コラム

だれもが知っておきたい改正道路交通法|2023年4月から自転車のヘルメット着用が「努力義務」に

  • 公開日:
  • 更新日:

この記事の内容

この記事を監修した人
弁護士法人プラム綜合法律事務所 梅澤康二

私は、日本の4大法律事務所の一つであるアンダーソン・毛利・友常法律事務所において6年間の実務経験を積み、その間、数多くの労働問題、訴訟・紛争事件、M&A取引、各種契約書の作成・レビューその他企業法務全般を主担当として処理・解決して参りました。弁護士法人プラム綜合法律事務所は、そのような前事務所で賜ったご指導・ご支援に恥じることのない、最高品質のリーガルサービスを提供することを信念としており、ご相談案件一つ一つについて誠心誠意対応させて頂きますので、安心してご連絡、ご相談ください。

http://www.plum-law.com/

この記事をおすすめする人

普段からよく自転車に乗る方


この記事のポイント

  • すべての利用者にヘルメットの着用が努力義務となった
  • ヘルメットを着用していないと致死率が2.2倍になるデータもある
  • 髪型が崩れにくいヘルメットを使うのも一つの手


おすすめの資産管理・終活アプリは『楽クラライフノート
保有する資産の管理や、家族に伝えたいことをまとめられるエンディングノートアプリです。

iPhoneへのインストールはこちら Androidへのインストールはこちら


道路を通行するうえでのルールである「道路交通法」。自動車の運転免許証を取得する過程で必ず学ぶ法律です。また、運転免許証をもっていない方でも、赤信号・青信号の意味や横断歩道を渡らなければいけないなどの基本的な交通ルールは、子どものころからの交通安全教育によって自然と身に付いているのではないでしょうか。 

そんな道路交通法が、2022年に改正法の公布がおこなわれ、2023年4月1月に施行されます。改正法では、すべての自転車利用者のヘルメット着用が努力義務として明記。つまり、自転車に乗る機会のある方は、必ず覚えておきたい内容になっているのです。

この記事では、自転車のヘルメット着用の義務化を含め、改正道路交通法で私たちの暮らしがどう変わっていくかを解説していきます。

道路交通法とは

道路交通法は、

「道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図り、及び道路の交通に起因する障害の防止に資することを目的」(第一条「目的」より)

とした法律です。自動車を運転する人だけではなく、歩行者や自転車の運転者など、道路を利用するすべての人が安全に交通するために知っておかなければなりません。

引用:e-Gov法令検索「道路交通法

また、道路交通法は交通をめぐる最新の情勢に対応するため、たびたび改正されています。2022年4月の改正では、飲酒運転による重大事故の発生を受けて、一定台数以上の自動車を使用する事業所において、運転者の酒気帯びを安全運転管理者が目視でチェックすることが義務付けられました。今後はさらにアルコール検知器によるチェックの義務化も予定されています。 

すべての自転車利用者の「ヘルメット着用」が努力義務に!

2023年4月に施行される改正法では、すべての自転車利用者において「ヘルメット着用」が努力義務化されることになりました。これまでは13歳未満の児童に対して、自転車に乗る際にヘルメットを着用させるよう保護者に対する努力義務が課せられていましたが、今回の改正では全年齢が対象になります。

あくまで努力義務であり、ヘルメット未着用で自転車を運転することで直ちに違反となるものではありませんが、自分の身を守るためにもヘルメットの着用を心がけましょう。

なぜ努力義務化されたのか?

ヘルメットの着用が努力義務化された背景には、自転車利用時の頭部保護の重要性と、ヘルメット着用時の被害軽減効果があげられます。警視庁が発信している「交通安全のための情報」のなかでは、2017年から2021年までの5年間で自転車乗用中の交通事故で亡くなった方の6割が頭部に致命傷を負っており、ヘルメットを着用していた人に比べて、着用していなかった人の致死率は約2.2倍高くなっていたというデータがあります。

このような情勢から、安全のためにヘルメットを着用して頭部を保護するように努めることが法律に盛り込まれました。

(参考:警視庁WEBサイト「交通安全のための情報 『頭部の保護が重要です~自転車用ヘルメットと頭部保護帽~』」)

「ヘルメットをかぶると髪型がくずれてしまう…」という人に

ヘルメット着用が義務化されたとはいえ、自転車を利用するときに、常にヘルメットを着用するとなると、「髪がくずれてしまう」「ファッションと合わない」など、抵抗を感じる方もいるかもしれません。

そんな「髪や容姿が気になって、ヘルメットをかぶりたくない」という方に向けて、その対応策を3つ紹介します。

髪型のくずれにくいヘルメットを使う

ヘルメット着用の義務化の風潮が強まっていることもあり、各メーカーではさまざまなニーズに対応する商品を販売しています。

プラスチック製品を製造・販売するクミカ工業のヘルメット「dolphin」は、髪形のくずれにくさを実現しています。後頭部にある「ヘアポケット」や頭にフィットするように調整できる「ワンタッチアジャスター」など、機能面に加えて、シンプルでスタイリッシュなデザインは10代から大人まで幅広く使えるヘルメットになっています。 

着替え用の帽子を用意する

くずれた髪が気になるなら、ヘルメットを脱いだ後にくずれた髪を隠すことのできる帽子を持ち歩くのも一つの方法です。その日のファッションに合わせた帽子を用意すれば、髪の乱れを隠すことができます。

