時間は片面6分ずつで済みます。余熱がない場合の時間は7〜8分くらいです」(小林さん)

5.お皿に盛り付けて完成。マヨネーズ、七味唐辛子など好みの調味料を添える。

「手羽中は塩味がついていますので、そのまま食べられます」(小林さん)

シニアの食生活と肉料理

小林さんにつくっていただいた「手羽中のグリル焼き」を、編集部もいただきました。焼きたてでとても美味しく、ほのかに感じるにんにくの風味が食欲を増し、鶏本来のうまみも引き出されています。主菜としても、お酒のアテなどとしても楽しめそうです。

最後に、小林さんの肉料理に対する考えについてもお聞きしました。

――小林さんご自身は、どんな食生活をおくっていらっしゃるのですか?

実のところ、試作品を食べることが多いんです。私やまさみちゃん(小林さんの義理の娘で料理研究家としての先輩にあたる小林まさみさん)がつくった料理を3〜4品、多いときには10品くらい食べていますね。栄養価の高いものですので、健康につながっています。

もちろん、料理研究家ではない一般の人がおなじような食生活を送るのは難しいと思いますが、それでもバランスのよい食事を心がけてほしいですね。肉をあまり食べない方も、この記事を機会に食べていただければと思います。

――小林さんにとって、肉料理とは何ですか?

生きていくのに必要なもの、そして長生きするための条件の一つです。最初に申し上げたように、日本人がバランスよい食事をするようになったことで、寿命も延びました。それに、いまの若い人って身体が大きいでしょう? これも食生活と大きく関連していると思いますね。

お肉で健康を維持しよう

小林さん直伝のレシピ、いかがでしたでしょうか。手羽中のグリル焼きは、包丁を使わず手軽につくれて、味付けもシンプル。シニア世代の小林さんが、おなじ世代の人々の気持ちになりながら考えてくださったものです。きっと、美味しく食べられると思います。

また、小林さんが再三述べていたように、肉も含めてバランスのよい食事をとることが、健康、ひいては長寿につながります。つくるのも食べるのも無理のない範囲で、肉料理を楽しんでくださいね。


(執筆編集:NTTファイナンス 楽クラライフノート お金と終活の情報サイト編集部)

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