香典は連名で渡してもよい?包む金額や渡し方などのマナーも紹介
香典袋にはどんな種類がある?宗教別の選び方や書き方・マナーを解説
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この記事の内容
葬送儀礼マナー普及協会
葬送儀礼(臨終から葬儀、お墓、先祖供養等)が多様化している中で、「なぜそのようにふるまうのか」といった本来の意味を理解し、そうした考え方や習慣を身につけられるよう「葬送儀礼マナー検定」を実施しています。メディア監修多数、葬儀・お墓関連のセミナー等も実施しています。
お葬式やお通夜に参列する際は、現金を香典袋に入れて遺族に手渡すのが一般的です。
しかし、単にお金を袋に入れればよいというわけではなく、香典袋の種類や表書き、水引などにも細かなマナーが存在します。
宗教や宗派、住んでいる地域などが異なると、それまで当然と思ってきた常識のちがいに戸惑うこともあるでしょう。
本記事では、お葬式の際に使う香典袋の種類や選び方、マナーについて、宗教や、地域のちがいなどの観点からくわしく解説します。
香典袋の種類は宗教によって異なる
香典袋は、主に「表書き」、「水引」、「外袋(包み)」の3つにちがいが見られます。宗教によって使用する香典袋は異なるため、それぞれの基本を押さえておきましょう。
仏教の香典袋
日本でとくに多い仏教の香典袋は、白い無地または蓮の花が印刷された外袋に白黒または双銀の水引のものが一般的です。
表書きは、「御香典」「御香資」なら宗派問わず使用できますが、慣例として四十九日までは「御霊前」と記載されたものを使用する傾向があります。浄土真宗の場合は「御霊前」ではなく「御佛前」が適当とされています。
神道の香典袋
神道の儀式で香典袋を使用する場合には、白い無地の外袋に白黒または双銀の水引が施されたものを使用します。
また、表書きには「御神前」や「御玉串料」、「御榊料(おんさかきりょう)」、「御神饌料(おんしんせんりょう)」などを記載します。また、仏教で用いられることの多い「御霊前」も神道の香典袋に記載して問題ありません。
キリスト教の香典袋
キリスト教の儀式で香典袋を使用する場合には、ユリの花や十字架がプリントされたものを選びます。
水引は宗教的な意味合いはないので、あってもなくてもかまいません。また、表書きはカトリックとプロテスタントで異なり、カトリックの場合は「御花料」または「御ミサ料」、プロテスタントの場合は「御花料」と記載します。
香典袋の選び方
コンビニやホームセンター、文房具店などではさまざまな香典袋が販売されており、どれを選べばよいか迷ってしまうこともあるでしょう。
そこで、香典袋を選ぶ際の基準やポイントをご紹介します。
宗教・宗派で選ぶ
とくに重要なのは、お葬式やお通夜などに参列する際に相手方がどの宗教・宗派に属しているかということです。
上記のとおり、仏教・神道・キリスト教それぞれで用いる香典袋は異なります。
香典袋のなかには「御霊前」や「御佛前」など表書きがあらかじめ印字されたものもあるため、相手方の宗教・宗派がわかっていれば、それに対応した香典袋を選択するのがよいでしょう。
そうはいっても、実際は事前に宗教、宗旨、宗派まで把握しているケースは少ないうえ、必ずしも相手に合わせなければいけなというわけではありません。基本的には「御霊前」「御香典」「御花料」のいずれかであれば、咎められることはないでしょう。
包む金額で選ぶ
なかに包む金額も、香典袋を選ぶ際のポイントとなります。
一般的に、包む金額が高くなるほど装飾がある香典袋、格式が感じられる香典袋を選びます。
厳密な基準やルールが決まっているわけではありませんが、目安として以下を参考に選んでみるとよいでしょう。
中に包む金額 | 香典袋の特徴 |
3000円〜5000円 | 結び切りの水引が印刷された袋 |
1万円〜3万円 | 本物の水引があり、あわじ結びとなっている袋 |
