基礎知識

葬儀場の基礎知識|種類ごとの長所・短所から選び方までくわしく解説

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この記事の内容

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生前のうちから自分のお葬式について考えたい方


この記事のポイント

  • 近年の葬儀場には、火葬場を併設しているところもある
  • 葬儀は民営・公営・寺院斎場のほか、自宅やホテルでも執りおこなうことができる
  • 葬儀場は費用以外にも、葬儀の規模感や交通アクセス、宿泊施設の有無で選ぶことも大切


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お葬式を希望どおりにおこなうためには、流れの確認や業者の選定に加えて、「葬儀場をどこにするか?」を明確にしておくことも重要なポイントです。

前もって葬儀場の特徴を調べて「こんな場所にしてほしい」と希望をのこしておくことで、家族も葬儀場を選びやすくなります。「ここでお葬式を挙げたい」という場所が見つかれば、家族に希望を伝えておきましょう。

こちらの記事では、葬儀場の特徴や種類、選び方などをご紹介しています。自分の理想のお葬式にするため、そしてご家族のために、お役立てください。

葬儀場とは

葬儀場には、「斎場」「葬祭場」「葬祭ホール」「葬式場」など、さまざまな呼び名があります。一般的には葬儀場=お葬式を挙げられる場所として認知されており、呼び名によって決定的な違いがあるわけではありません。

しかし近年まで、「斎場」と「葬儀場」は明確に使い分けられていました。まだ意図して使い分けているところもあるので、違いを確認しておきましょう。

斎場と葬儀場の違い

「斎場」は「火葬場も併設している葬儀場」のこと。「葬儀場」は「葬儀を挙げられる場所」のことです。火葬場が併設されているか否かが違いとなります。

斎場を選ぶメリットは、通夜・葬儀・告別式とともに火葬を執りおこなえること。移動の手間や費用をおさえられます。葬儀場の場合は、火葬を執りおこなう際にバスやタクシーなどで火葬場まで移動しなければなりません。なるべく費用をおさえて労力を減らしたい場合は、斎場を選ぶことをおすすめします。

しかし昨今は、「斎場」も「葬儀場」もおなじ意味で使われている場合が多いようです。火葬場が併設されているか否か、前もって確認しておくとよいでしょう。

葬儀ができる場所の種類

主な葬儀場の種類や特徴、メリット、デメリットをご紹介します。

公営斎場

「斎場」には大きく分けて「公営」と「民営」の2種類があります。

公営斎場は各自治体によって運営されている斎場を指し、その運営費用は税金によってまかなわれていることがほとんどです。自治体が運営しているため、費用をおさえられるのが最大のメリット。葬儀社や宗教も自由なところが多いため、近くに公営斎場があれば一度問いあわせてみることをおすすめします。

しかし、公営斎場を利用するにあたっては、いくつか注意点もあります。故人や喪主の現住所が公営斎場とおなじ地域ではない場合は費用が上がり、予約も取りにくくなります。公営斎場によっては細かく決めごとがある場合もあるため、「費用が安いから」という点だけで選ぶのは避けたほうがよいでしょう。

メリット
  • 火葬場が併設されていることが多く、利用しやすい
  • 民営斎場よりも費用が安い
  • 葬儀社や宗教に制限のないところが多い
     
デメリット
  • 故人や喪主の住所によっては費用が高く、予約も取れない可能性がある
  • 場所によっては細かい規制が設けられている場合がある

民営斎場

自由度が高いのが民営斎場のメリットです。伝統的なお葬式から、家族葬や自由葬など、希望やイメージに沿ったお葬式を叶えてくれる設備が整っています。また、ほとんどの民営斎場が主要の駅やホテルから近い場所にあるため、遠方からやってくる家族や親族の負担を減らすことができます。

デメリットは、会葬返礼品や通夜振る舞いを用意するときに、民営斎場指定の業者を使わなければならない場合が多い点。業者によっては規定もあるため、自分の希望を実現できるかどうか確認する必要があります。

また公営斎場と比べて費用が高くつくデメリットも。複数の葬儀社に問いあわせてプランの比較検討をしたり、生前に契約することで費用をおさえられるプランがないか探したりと、工夫してみるとよいでしょう。生前に契約する場合は、家族への情報共有を忘れずに。

メリット
  • 自由度が高い
  • 駅やホテルから近く、立地のよい場所が多い
  • 設備が充実している

デメリット
  • 費用が高い
  • 指定の業者を使わなければならない

寺院斎場

寺院が運営・管理する斎場もあります。葬儀場に寺院斎場を選ぶのは、長らくお世話になっている住職さんや菩提寺がある場合がほとんど。信頼する住職さんにお経をあげてもらいたいと希望する方は、寺院斎場を選ぶのも選択肢のひとつです。

もとから檀家ではない場合でも、希望する寺院斎場があればお葬式をおこなえることもあります。費用や住職へのお布施は変動するかもしれませんが、一度問いあわせてみることをおすすめします。

メリット
  • 信頼する住職さんにお経をお願いできる
  • 家族や親族に限らず、近所の方もお参りしやすい
  • 宗教者の料理代やお車代が不要になる場合が多い

