シルバー人材センターとは?提供される仕事と平均的収入について

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定年退職後も元気に働きたいと考えている方


この記事のポイント

  • シルバー人材センターでは運搬・清掃等の一般作業を中心に、サービス業や技術業などの仕事を募集している
  • シルバー人材センター経由で応募した仕事は月平均就業日数8.3日、平均月収は約3万5000円となっている
  • 60歳以上かつ健康で、年額2000円程度の会費を支払うことで仕事を紹介してもらえるようになる


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定年退職を迎えたシニア世代のなかには、歳を重ねても「社会の役に立ちたい」「仕事をしたい」と考える方も少なくありません。

しかし、年齢の問題などで仕事を探すのに苦労することも多いはずです。また「簡単な仕事で給料もそれほど高くなくてよい」と考えていたとしても、求人サイトや求人誌に載っているようなアルバイトは若い世代が多いように感じられ、気後れすると思うかもしれません。

そんな悩みや不安を抱えるシニア世代に対して、仕事を紹介してくれる専門の組織として「シルバー人材センター」があります。この記事では、シルバー人材センターの概要や仕事を紹介してもらうための流れなどをくわしく解説します。

シルバー人材センターとは

シルバー人材センターとは、「高年齢者が働くことを通じて生きがいを得ると共に、 地域社会の活性化に貢献する組織」です。都道府県知事の指定を受けた社団法人として全国の各市区町村に設置されています。

2020年時点での全国の会員数は約70万人におよび、全国に1335の団体が存在します。また、契約金の総額は毎年3000億円前後で推移しています。
(参照:公益社団法人 全国シルバー人材センター事業協会「令和2年度全国統計」2020年)

シルバー人材センター設立の背景

シルバー人材センターが設立された背景には、1986年に「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」が施行されたことが挙げられます。この法律の施行により、シニア世代の就業機会確保に国や自治体が努力義務を負うことになり、全国各地にシルバー人材センターが設立されました。

公的機関や企業、家庭などがシルバー人材センターに対して仕事を発注し、その仕事がシルバー人材センターに入会した会員に紹介・提供される仕組みです。

冒頭に紹介した定義にあるように、シルバー人材センターが提供するのは、生活するために稼ぐ仕事ではなく「生きがいを得るための仕事」とされています。そのため、平均的な就業日数はひと月あたり1週間から10日程度、報酬の金額は3万円前後となっています。

参考:あなたのまちのシルバー人材センター|公益社団法人全国シルバー人材センター事業協会

シルバー人材センターの仕事内容

シルバー人材センターは公的機関や企業、家庭などから仕事を受注すると紹介しました。では、具体的にどのような内容の仕事を紹介してもらえるのでしょうか。

全国シルバー人材センター事業協会のホームページで公開されている仕事の一例は以下のとおりです。
(参照:公益社団法人 全国シルバー人材センター事業協会「シルバー人材センターで行っている主な仕事」最終アクセス 2022,03,16)

技術分野

家庭教師

パソコン指導

翻訳・通訳 など


技能分野

庭木などの剪定

大工工事

ペンキ塗り など

事務分野

一般事務

経理事務

パソコン入力 など


管理分野

建物管理

施設管理

駐車場管理 など

折衝外交分野

販売員

配達・集配

集金 など

一般作業分野

除草・草刈り

屋内・屋外清掃

荷造・運搬

梱包・包装 など

サービス分野

家事サービス

福祉サービス

育児サービス など

シルバー人材センター事業の概要2021」によると、もっとも多い仕事が一般作業分野で、「運搬・清掃・包装等」が就業者人数の半分以上を占めています。その次に多いのがサービス分野で、これは建物管理や育児支援、学童の通学見守りなどが具体的な仕事となります。

受ける仕事の内容を選ぶことができる

シルバー人材センターでは受ける仕事の内容を選ぶことができます。そのため、これまでに得た能力や経験を生かした働き方が実現できるでしょう。新しい分野にチャレンジしてみたい場合でも、技能や技術を高めるための講習もあるので、自らのスキルを高めて挑戦することができます。

シルバー人材センター会員の月収

シルバー人材センターへの登録をして仕事を始めたいと考えている方にとって、気になるのが報酬や就業条件ではないでしょうか。

シルバー人材センター事業の概要2021」によると、2020年の請負・委任での月平均就業日数は8.9日、平均月収は3万5566円でした。また、おなじく2020年の派遣での月平均就業日数は8.3日、平均月収は3万4352円となっています。