3万円〜5万円 | 本物の水引があり、外袋は高級感のある中金封となっているもの |
地域別の風習で選ぶ
冠婚葬祭の風習やマナーは、地域によってもわずかに異なる場合が多く、香典袋も例外ではありません。
たとえば、京都府・大阪府・兵庫県などの地域では、白い袋ではなく黄色と白の香典袋が用いられます。ただし、一般的な黒と白の水引の香典袋もあり、現在ではどちらを使用しても問題ないケースがほとんどです。
喪主から僧侶へお布施を渡す際に使用されることもあります。
また、全国的に見ても珍しい例として、黒と白ではなく紅白の水引があしらわれた香典袋を使用する地域もあります。埼玉県北西部の秩父地方や長野県、新潟県などが該当し、表書きには「お見舞い」と記載します。
このように地域による風習のちがいを不安に感じる場合には、参列する前に葬儀社などへの確認をしておくと安心です。
香典を包む際に必要な袱紗
香典は現金を袋に入れるだけではなく、葬儀場の受付までは「袱紗(ふくさ)」と呼ばれる布に包んで持ち運ぶのがマナーとされています。
袱紗の選び方
香典を包むために使用する袱紗は、柄がない寒色系(青や藍色、グレー、黒など)のものを選ぶのが一般的なマナーです。
袱紗のなかにはお葬式やお通夜の際に使用する弔事用と、結婚式などで使用する慶事用のものがあります。なかに包まれている台の色を変えることで、慶弔兼用できるものも少なくありません。
また、長財布のように香典袋を挟むタイプの袱紗も販売されていますが、このようなタイプを選ぶ際には香典袋を包めるサイズであるかを確認したうえで選びましょう。
お葬式後に香典をおくる際のマナー
遠方に住んでいたり、スケジュールの都合でどうしてもお葬式に参列できない場合には、終わった後に香典をおくることもあります。
このような場合でも、基本的にはお葬式に参列する際と同様に香典袋を用意し現金を包みます。
家族や友人などを通して渡してもらい、本人から直接遺族へ渡すことができない場合には、添え状などを準備し直接渡せない旨のお詫びを書いておくと丁寧です。
浄土真宗以外の仏教は表書きのルールが変わる場合がある
浄土真宗は香典袋の表書きに「御佛前」と記載します。これは浄土真宗の教えとして、人は亡くなった直後に仏となるので、霊という概念がないからです。
そのため、亡くなってからお葬式が終わるまでのあいだ、そして四十九日以降も「御佛前」と記載します。
これに対し、浄土真宗以外の宗派では四十九日までは「御霊前」、四十九日以降は「御佛前」といったように表書きの文言が変わります。
複数人で香典をまとめる際のマナー
職場や学校の同級生などのグループで、香典をまとめて贈るというケースも多いでしょう。
このような場合、何人分をまとめて贈るのかによっても表書きの書き方は変わってきます。たとえば、2〜3名と少人数の場合には全員の名前を記載しますが、4名以上の場合には「〇〇一同」とまとめて記載するのが一般的です。
連名で香典をまとめる際のマナーは、以下の記事でもくわしく解説しているためご覧ください。
香典袋の選び方やマナーに困ったら事前に葬儀社へ確認しておこう
コンビニやホームセンターなどで簡単に手に入れられる香典袋ですが、宗教や宗派によっても「表書き」や「水引」、「外袋」(包み)にちがいが見られます。
また、おなじ宗教、宗派であっても、地域によって独自の風習が古くから根付いているところもあります。
そのため、香典袋はお葬式の宗教・宗派や包む金額、地域別の風習も考慮しながら選ぶことが大切です。
とくに、地域別の風習についてはインターネットなどで調べてもわからないケースが多いため、参列前に葬儀社などに確認しておくと安心です。
しかし、最も大切なことは、故人を弔う気持ちです。そのうえでルールを守って香典袋を準備し、遺族に弔意を伝えるようにしましょう。
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