コラム

自分史とは?取り組むメリットからタイミング・作り方までくわしく解説

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この記事の内容

この記事を執筆した人
河野初江

一般社団法人自分史活用推進協議会代表理事

岡山市生まれ。東京女子大学文理学部(史学科)卒。株式会社リクルート入社。リクルートの顔『月刊リクルート』編集長を務めたのち独立。コンサルタント会社を経て、編集工房オフィス河野を設立。広報誌の編集実績は2万ページ以上に及ぶ。人物の魅力を引き出す本作りを得意とし、リクルートの創業者である江副浩正氏ほか、多数の自叙伝、自分史を手がける。2017年より現職。著書に『熱中できるものを探す』(日本経済新聞社)。

https://rashiku-lab.com/


この記事をおすすめする人

自分史という言葉を知り、関心が湧いている人


この記事のポイント

  • 自分が生きた証を後世まで残せる
  • これまでを振り返り、自分をさらによく知ることができる
  • 「だれのために自分史を作るのか」が重要である


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リタイヤ後の自由な時間を生かし、自分史作りをする人が増えています。最近では「自分を知るツール」としても注目され、自分史を活用した自己分析や自己PR講座も人気です。その一方で、どのような「自分史」があり、どう取り組めばいいのかと迷う人も多いようです。

ここでは、「自分史」とは何かといった基本的なことから、自分史に取り組むメリットやタイミング、作り方を紹介します。

自分史とは


自分史とは、個人の歴史のことです。作り方や表現方法は自由です。1975(昭和50)年に歴史学者の色川大吉氏が戦前戦後の歩みを振り返り、「庶民こそ自分の歴史を語るべきである」(『ある昭和史―自分史の試み』)と述べたことから、普通の人の歴史として「自分史」という言葉が使われるようになりました。

なぜいま、注目されるのか

長寿の時代を迎え、一人ひとりが自分の歩んできた道を書きのこす時間を得たからです。また多くの人が、「自分を知るツール」としての魅力に気づき、人生に役立てるようになってきたことによります。

人生は選択の連続です。長生きをするようになった私たちは、これからますます転職をしたり、新しいビジネスに挑戦したり、新天地を求めて移動するなど、マルチな生き方へとシフトしていきます。と同時に選択を迫られる機会が増えていきます。

そんなとき、何を基準に判断をすればいいでしょうか。未来のことを知ろうとしても、それはだれにもわかりません。けれども、過去を振り返り、自分がどのような選択をし、どう生きてきたのかを知ることで、自分がどうあろうとしているのかが見えてきます。

迷ったとき、自分がどう生きてきたのかを見つめ、自分らしい選択をしようとすることは、ある意味、自然なことです。過去と対話し、自分史と向きあうことで生きていこうとする人はさらに増えていくでしょう。

自分史から得られるメリット


自分史は「記憶を記録する」という機能のほかに、自己分析や自己PR、コミュニケーションツールとしての機能も併せもっています。これらの機能をもっている自分史から得られるメリットはたくさんありますが、その中から3つ紹介します。

1.  生きてきた証を残せる

だれもが固有の体験をしています。その体験を記録し、形にしてのこすことで、自分の子孫や家族、友人、さらに後世に伝えることができます。また、それによって家族や周囲の人たちとのコミュニケーションが取りやすくなり、関係が深まります。

2.  自分をよく知ることができる

自分のことはわかっているようで、実はよくわかっていないものです。過去を振り返り、自分を見つめることで、失敗や挫折にも意味があったと気づき、自分に誇りが持てるようになります。それは、これからの人生を前向きに生きていくための大きなエネルギーとなります。

3.  自分をよく知ってもらうことができる

自分の強みや魅力を、相手にわかりやすく伝えることができるようになります。これからは、組織を離れて道を切りひらいたり、活動したりすることも増えていくでしょう。そのようなとき、自分の強みやセールスポイントを知ってもらうことで早くチームに溶け込み、相手との信頼関係を築くことができます。

実は自分史には、もうひとつ大きな力があります。それは脳を活性化させる、ということです。自分史作りでは、人生の出来事を回顧したり、整理したり、表現したり……と、思考の領域から感情の領域まで広い範囲の脳を使います。アメリカのジェロントロジー学(老年学)の権威、ジーン・D・コーエン博士は、その著書『いくつになっても脳は若返る』(ダイヤモンド社)で、後半生に自伝をまとめたくなるのは「脳自体が脳の多くの場所を使うことを楽しんでいるのでないか」とまで言っています。

