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40代、50代、60代の平均血圧|下げる方法も解説

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この記事の内容

この記事を監修した人
高山哲朗

2002年慶應義塾大学医学部卒業。医療法人社団志嵩会理事長。かなまち慈優クリニック(http://www.jiyu-clinic.jp)院長。医学博士。東海大学医学部客員准教授。PEG・在宅医療学会データ委員。NPO法人PDN理事。

日本内科学会認定医、日本内科学会総合内科専門医、日本消化器病学会専門医、日本消化器内視鏡学会専門医、日本医師会認定産業医、緩和ケア研修会修了者、東京都難病指定医

クリニックでの内科診療、訪問診療を通じ、地域の人々の疾病予防・健康管理に注力するほか、予測医学研究所所長として、医療予測ツールの開発にも従事。

この記事をおすすめする人

健康診断や自宅での血圧チェックの数値が上昇傾向にある方


この記事のポイント

  • 自宅での計測時は最高血圧135mmHg未満で最低血圧が85mmHg未満、医療機関では最高血圧が140 mmHg未満で最低血圧が90 mmHg未満が正常値
  • 40代~60代の平均は最高血圧が125.8mmHg前後、最低血圧が85mmHg前後
  • 食生活の見直しや定期的な運動によって血圧を下げられる


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体重、体脂肪率や尿酸値、中性脂肪値といったように、健康を測るための基準や方法はさまざまなものがあります。そのなかでも、疾病に大きく影響するのが血圧です。日本人の3人に1人は高血圧の状態にあるといわれ、これを放っておくと心疾患や脳卒中に結びついてしまいます。

では、血圧はどのくらいの数値であれば問題ないのでしょうか。この記事では各世代の平均血圧を解説していきます。

そもそも血圧とは

健康診断や人間ドック、さらには日常生活のなかでも血圧という言葉はよく耳にしますが、その意味や概念を正しく理解できている方は意外と多くありません。

血圧とは、私たちの体内で循環する血液が、血管の内壁を押す力のこと。ただし、血圧はつねに一定ではなく、「最高血圧」と「最低血圧」があります。

血液をおくり出すために心臓は収縮と拡張を繰り返していますが、心臓が収縮した際の血圧が「最高血圧」、拡張したときの血圧を「最低血圧」とよんでいます。

一般的な血圧の正常値

血圧は健康状態を把握するためのバロメーターの一つでもあり、高血圧・低血圧ともにさまざまな健康リスクが生じます。では、健康な身体を維持するために、一般的な血圧の正常値はどの程度なのでしょうか。

まず覚えておきたいのが、血圧は心理的な変化に影響されやすく、緊張状態にあるほど高くなる傾向にあるということ。そのため、普段生活している自宅で計測した場合(家庭血圧)と、医療機関や公共施設などで計測した場合(診察室血圧)に差が生じる場合があるのです。

また、血圧が上がったからといって自覚することはほとんどありません。頭痛がするのが血圧のせいだと思う人がときどきいますが、痛みなどを自覚できるほどの高血圧は入院の必要があるほど重い状態です。このように自覚症状がないため、血圧を定期的に測り、脳卒中や心筋梗塞の病気につながらないようにすることが大切です。

家庭血圧の正常値としては、最高血圧135mmHg未満、最低血圧が85mmHg未満、診察室血圧は最高血圧が140 mmHg未満、最低血圧が90 mmHg未満が正常値とされています。このうち、誤差が生じにくく安定した計測結果が出やすい家庭血圧が重視されます。

いつ測定するべきか

健康状態を把握するためにも、日ごろから自宅で血圧を計測することが重要です。しかし、血圧は生活リズムや時間帯によっても変化することが多く、毎日バラバラの時間帯で計測してしまうと正確な数値が判別できません。

計測に適したタイミングとしては、起床後と就寝前の2回が理想とされています。正確な血圧を測定するためにも、リラックスした状態をつくることが重要です。

まずは血圧計を購入しよう!

健康管理の第一歩として、家庭で血圧を測定し把握しておくことが重要であるとわかりました。実際に、オムロンヘルスケアが実施した調査でも、50〜60代の約4割が「もっと早くから家庭で血圧測定を始めればよかった」と回答していることから、血圧測定を習慣化することは重要といえるでしょう。

そこで今回は、dショッピングから購入できる血圧計をいくつか紹介します。

家庭用の血圧計は数千円、高機能なものでも1万円台で購入できることから、まずは手ごろな製品を購入してみるのもおすすめです。

また血圧計には主に、上腕に巻くタイプ、上腕を機械に入れるタイプ、手首に巻くタイプの3種類があります。上腕に巻くタイプ、手首に巻くタイプは比較的安価な半面、やや精度が落ちるといわれます。逆に上腕を機械に入れるタイプだと、精度は上がりますが、価格は高めで場所をとります。これらの特徴をふまえて、ご自身に合う血圧計を見つけてみてください。

HEM-8712(オムロン)

健康機器メーカー大手のオムロンが提供している上腕式血圧計です。上腕に腕帯を巻いて測定するおなじみの血圧計で、計測の開始・停止をボタン一つで操作できるため簡単です。本体価格も1万円以下と手ごろなため、はじめて血圧計を購入する方にもおすすめの1台です。

