コラム

4 本の自分史づくりの手順

この記事の内容

自分史を本にする場合、決めておきたいことがあります。それは、どんな本にするのかということです。また作業の流れも知ったうえで、自分にあった本づくりの会社を選びましょう。

①    製本方法を決める

本の製本方法には、並製本(ソフトカバー)と、上製本(ハードカバー)があります。並製本は親しみやすく、優しい印象に仕上がります。上製本は専門書や自叙伝、あるいは趣味を生かした丁寧なつくりの本にしたい方に向いています。多くは表紙にカバーを付けますが、カバーをつけない製本もあります。製本方法は本の印象を決める大事な要素なので、いろいろな本を見て自分なりにイメージしてみる、というのも楽しいものです。

②    判型を決める

本のサイズで一般的なものとしては四六版(12.7㎝×18.8㎝)と、それよりやや大きめのA5判(14.8㎝×21.0㎝)があります。手に取ったときの感触や読みやすさなども考えて決めましょう。

③    部数を決める

部数は、だれに届けるのかによって変わります。家族などごく身内の方に読んでもらうだけなので30部程度でよいという方もいます。あるいは、すこし範囲を広げて友人やお世話になった方々にも、ということで50~100部程度とする方もいます。現役の経営者や学校関係者、団体の代表をされているような方の場合は300部、500部、あるいはそれ以上という方もいます。本にすると国会図書館が国民共有の財産として献本を受け末永く保管します。また日本自分史センター(愛知県春日井市)や、あやめ自分史センター(東京都豊島区)でも献本を受けています。自分史は、次の世代へ伝える先人の知恵でもあるので、当面利用する部数だけでなく、これから出会う人や献本用の部数もぜひ勘定にいれてつくりましょう。

④    本になるまでの流れを知る

原稿があるだけでは本にはなりません。本になるまでには、「編集」「表紙デザイン」「割付(DTP)」「校正」「印刷・製本」「納品」という工程があります。「編集」では、章立て、見出し、目次の作成、原稿整理(表記統一など)、キャプション(写真説明)作成、記述の乱れに関する指摘と修正など、編集者の目線で本にするための確認と原稿を整える作業をします。「割付(DTP)」は、各ページにテキストや写真を配置し、印刷データにする作業のことです。本文に用いる文字の種類や大きさ、行と行の空き方によって、本の表情はがらりと変わります。一生のあいだに、そう何度も本を出すことはないと思われます。自費で出版する自分史の場合、はじめての本づくりに丁寧によりそい、編集者の目線でそれぞれの工程をリードしてくれる経験豊富な本づくりのプロがいる編集制作会社を選ぶとよいでしょう。

⑤    依頼先を決める

自分史を本にするサービスをしている会社には、「自分史専門編集制作会社」「少部数制作印刷会社」「印刷会社」「自費出版専門会社」「商業出版社の事業出版」「電子出版プラットホーム」などの系統があります。「自分史専門編集制作会社」は自分史専門の編集制作会社です。規模は小さくても自分史の企画・原稿制作(取材と執筆)・編集・デザイン(装丁・表紙作成・本文割付)について経験豊富なスタッフをそろえ、本の自分史をつくるサポートをきめ細かくおこないます。多くの場合、商業出版社による事業出版に比べて安く作ることができます。最近ではネット検索をすると、少部数を得意とするところ、低コストの印刷を得意とするところ、自費出版を独自の方法で請け負うところなど、それぞれ特徴をもったサービス会社が出てきます。繰り返しになりますが、原稿があるだけでは本にはなりません。印刷だけでなく、編集まで面倒をみてくれるのか、それはどのレベルの編集なのか、という点まで見て選びましょう。また、商業出版社がおこなう「出版」というと、出版社負担で本を出す商業出版を想定しがちですが、事業出版は著者が負担する自費出版が原則です。

 

一般社団法人自分史活用推進協議会 代表理事

河野初江

想いをつなぐ自分史づくり➡らしくラボ https://rashiku-lab.com/


(執筆:一般社団法人自分史活用推進協議会代表理事 河野初江 編集:NTTファイナンス ライフノート編集部 情報は2021年9月29日時点のものです。)

この記事を監修した人
河野初江

一般社団法人自分史活用推進協議会代表理事

岡山市生まれ。東京女子大学文理学部(史学科)卒。株式会社リクルート入社。リクルートの顔『月刊リクルート』編集長を務めたのち独立。コンサルタント会社を経て、編集工房オフィス河野を設立。広報誌の編集実績は2万ページ以上に及ぶ。人物の魅力を引き出す本作りを得意とし、リクルートの創業者である江副浩正氏ほか、多数の自叙伝、自分史を手がける。2017年より現職。著書に『熱中できるものを探す』(日本経済新聞社)。

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