コラム

「ケアマネジャーが忙しそうで相談できない」と不満に思う前にできることとは

この記事の内容


介護保険を利用する際に、「どんなサービスを、いつ、どこで、どの事業所から、どれくらいの時間」使うかを、一緒に考えてくれる介護のプロがケアマネジャーです。事業所間との連絡、調整や利用料の管理も担ってくれます。介護に関しての一番の相談相手であり、心強い助っ人ともいえる存在です。

ところが、人間同士のことなので、相性もあります。ときには、うまくいかないことも……。 

夫がケアマネを怒鳴りつけてしまった

大塚正子さん(72歳/仮名/千葉県)は夫(77歳)と2人暮らしです。ひとり娘は、結婚して東京で暮らしています。

夫は足を骨折して以来、歩行には杖が欠かせません。介護保険の認定は要介護2。もともと担当してくれていたケアマネジャーが退職したため、別のケアマネジャーに代わりました。「最初の方がすばらしかったせいか、どうしても比べてしまって」と正子さん。

以前のケアマネジャーは、正子さんが事業所に電話して留守だった場合、必ず、当日中に折り返し電話をしてきてくれました。「いまの方は、折り返してくれないこともあって」。そんなときは、正子さんのほうから、翌日に再度電話します。

「そんなことが続いて。でも、やっと家に来てくれたんです。相談したいことがいっぱいあったのですが、忙しそうで、バタバタと帰ってしまいました」。

ケアマネジャーが帰ったあと、正子さんがひとり言で文句をい言っていたところ、夫まで怒り出してしまいました。そして、正子さんが止めているにも関わらず、夫は事業所に電話。電話越しに、ケアマネジャーを怒鳴りつけてしまったのです。「気まずくなってしまいました……」と正子さんは肩を落とします。

相談したいことはしっかり伝えよう

ひとりのケアマネジャーが担当する利用者は35人程度です。利用者それぞれに必要とするサービスや目的が異なるため、ケアマネジャーは大忙し。事業所に電話をしても、外出中のことが多いと思います。

折り返し電話がないと、不信感が募っていく気持ちは理解できます。不満となる前に、「お留守のときは折り返しのお電話をお願いします」といってみるといいでしょう。また、会って相談をしたいことがある場合、電話の段階で、「ご相談したいことがあるので、よろしくお願いします」と言っておけば、心積もりして時間を調整、確保してくれると思います。

困っていることをメモ書きしておく

正子さんに限らず、家族を介護している人から「日々、やらなければいけないことで追われっぱなし」と聞くことが多いです。いつも走っているような精神状態なので、「ケアマネさんに相談したい」と思うことがあっても、何から話せば……、と言葉が出てこない、なんてこともあるようです。

困ったことや聞きたいことが出てきたら、その都度、箇条書きでいいので、メモ書きしておくことをおすすめします。メモを見ながらであれば、ケアマネジャーにも伝えやすいはずです。「いま、困っていることなんです」とメモを見せるだけでも十分伝わります。 

交代時にはコミュニケーションアップ

正子さんのところのように、担当のケアマネジャーが代わることがあります。代わったばかりのときは、お互いに戸惑うことも多いでしょう。とくに、前任者との関係がよかった場合は、比較しがち。慣れるまでは、これまでよりはほんの少し、コミュニケーションの取り方を工夫したいものです。

「いわなくても察してほしい」とか、「忙しそうだから、いうのをやめておこう」とかは考えないほうがいいと思います。

ケアマネジャーは変更も可能

気を配っても、「やっぱりうまくいかない」こともあるかもしれません。

相性だけの問題ではなく、それぞれのケアマネジャーの得意な分野は異なります。ケアマネジャーは福祉や医療の国家資格などを持ち、その分野で5年以上の経験を積んで取得できる資格です。たとえば、介護福祉士として働いてきたケアマネジャーなら生活面での困りごとへの対応がスムーズでしょう。一方、看護師として働いてきたなら病気など医療面にくわしく、医師との連携が取りやすいかもしれません。

頼りない、話しにくい、知識が乏しいなど、何らかの点で信頼関係を築けない場合は、思い切ってケアマネジャーを変えるのも一案です。

もし理由を問われたら、「相性が悪いので」とい言えば、それ以上何もいわれないと思います。変更方法には2つあります。現在の事業所に所属する別のケアマネジャーに交代してもらう方法と、事業所ごと変える方法です。次のようにお願いしてください。

■おなじ事業所内で変更希望する場合

現在の事業所に電話をして、「別のケアマネジャーに変更していただきたい」とお願いします。

■事業所ごと変更したい場合

一覧表などで別の事業所を探し、「現在、ケアマネジャーをお願いしているが、そちらのケアマネジャーに変更したい」とお願いします。

別の事業所が見つからない場合は、地域包括支援センターに相談を。中立な立場なので、「この事業所がいいですよ」と直接的なアドバイスはしてくれませんが、変更したいと思った理由から、探す手がかりを提示してくれるでしょう。

たとえば、「持病があるから医療面への知識が豊富なケアマネさんにお願いしたい」といえば、看護師出身のケアマネジャーのいる事業所を教えてくれると思います。

まとめ

介護をおこなう際、二人三脚で助っ人になってくれるケアマネジャー。介護のプロなので、困ったことや分からないことは積極的に相談したいものです。

ただし、人間同士なので相性もあります。とくに、長い間お世話になったケアマネジャーが交代になる場合は、前任者との関係が良好であったほど、戸惑いが生じるかもしれません。「忙しそうだから」と遠慮していると、向こうには、こちらが困っていることが伝わらないこともあります。遠慮せずに、悩みや困りごとがあれば言葉にしましょう。

それでも、よい関係を築くことが難しい場合は、思い切って別のケアマネジャーに代わってもらうことを検討してください。


(情報は2022年1月31日時点のものです。)

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この記事を執筆した人
太田 差惠子

介護・暮らしジャーナリスト、NPO法人パオッコ理事長、AFP(日本ファイナンシャル・プランナーズ協会認定)

京都市生まれ。1993年頃より老親介護の現場を取材。取材活動より得た豊富な事例をもとに「遠距離介護」「仕事と介護の両立」「介護とお金」等の視点でさまざまなメディアを通して情報を発信する。企業、組合、行政での講演実績も多数。AFP(ファイナンシャルプランナー)の資格も持つ。一方、1996年親世代と離れて暮らす子世代の情報交換の場として「離れて暮らす親のケアを考える会パオッコ」を立ち上げ、2005年法人化した。現理事長。

<主な著書>「親が倒れた!親の入院・介護ですぐやること・考えること・お金のこと」「高齢者施設お金・選び方・入居の流れがわかる本」(共に翔泳社)、「遠距離介護で自滅しない選択」「親の介護で自滅しない選択」(共に日本経済新聞出版社)「親の介護には親のお金を使おう!」(集英社)ほか

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