コラム

老後に備えて資産を守るためにはどんな方法が有効?注意すべきポイントも解説

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この記事の内容

この記事を監修した人
川淵ゆかり事務所 ファイナンシャルプランナー 川淵ゆかり (厚生労働省 1級FP技能士)

国立大学行政事務(国家公務員)後にシステムエンジニアとして、物流・会計・都市銀行などのシステム開発を担当。その後FPとして独立し、ライフプランやマネープランのセミナーのほか、日商簿記1級、CFP情報処理技術者試験の合格経験を活かして、企業や大学での資格講座・短期大学や専門学校での非常勤講師としても勤める。

この記事をおすすめする人

老後に備えた資金の準備を現役世代のうちから行いたい方


この記事のポイント

  • 資産を守る方法には、生活や住まいの見直しなどがある
  • 資産を守るうえでは、資産を分散させることが重要になる
  • NISAやつみたてNISAには税制優遇があり、効率よく資産を増やせる


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老後に備えて毎月貯金をしている方もいるのではないでしょうか。

しかし、ここ最近物価の上昇が見られるようになり、インフレの加速は現実的な問題となってきています。

老後の生活を安定的に送るためには、どういった手段で資産を守っていけばよいのでしょうか。

資産を守る・増やすことの重要性

老後に備えて貯蓄や資産運用に励む人は少なくないですが、年金の支給があるにもかかわらず、なぜ資産を守ろうとしている人が存在するのでしょうか。

その理由や重要性についてあらためて考えてみます。

年金支給額が減少傾向にある

特に大きな理由として、支給される年金の額が年々減少傾向にあることが挙げられます。

日本年金機構によると、2021年度時点での老齢基礎年金の支給額は、年間で78万900円であり、これを月額に換算すると6万5075円でした。

ちなみに、厚生労働省によると2008年度は年間で79万2100円、月額6万6008円であったことを考えると、年額で1万円以上も減額されていることになります。

理由として、そもそも国民年金は保険料を納める現役世代が年金世代を支える構図となっているため、現役世代が減るほど年金支給額も減少していきます。少子高齢化が進む日本においては現役世代が減少していることから、今後も年金支給額は減少し続けていくと考えられます。

また、そもそも国民年金の支給額だけで生活費を賄うことは現実的ではないため、自分自身で資産を守らなければならないと考える国民が一定数存在するのです。

定年退職後の生活水準の維持

会社員の場合、国民年金に加えて厚生年金も支給されるため安心と考える人も多いでしょう。

しかし、国民年金よりも支給額が多いとはいえ、会社員の現役時代と比較すると収入は減少するケースがほとんどです。その結果、現役時代に維持してきた生活水準を落とすことができず、定年退職後に経済的困窮に陥るリスクもゼロではありません。

このような理由から、年金支給額だけでは不足する生活費を補うためにも、自分自身で資産を守ったり増やしたりする必要があるのです。

将来的なインフレのリスク

日本はバブル崩壊以降、長期間デフレが続いてきた歴史があります。統計上、30年以上にわたって物価も横ばいに推移しています。

一方で、世界の国々では収入の上昇とともに物価も上がり経済成長を果たしています。

現在では物価が上昇傾向にありますが、仮に将来日本でインフレが起こった場合、現在の貨幣の価値は相対的に下がっていくことになります。

たとえば、現時点で1000万円の預貯金があったとしても、インフレが生じると実質的に資産価値は目減りすることになるのです。

このような事態に備えて、貯蓄だけでなく投資をはじめとしたさまざまな方法で資産を守っていくことが重要と認識されるようになりました。

資産を守るための方法

「資産を守る」と聞くと、貯蓄や投資などをイメージする方も多いと思います。しかし、貯蓄以外にも身近なところで実践できる方法が存在するほか、投資にもさまざまな種類・方法があります。

今回は、資産を守るためにすぐにでもはじめられる方法をいくつか紹介しましょう。

生活の見直し

毎月の収入が決まっている会社員にとっては、いきなり貯蓄額を増やそうと考えても実践できないこともあります。

そこで、まずは日々の生活を振り返り、ムダな出費がないかを見直してみましょう。

たとえば、近距離の移動では徒歩や自転車に切り替えることがおすすめです。これにより、ガソリン代が年間数千円~数万円節約できる場合があります。

他にも、食材や調味料はインフレで価格が変動しにくいものを購入すると食費を、電気を白熱電球からLEDに変えると電気代をそれぞれ節約できます。

また、生命保険や医療保険などが充実していれば安心感はありますが、その分割高な保険料を支払わなくてはなりません。本当に現在のプランが必要なのか、あらためて考えてみるのも良いでしょう。