HEM-1021(オムロン)

医療機関や公的施設などにある血圧計のように、ホールのなかに腕をとおして測定するタイプの血圧計です。毎日血圧を測定するたびに、本体を取り出して腕帯を巻くのが面倒に感じることもあるでしょう。しかし、この機種は一定の場所に常設できるためそのような手間がありません。

BP-A11-WH(タニタ)

とにかく安価な血圧計がほしいという方におすすめの1台です。上腕ではなく手首に巻いて使用するためコンパクトで、旅行などにも持参できます。本体価格はわずか2000円台と安価なため、旅行用や予備の血圧計としても重宝するでしょう。

ただし、手首に巻いて使用するタイプは上腕に巻くタイプと比べると精度が低くなるため、数値はあくまで“目安”であることをおさえておきましょう。

各世代の平均血圧

健康的な生活をおくっているつもりでも、加齢にともない血圧が上昇していく人も少なくありません。そのようななかで、「自分とおなじ年代の人の平均血圧はどの程度なのだろうか?」と疑問を抱く方も多いでしょう。

そこで、厚生労働省がまとめた「令和元年国民健康・栄養調査報告」から各年代の平均血圧を紹介します。

40代の平均血圧

まずは40代の平均血圧は以下のとおりです。

  • 男性:最高血圧125.8mmHg 最低血圧81.3mmHg

  • 女性:最高血圧114.3mmHg 最低血圧71.2mmHg


50代の平均血圧

次に、50代の平均血圧は以下のとおりです。男女とも40代よりいくぶん高くなっているのが見てとれます。

  • 男性:最高血圧131.7mmHg 最低血圧82.0mmHg

  • 女性:最高血圧123.7mmHg 最低血圧75.4mmHg


60代の平均血圧

最後に、60代の平均血圧は以下のとおりです。男性の場合、最高血圧が正常値を上回っていることがわかります。

  • 男性:最高血圧135.8mmHg 最低血圧78.5mmHg

  • 女性:最高血圧131.0mmHg 最低血圧76.7mmHg


血圧を下げるには

年代別の平均血圧を見てもわかるように、加齢とともに血圧が上昇していく傾向があります。では、歳を重ねても血圧を正常値に保ち健康的な生活をおくるためには、どういった対策が必要なのでしょうか。

医師に相談し投薬治療をする

家庭血圧が基準値を超え、慢性的に高血圧の域に達している場合には、まず医師に相談してみましょう。医師の判断によっては降圧剤を処方するなどして投薬治療に移行する可能性もあります。

食生活を見直す

薬による治療が万能とは限らず、高血圧の根本原因を解決するためには日々の生活を見直さなければなりません。塩分を摂りすぎると、体内に水とナトリウムが蓄積され血液量が増えます。これが結果的に心臓への負担となり、血圧が高くなるといわれています。塩分の過剰摂取に注意することはもちろんですが、不規則な食生活も高血圧の原因になることがあるため、バランスのとれた規則正しい食生活に改善することが重要です。

アルコール摂取をおさえる

食事と一緒にアルコールを日常的に摂取している方も多いのではないでしょうか。飲酒は一時的に血圧を下げる効果があるものの、習慣的なアルコール摂取は恒常的に血圧を高めます。そのメカニズムはわかっていないものの、データとしてアルコールと血圧の関係がみてとれることから、アルコール摂取を控えたほうがよいといえます。

禁煙する

アルコールと同様に大きなリスクとなるのが喫煙です。タバコに含まれる化学物質が血管を収縮させる効果があるため、結果的に血圧が高くなります。また、タバコは高血圧だけでなく、がんや糖尿病などにもつながるため、禁煙に挑戦してみましょう。禁煙は難しそう、と感じる愛煙家もいるかもしれませんが、禁煙外来を利用したとき半分程度の人が禁煙に成功するといわれています。

定期的な運動を心がける

生活習慣の見直しに向けてとくに重要なのが適度な運動です。運動をしているときは一時的に血圧が上がりますが、その後、酸素や栄養を体内へ行き渡らせるために血管が広がり、血圧が下がります。加齢とともに足腰が弱り、運動をしても疲れやすくなっている場合は無理をすることなく、軽いウォーキングから始めて徐々に身体を慣れさせていくことが大切です。

日々の血圧測定で身体の状態を知ろう

世代別の平均血圧を見ていくと、歳を重ねるごとに血圧も上がっていくのがご理解いただけたのではないかと思います。60代ともなると、最高血圧の平均が正常値の範囲をわずかではあるものの上回っており、実態としては多くの人が高血圧であると推察できます。

だからといって、「ほとんどの人が高血圧だからいいか」と楽観的に考えていると、大きな病気につながってしまいます。前述のとおり高血圧には自覚がなく、しかしその自覚がないまま血圧を要因とした疾病が発症すると命にかかわる重大な事態となり、身体が元に戻らないことも少なくありません。よって、高血圧は必ず治療が必要なのです。

まずは日常的に血圧を測定する癖をつけ、数値が高い状態で推移している場合は、ここで紹介した血圧を下げる方法を実践してみてください。


(執筆編集:NTTファイナンス 楽クラライフノート お金と終活の情報サイト編集部)

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