コラム

老後貯金はいくら必要?収入と支出の目安額から算出してみよう

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この記事の内容

この記事を監修した人
水上克朗

ファイナンシャルプランナー。

慶応義塾大学卒業後、大手金融機関に入社。これまでのさまざまな経験とFPの知識を活かし、1憶円資産の捻出方法を確立する。現在、ライフプラン、資産運用、保険の見直しなどの観点からアドバイスを行う。また、執筆、監修、相談、講演活動などを積極的に行い、その内容は、新聞、雑誌、Webの大手媒体で数多く取り上げられている。著書に「50代から老後の2000万円を貯める方法」「見るだけでお金が貯まる賢者のノート」がある。

この記事をおすすめする人

必要な老後貯金の額がわからない方


この記事のポイント

  • 老後に必要とされる貯金額は夫婦2人世帯の場合で約2500万円
  • 老後は夫婦2人世帯の場合で27万1000円が平均的な毎月の支出額
  • 資産形成や定年後の勤労も考えることが大切


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老後に備えて国民年金や厚生年金、確定拠出年金などに加入していたとしても、働けなくなったときのことを考えると経済的な不安がつきまといます。

そこで重要となるのが、老後に備えた老後貯金です。定年退職後、老後の生活を送るためにはどの程度の貯金が必要なのか、収入と支出の目安額をもとに算出してみましょう。

老後に必要な貯金額は夫婦2人世帯の場合で約2500万円

結論からいえば、老後に必要とされる貯金額は、夫婦2人世帯の場合で約2500万円となっています。

年金をはじめとした毎月の収入額に対し、家賃や光熱費、食費をはじめとした支出額を比較したとき、*支出額のほうが毎月3〜6万円ほど多くなるというデータがあります。

年間での不足額が70万円と仮定した場合、不足額は30年間で2100万円に達します。これはあくまでも現在の物価や景気を前提に考えたものであり、将来予想される物価の高騰や景気変動、さらには今後予想される年金支給額の減少などを考慮すると、2500万円程度が必要な貯金額の目安であると想定されます。

*総務省統計局「家計調査年報(家計収支編)」(二人以上の世帯のうち高齢無職世帯の消費支出)2017年、同2018年、同2019年

老後の収入の目安額

定年退職後に必要な貯金額がわかったら、自分自身がどの程度の年金・収入を得られるのかを把握して次の行動を取る必要があります。

そこで、老後の主な収入である年金額と、その他収入の目安をくわしく解説します。

年金収入の目安

2022年度の国民年金支給額は月額6万4816円、平均標準報酬(賞与含む月額換算)43.9万円で40年間就業した場合に受け取り始める厚生年金加入者は21万9593円となっています。

ただし、ここで示した国民年金の額はあくまでも満額もらえた場合であり、加入期間によっても支給額が異なります。また、厚生年金は現役時代の収入状況によって支給額が異なるため、上記よりも少ない、または多い金額となる可能性もあります。

その他収入の目安

その他の収入としては、株式投資の配当金や運用益、不動産の売却益、パートやアルバイトの報酬などが考えられます。

2021年の「家計調査報告」によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯における年金以外の収入の平均値は月額約2万円となっています。年金収入と合算すると、厚生年金に加入してきた平均的な夫婦2人世帯の場合で約23万7000円の収入を得られる計算となります。

老後の支出の目安額

老後の収入の目安は上記で紹介した通りですが、これに対して支出の金額はどうなっているのでしょうか。支出は大きく分けると、「非消費支出」にあたる税金および社会保障費、「消費支出」にあたる生活費が存在します。

税金・社会保障費

そもそも年金は税法上、雑所得として扱われるため、年金受給者に対しても住民税や所得税は課税される仕組みとなっています。

また、国民健康保険料、介護保険料なども天引きの対象となり、毎月の年金収入に応じて差し引かれています。

上記で示した、夫婦2人で約23万7000円の収入を得た場合、ひと月にかかる税金および社会保障費は約3万1000円で、可処分所得は約20万6000円という計算になります。

生活費

生活費の主な内訳は、住居費、家賃、光熱費、通信費、食費、雑費など多岐にわたります。

その人の生活水準や家族構成、居住地域などによっても生活費は変わってきますが、一般的な夫婦2人世帯の場合は24万円程度が平均とされています。

これに、先ほど紹介した税金・社会保障費の3万1000円を加算すると、合計27万1000円が平均的な毎月の支出額となります。

老後貯金が足りないときはどうする?

上記で紹介した老後の収入、および支出の目安額は、あくまでも厚生年金に加入し続けながら標準的な給与を受け取ってきたサラリーマン世帯のケースに過ぎません。

そのため、定年退職前の収入状況や、自営業・フリーランスへの転職などによって厚生年金の受給額が下がり、十分な収入が得られなくなる可能性もあります。

そのためにも老後に備えた貯蓄が重要となりますが、今のままでは老後貯金が不足すると危機感を抱いている方も多いことでしょう。そのような事態に陥らないためにも、今からできる対策を紹介します。

今からでも資産形成に取り組む

自分の生活は自分で守ることが原則であるため、今の資産額では到底足りないと感じている方は資産形成に取り組む必要があります。代表的な資産形成には貯蓄がありますが、それ以外にも投資信託やつみたてNISA、財形貯蓄制度、確定拠出年金などさまざまな種類があります。

「40代、50代から資産形成を始めても遅いのではないか?」と不安を抱く方もいるかもしれませんが、50代から資産形成を始めても遅くなく、少しずつでも継続していくことが重要です。

また、「資産形成にはどういった種類・方法がある?ポイントや注意点も解説」の記事でも紹介している通り、複数に分散投資することも資産形成を成功に導く大切なポイントです。

定年退職後も働くことを前提に考える

従来の社会では、定年退職後に悠々自適な生活を送るケースが一般的でした。

しかし、少子高齢化が進み年金制度を支える現役世代が減少している現代では、そのような生活を送れるひとはごく一部に過ぎません。このような傾向は今後さらに加速していき、定年退職後も働き続けるのが当たり前の世の中になる可能性は高いでしょう。

そのため、企業を定年退職した後も嘱託社員として再雇用してもらったり、アルバイトやパート、フリーランスといった立場で働き続け、安定した収入を得ることを前提に考えておく必要もあります。

まとめ

老後に支給される年金や雑収入の合計と、税金や社会保障費、生活費などの支出を比較すると、毎月平均で3〜6万円程度が不足する計算となります。

1年に70万円、定年退職後30年間生活が続くと想定すると、物価や為替の変動なども考慮すると必要な貯金額は2500万円が目安となります。

2500万円と聞くと途方もない金額に感じられ、「そんな大金を貯めるのは無理」と諦めてしまう方も多いでしょう。しかし、貯蓄だけでなく、投資信託やつみたてNISA、財形貯蓄制度、確定拠出年金などの方法で少しずつ資産形成を続けることで、着実に資産を増やすことは可能です。

すこしでも余裕のある老後の生活を実現できるよう、今からでもできる範囲で資産形成に取り組んでいきましょう。


(執筆編集:NTTファイナンス 楽クラライフノート お金と終活の情報サイト編集部)

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