デメリット
  • 公営や民営斎場と比べると、設備やスタッフが整っていない場合がある
  • だれでも利用できるわけではない

自宅

自宅でお葬式を執りおこなう「自宅葬」を選ぶ人もいます。近しい家族だけの団らんの雰囲気のなかで見送ってもらえることや、最大限に自分の希望を反映させたお葬式ができることが魅力でしょう。

自宅葬を検討するときに考えなければならないのは、「棺の搬入経路が確保できるかどうか」です。ドアや通路、階段、エレベーターなどは、棺が十分に通れる広さか。不安がある場合は、自宅葬プランを用意している葬儀場もあるため、相談してみると安心です。

メリット
  • 自分の希望に沿ったお葬式ができる
  • 費用をおさえられる

デメリット
  • 自宅の形状によっては自宅葬をおこなえない場合もある
  • 近所の方に亡くなったことが知られる

ホテル

近年ではホテル葬を選ばれる方も増えてきています。設備が整っており、綺麗な式場で執りおこなえる点や、宿泊できる点が大きなメリット。仏式のお葬式よりは神式やキリスト教が多く、火葬後におこなわれる「骨葬」や「お別れの会」の場として選ばれるケースが大半です。

ホテルの性質上、「線香や焼香はNGのため、お参りには献花をする」「ご遺体の安置NGのため、おこなえるのは骨葬またはお別れ会のみ」など制約が多いのが懸念点といえるでしょう。ホテル葬を検討する際には、事前に綿密な打ちあわせが必要です。

メリット
  • 宿泊ができる
  • 内装や設備が整った場所でお葬式ができる

デメリット
  • 仏式のお葬式はできない場合が多い
  • 骨葬やお別れ会のみしかできない場合が多い


葬儀場の選び方のポイント

葬儀場を選ぶポイントはいくつかあります。主なポイント6点について解説しますので、選ぶときの参考にしてください。

1.  利用料金

どれくらいの費用がかかるのかは、葬儀場を選ぶ際の重要なポイントとなるでしょう。公営斎場の費用はおおよそ5万円から10万円、民営斎場では20万円以上かかる場合が多いなど、葬儀場によって金額が大きく異なります。

そのため「なるべく費用をおさえたいから、家族葬や自由葬にしたい」と希望される方も。葬儀費用を左右するのは、どの葬儀場を選ぶかにもよりますが、「祭壇の規模」「料理の質と数」「返礼品の質と数」が大きく関わってくることを念頭に置いておきましょう。

葬儀場の質や規模にこだわらないのであれば、公営斎場や自宅で執りおこなうことを軸に検討するのをおすすめします。

2.  葬儀場の規模感

葬儀場の大きさも大切なポイントです。近しい家族のみでおこなうのなら、広いスペースは必要ないでしょう。反対に、より多くの人に来てほしいと望むなら、参列者が増えても対応できるスペースを確保する必要があります。

家族葬を希望したとしても、新聞のお悔やみ欄に案内を載せたり、「家族以外の参列はご遠慮ください」と掲示したりしない限りは、想定した人数以上の参列者が来る場合も。失礼にあたらないよう、前もって配慮しておくとよいでしょう。

3.  交通アクセスの良さ、駐車場の有無

遠方から親族や知人が来ることを考えた場合、駅やホテルから近い場所にあるか、駐車場は十分な広さがあるかなども確認しておきたいポイントです。

交通の便を優先する場合は民営斎場かホテルを選ぶことをおすすめします。

4.  宿泊可能かどうか

交通の便と同様に、宿泊可能かどうかも気になる点のひとつ。宿泊不可の葬儀場でも、ホテルなどの宿泊場所を用意することはできますが、手間がかかります。宿泊場所を併設している葬儀場も増えてきているため、遠方から来る親族や知人のために、選択肢のひとつとして検討しましょう。

斎場併設の宿泊施設を利用する場合は、葬儀費用に別途で宿泊料がかかる場合もあります。

5.  利用資格の確認

とくに公営斎場や寺院斎場の利用を検討する場合に考えなければならないのが、利用資格の有無です。

公営斎場であれば、斎場とおなじ地域に故人または喪主の現住所があるかどうか。そして寺院斎場であれば檀家であるかどうかが主な利用資格となります。利用資格がなくても、希望すれば受け付けてくれる場合もあるため、事前に確認しておきましょう。

6.  空き状況の確認

とくに都内で多いパターンなのが、いざというときに場所が空いておらず、希望の場所でお葬式を挙げられないケース。状況によっては1週間ほど待つこともあります。万一のため、希望する斎場をいくつか検討しておくのもひとつの方法です。

まとめ

どの葬儀場を選ぶかで、挙げられるお葬式のスタイルはガラッと変わります。「家族だけで見送ってほしい」「なるべく費用はおさえたい」など、まずは譲れない希望をはっきりさせてから、それに沿った葬儀場を選ぶとよいでしょう。

かかる費用やお見送り方法も葬儀場によって千差万別です。複数の葬儀社から見積もりをとって事前にしっかり検討しておけば、理想にあったお葬式が実現しやすくなります。


(執筆編集:NTTファイナンス 楽クラライフノート お金と終活の情報サイト編集部)

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