自分史作りのタイミング

自分史作りのきっかけやタイミングは人それぞれ。自分史は何歳で取り組んでもいいものです。とはいえ、いくつか共通する人生の節目やタイミングがあるので紹介します。

巣立つとき

社会へと巣立つとき、就職活動でまず求められるのが、「あなたは何者であるのか」ということです。過去の失敗や、人との出会いから何を得たか。自分史をまとめることで、自分をPRするストーリーをたくさん見つけることができます。

ルーツに目が向いたとき

家庭をもったときや、子供が生まれたとき、あるいは孫が生まれたとき、多くの人が自分のルーツに関心を持つようになります。それは家族みんなにとっても大事な記録であり、家族をつなぐ自分史として読み継がれるものとなります。

親を元気づけたいと思ったとき

老いる親を元気づけるために「親の自分史」を作る人が増えています。親の自分史をつくることで親子の会話が弾むようになるなど、嬉しい変化が生まれます。

リタイヤを意識したとき

リタイヤを意識したとき、あるいは自分の老いや寿命を意識したとき、自分が培ってきた知識や経験を伝えたいという気持ちになるものです。時代背景や社会情勢、当時の状況を克明に描くことで、時代の証言として、また同じような生き方を志す人たちへの貴重な手引きとなります。

記念の日を迎えるとき

人生には銀婚式や金婚式、あるいは喜寿、傘寿、米寿など、多くの記念すべき日があります。その日に向けて、人生の集大成としてや周囲への恩返しの気持ちから、多くの自分史が作られています。

自分史作りに取り組むきっかけはこれだけではなく、種々あります。それぞれの人生に、それぞれの節目があるといってもいいでしょう。

自分史の作り方

手始めに、「だれのために」作るのかを考えましょう。自分のためだけに作るのか、家族や友人、あるいはもっと広く多くの方に読んでもらうのかなど、読み手を考えます。また、どんな表現形式のものにするのか、どのような形のものにするかも決めましょう。

自分史の形は本だけではありません。自分のためだけならノートに手書きしたままでもいいかもしれません。また、コピーやホチキスで手づくりした冊子でもいいでしょう。

最近では写真や文章で構成した雑誌スタイルや、写真を中心に構成したアルバム形式、動画を使っての自分史など、自分史の表現形式は広がっています。

文字を中心にした自分史の良さは、手軽に始められるところにあります。誰もが手にしやすい本の形にすれば、より多くの人に読んでもらうことができます。

写真を中心にしたアルバム形式の良さは、状況や様子がひと目でわかることです。動画の自分史は、結婚式や金婚式、お別れの会などの場で、みんなで視聴できるのが魅力です。様々な表現形式の自分史があるので、目的に合うものを選ぶとよいでしょう。

表現形式が決まったところで、いよいよ自分史作りのスタートです。最初は簡単な年表作りから始めましょう。生まれた年から1年刻みで進学や就職、結婚、転居、子供の誕生などのライフイベントを書いていきます。社会の出来事や、流行っていた歌なども書き加えると、当時のことが思い出しやすくなります。

思い出の場所に足を運んだり、恩師や旧友を訪ねて話を聞いたりすることもまた、自分史作りの楽しみのひとつです。素材がそろったら書き出します。年表にそって「時系列」に書くのが基本ですが、大事な体験に的を絞って書く「テーマ型」、折々に綴ってきた文章や短歌・俳句などの作品、SNSへの投稿などで構成する「エッセイ型」もあります。

書きあがった原稿は、信頼できる友人か家族に読んでもらい、直すべきところがあれば直しましょう。自分ではよくできたと思うものであっても、その過程を経ることで表現が練られ、客観的にも価値のあるものになっていきます。

困ったらプロに相談しよう

自分史作りをプロに依頼する方法もあります。どこに依頼すればいいか、原稿を本にするにはどうすればいいかなど、自分史作りに迷うようであれば、一般社団法人自分史活用推進協議会にメールでご相談ください。無料で相談を受けています。


(執筆:一般社団法人自分史活用推進協議会代表理事 河野初江 編集:NTTファイナンス 楽クラライフノート お金と終活の情報サイト編集部)

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