住まいの見直し

広い一軒家やマンションほど高額な維持費がかかる傾向にあります。たとえば、火災保険料や固定資産税、修繕費などを含めると、30年間の維持費だけで1000万円以上の出費になることも。

また、子どものためにつくった部屋も、社会人になって独立すると使わなくなるケースも珍しくありません。

そこで、思い切って現在の住まいを売却し最低限の広さのマンション等へ住み替えることで、トータルの維持費を安くでき、余剰資金を資産運用や生活費に回せるようになるでしょう。

投資関連

資産を守るために比較的リスクが低く安定した投資手段として、投資信託と外貨預金があります。

投資信託

投資信託とは、預けた資産を資産運用のプロに運用してもらう方法です。株式投資と同様に元本保証はありませんが、プロが運用するため個人の運用よりもリスクを抑えられます。

投資信託は100円単位での少額投資も可能であり、商品にもよりますが平均利回りは3%〜5%程度とされています。

たとえば、利回り3%の銘柄を10万円分購入した場合、年間で3000円の利益となる計算です。なお、5%から8%といった高い利回りの商品も存在しますが、リターンが高い分元本割れのリスクも高い傾向があります。

外貨預金

外貨預金とはその名の通り、日本円ではなくドルやユーロなどの外貨として預金する方法です。

外貨預金のメリットは、仮に日本円がインフレになったとしても、外貨の価値が安定していれば資産の実質的な目減りを防げることです。

ただし、日本円がインフレになった場合には外貨預金の資産が目減りするほか、日本円に影響されて外貨もインフレを起こすリスクがあります。

さらに、日本円から外貨へ両替をする際に為替手数料が発生するため注意が必要です。たとえば、円をドルに替えるときには1ドル1円程度の為替手数料を支払わなくてはなりません。

資産を守るうえで押さえておきたいポイント・注意点

できるだけリスクを抑えながら安全に自分の資産を守っていくためには、どのようなポイントに注意すれば良いのでしょうか。

収入を確保する・支出を減らす

資産を安全に増やしていくベストな方法は、収入を増やしながら支出を減らすことです。

無理のない範囲で仕事に取り組み、十分な収入を継続的に安定して得られるようになるでしょう。

また、身近なところから収入を増やす方法・手段も考えてみましょう。たとえば、自宅のなかに不要なモノが眠っている場合には、単に処分するのではなく、リサイクルショップやネットオークション、フリマアプリなどで売却すれば収入を増やすことができます。

一方、支出を減らすための工夫としては、前述のように生活そのものを見直すことが大切です。日々の食費や通信費、雑費、水道・光熱費などもきちんと確認し、契約内容の見直しや無駄遣いをなくすなどして、できるだけ支出を減らす取り組みを行いましょう。これらの費用を削減するには、家計簿アプリも役に立ちますが、支払先のアプリ(通信費なら携帯電話会社、水道・光熱費なら電力会社など)で毎月どのくらいの金額で利用しているかを確認する方法があります。とくに、携帯電話料金と電気代は契約プランの上限よりも使用量などがある程度少なければ、基本料金がより安いプランに移行しても日々の利用に影響が出ない可能性があります。プランの切替も多くの場合、アプリから手続きが可能です。

資産を分散する

資産運用の手段として投資を行う場合には、ひとつの方法に偏って投資するのではなく、複数に分散させておくことでリスクの軽減につながります。

株式投資や投資信託、不動産など、できるだけ複数に分けておくと安心です。投資信託のなかでも、投資対象の地域を分散させるなどの方法があります。

また、株式投資や投資信託を行う際にも、ひとつの銘柄に集中的に投資するのではなく、複数銘柄を選定することが大切です。

税制優遇を活用する

株式投資や投資信託などは、さまざまな税制優遇が受けられることもあります。

たとえば、NISAつみたてNISAは、年間一定額までの取引に応じた利益が非課税となることから、積極的に活用することで効果的に資産を運用できます。

まとめ

日本では長きにわたってデフレが続いてきましたが、昨今では物価が急騰し一部の企業では賃上げの動きも加速しています。

一方で、このような物価の急騰が続くと、将来的にはインフレが起こりさらなる物価の変動を招くリスクもあります。

私たち日本人は、資産=預貯金という思考に陥りがちですが、現金だけを信用するのではなく、生活費の見直しや投資などさまざまな方法を組み合わせながら資産を分散させることも大切な考え方なのです。


(執筆編集:NTTファイナンス 楽クラライフノート お金と終活の情報サイト編集部)

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