なお、請負・委任とは、業務請負契約または委任契約のもとで仕事を受注する働き方です。これに対し派遣とは、派遣労働者として働く方法です。請負・委任では基本的に作業工程や方法が受託者に任される一方、派遣の場合は派遣先が指揮命令権を持つなど、契約形態によって働き方が異なります。

紹介される業務ごとに契約形態はさまざまなため、事前に条件などを確認しておきましょう。

ちなみに、シルバー人材センターでは地域や募集のタイミングによって必ずしも希望の仕事が紹介できるとは限りません。就業日数も仕事によって異なるほか、「ひと月あたり◯日以上就業」といった保障もないため注意が必要です。

シルバー人材センターでの収入は雑所得になる

シルバー人材センターでの収入は雑所得に分類されます。通常のアルバイトで得た給料(給与所得)とは収入の区分が異なるので、確定申告の際に注意が必要です。シルバー人材センターでの収入は年間55万円までであれば、税金がかかりません。

シルバー人材センターで働くためには

シルバー人材センターから仕事を紹介してもらうためには、まずシルバー人材センターの会員として入会する必要があります。シルバー人材センターの会員になるための条件と入会のフローは以下のとおりです。

原則60歳以上・健康である・働く意欲があることが最低条件

シルバー人材センターはシニア世代へ仕事を紹介する組織であることから、60歳以上の方でなければ会員になることはできません。

また、仕事に従事する以上は健康であることも第一条件とされ、重篤な病気やケガなどがある場合、会員として登録できない場合もあります。

さらに、何よりも重要なのが働く意欲があることです。定年退職後も仕事に従事することで社会とのつながりがもてるほか、シニア世代にとっての生きがいにもつながります。

年齢の上限なく働き続けることが可能

シルバー人材センターは原則60歳以上という年齢条件はありますが、年齢の上限はありません。そのため、働ける健康状態であり、意欲があれば何歳まででも働くことができます。

シルバー人材センターの会員規約を満たす

冒頭でも紹介したとおり、シルバー人材センターは「働くことを通じて生きがいを得るとともに、 地域社会の活性化に貢献する」ことを目的に設立されましたが、これ以外にも以下のような会員就業規約が定められています。

  1. 会員は、「自主・自立、共働・共助」の理念のもとに、自分の体力・能力、希望に応じて働くことができます。

  2. 会員は、シルバー人材センターから、基本的に請負または委任の形式により仕事を引き受けます

  3. 会員は、公平な就業機会を得るため、通常、ローテーションにより就業します。

  4. 会員は、引き受けた仕事を完成または遂行し、その仕事の内容によって配分金を受け取ります。

  5. 発注先の社員と混在して就業する仕事や、発注者の指揮命令を必要とする仕事などの場合は、一般労働者派遣事業により実施することになります。


(参照:公益社団法人 全国シルバー人材センター事業協会「入会を希望される方は」)

シルバー人材センターの会員として登録するためには、上記の趣旨および規約を十分に理解することが求められます。

入会申込書を提出し、会費を納付する

会員になるための条件を確認し終えたら、入会申込書へ必要事項を記入し各自治体のシルバー人材センターへ提出します。申込書の提出後、理事会の承認を経て正式に入会となります。

なお、シルバー人材センターでは毎年一定額の会費を収める必要があります。自治体によっても会費の金額は異なるものの、年額2000円程度のところが多いようです。

シルバー人材センターを活用してよりよいセカンドライフを送ろう

今回紹介してきたように、シルバー人材センターは仕事をとおして生きがいを得ることを目的に設立された組織です。そのため、一般的なアルバイトやパート、正社員とは異なり、明確に就業日数が保障されるものではありません。もし収入を重視するのであれば、別の就業方法を検討したほうがよいといえるでしょう。

仕事の内容としては、清掃やサービスが多いと紹介しましたが、数は少ないものの事務や農林漁業、輸送・機械運転などの仕事が募集されることもあるようです。うまくマッチングできれば、これまでの経歴や資格が活かせる仕事に就ける可能性もあります。

この記事を読んで興味をもった方は、各地域のシルバー人材センターのWEBサイトなどを覗いて詳細を確認してみてはいかがでしょうか。


(執筆編集:NTTファイナンス 楽クラライフノート お金と終活の情報サイト編集部)

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