できるだけくずれにくい髪型に

女性の場合は手直しが容易なポニーテールや、後ろ髪の編み込みなどはヘルメットをかぶってもくずれにくいヘアアレンジです。また後ろで髪をお団子にまとめるシニヨンや、ショートヘアのスタイルもくずれにくくおすすめです。ヘルメット着用の妨げにならないように、低めの位置で結ぶようにしましょう。

そのほかの改正ポイント

2023年4月からの新しい改正道路交通法では、「特定自動運行」と「遠隔操作型小型車」についての規定が整備されます。

まず「特定自動運行」とは、自動運転における分類で「レベル4」と呼ばれる、運転者のいない状態での自動運行のこと。遠隔操作などでもなく、特定の地域内で人を介在せずに運行する、万が一のときには自動停止する機能をもった自動運転車などを指します。

事業者の遠隔監視のもと、地域内を巡回する無人バスなどが想定されており、都道府県公安委員会の許可を受けることで運行が可能になっています。

近い将来、免許を返納したシニアや交通が不便な地域に住む方にとって、交通利便性の向上に大きく寄与するかもしれません。

また「遠隔操作型小型車」とは、遠隔操作によって走行する、いわゆる配送ロボットなどのこと。最高速度や大きさなどが規定され、歩行者とおなじ交通ルールが適用されます。こちらも都道府県公安委員会に届けを提出して、許可を受けることで走行が可能になるルールとなっています。

さらに2023年7月1日から施行される道路交通法では、「特定小型原動機付自転車」という車両区分が新設され、いわゆる電動キックボードに関する法整備もおこなわれます。これまで電動キックボードは原付バイクとおなじ区分とされ、運転免許証が必要でしたが、これが不要になることに。出力や最高速度、車体の大きさなどが規定され、16歳未満の運転は禁止されますが16歳以上であれば運転免許証がなくても乗ることが可能になりました。自転車同様こちらもヘルメットの着用は努力義務です。今回の法改正で、電動キックボードは新しいモビリティとして存在感が高まっていきそうです。ただし、自賠責保険への加入やナンバーの取得はこれまでどおり必須であり、またほかの車両や歩行者に注意した安全運転が必須であるのはいうまでもありません。

「自分の身を守って」安全に道路を利用しよう

今回の記事では、努力義務となる自転車利用時のヘルメット着用を中心に、2023年4月1日から施行される改正道路交通法について解説してきました。すでに免許を返納して、日常の足として自転車を利用している人には、今回の改正が「面倒だ」と感じる方もいるかもしれません。

しかし、前述の警視庁のデータにあるとおり、ヘルメットの着用によって守れる命があります。ヘルメットをしていない場合、頭部に怪我を負って命を失ってしまう確率も高まり、幸い命が助かったとしても通常の生活が困難になるほどの後遺症を負ってしまう可能性も考えられるでしょう。

道路交通法において、自転車利用時の飲酒運転やいわゆる「ながらスマホ」も違法行為として、当然処分の対象になります。「自動車ではないから」と甘く考えがちになり、そうした行動となってしまうのかもしれませんが、自分はもちろん他人の命にもかかわる重大な違反であることを認識しましょう。

新しい道路交通法では、「特定自動運行」と「遠隔操作型小型車」、さらに7月には「電動キックボード」についての規定も整備されます。近い将来、無人バスの運行や新しいモビリティが私たちの交通事情を大きく変えていくかもしれません。

交通ルールは、私たちの安全を守るためのものです。「自分の身を守る」ためにも、ヘルメットの着用や運転免許の返納を含めて、法律を知る必要があるといえるでしょう。


(執筆編集:NTTファイナンス 楽クラライフノート お金と終活の情報サイト編集部)

資産管理やエンディングノートの登録、家族へ情報共有したい方には、終活アプリ『楽クラライフノート』がおすすめ。自身の現状や思い、資産・家計をアプリで一元管理でき、老後に向けた健康やお金などにまつわる不安を解消します。また登録した情報は、伝えたい家族に絞って共有可能。これからの人生を、よりよく生きるための取り組みをサポートします。

『楽クラライフノート』をご利用いただいている方に、おすすめ情報をお届け。自身の現状や思いを登録したり資産・家計管理をしたりするなかで、「専門知識を持ったプロの方に相談してみたい」など自分の終活がうまくできているのか不安な方もいらっしゃるのではないでしょうか。『楽クラライフノート お金と終活の情報サイト』から、アプリ会員様限定で専門家への無料相談の申し込みが可能です。
また、お得な優待も揃えておりますのでぜひご活用ください。

『楽クラライフノート』をご利用いただいている方に、おすすめ情報をお届け。自身の現状や思いを登録したり資産・家計管理をしたりするなかで、「専門知識を持ったプロの方に相談してみたい」など自分の終活がうまくできているのか不安な方もいらっしゃるのではないでしょうか。『楽クラライフノート お金と終活の情報サイト』から、アプリ会員様限定で専門家への無料相談の申し込みが可能です。
また、お得な優待も揃えておりますのでぜひご活用ください。

アプリをダウンロードして
終活で直面する様々なお悩みを解消しましょう
楽クラライフノート

Page Top