コラム

死生観とは?自分の最期について考えるメリットや考えるべきことも解説

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「死生観」という言葉について知りたい人


この記事のポイント

  • 死生観はネガティブなものではなく、よい「終わり」を迎えるために向き合うもの
  • 人によってさまざまで、決して正解はない
  • 自分らしい最期を迎えるだけでなく、遺された家族の不安も軽減できる


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長い人生のなかで、「自分はこうなりたい」「こういった人生を送りたい」という人生観をもってきた方がほとんどではないでしょうか。

一方で、人生の終わりが見えてくると、理想の死に方や「どのようにこの世に別れを告げるか」といった考えが浮かんできます。こうした思いをもつことは、自分なりの「死生観」をもつ第一歩です。

死生観という言葉だけ聞くと抽象的な印象をもつかもしれませんが、よりよい人生の終わりを迎えるために向きあわなければならないことでもあります。この記事では死生観について取り上げます。

死生観とは

死生観という言葉を聞くと、「死に関して考えるのは縁起でもない」、「後ろ向きな考えではないか」とネガティブな印象をもつ方もいるかもしれません。

しかし、死生観という言葉の意味を辞書で調べてみると、以下のような文言で表現されています。

《生きることと死ぬことについて、判断や行為の基盤となる考え方。生と死に対する見方。》『デジタル大辞泉』

すなわち、死生観とは死ぬことについてのみを考えるのではなく、文字どおり「生と死」の両方について考えることを意味します。

また、生前2度のがん闘病を経験した直木賞作家 なかにし礼さんは、自身の著書のなかで以下のような死生観を述べています。

《人間にしても、それ以外の動物にしても、魂が死を迎えたらどうなるのか。生きている肉体と精神との間にある魂というものは、私はやはり肉体とともに無に帰するだろうと思う。

だが、生きている間はその魂を最大限に燃やすべきである。(中略)そうして魂が燃え尽きた末に、私は日本の大地に受け入れられ、死んでいきたいと心から願っている。》

なかにし礼『がんに生きる』(小学館)


人それぞれ人生観が異なるのと同様に、死生観についても人によって考え方はさまざまで、一つの正解があるわけではありません。

だからこそ、人生の終わりが徐々に見えてきたタイミングで長い人生を振り返り、これから自分はどう生きていくべきか、そしてどのように人生を終えるべきかを考える必要があり、それこそが死生観の本質ともいえるのです。

死生観をもつ、考えることによる効果

かつて日本では、死というものに触れること、考えること自体がタブー視されてきました。しかし、高齢化の時代を迎えた昨今では「終活」という言葉も一般化し、死に対する考え方や価値観も変わりつつあります。

そのような状況のなかで、自分なりの死生観をもつことにはどのようなメリット・効果があるのでしょうか。2つのポイントを解説します。

死に対する恐れが軽減される

人の死に対する考え方は宗教によっても異なります。

たとえば、仏教における死生観の一つに「輪廻転生」があります。これはいまある生命が失われた後、魂が生まれ変わっていくことを意味しています。すなわち、自分自身の肉体がなくなった後も、魂だけは生き続け、別の肉体として生まれ変わるということです。

このように、自分自身の死と正面から向きあうことで気持ちが整理され、これまで死に対して抱いていた恐怖が軽減されることもあるのです。

一方で、輪廻転生という考え方を採り入れなかったとしても、多くの人は死を人生の必然として受け止めているといえます。必ずやって来る人生の終わりを真正面から考えることで、死を受け入れ恐れが軽くなる場合もあるでしょう。

よいよい人生の終わりを迎えることにつながる

死を迎え入れる心の準備ができたら、残された自分の人生を全うしようと考える人が多いものです。これは「生」について考えるということでもあり、後悔のない人生を全うするためにも重要なプロセスといえるでしょう。

人が死ぬ直前、その人の脳には過去の出来事や思い出が走馬灯のようにフラッシュバックするともいいます。自分なりの死生観をもち、死を迎える準備をしておけば「あのときこうしておけばよかった」、「あの人にどうしても伝えたいことがあったのに、結局伝えることができなかった」といった後悔を抱くこともなくなり、穏やかでよりよい人生の終わりを迎えられることでしょう。

自分の死の何を考えるべきなのか

死生観という言葉は抽象的であり、具体的に何を考えればよいのか分からないという方も多いでしょう。そこで、死生観を考えるうえで重要な3つのポイントを例に紹介します。

どこで人生の終わりを迎えるのかを考える

自分自身が死を迎えるとき、最後にどこで過ごしたいかを考える必要があります。

多くの方は、住み慣れた自宅で最期を迎えたいと考えるものです。現在では医療費を抑制するという国の方針から自宅での終末期医療が徐々に浸透しつつありますが、一般家庭での看取りには家族のサポートが不可欠であり、できるだけ迷惑をかけたくないと感じる方も多いでしょう。

そのため、専門的な処置・治療を24時間体制で受けられる病院で最期を迎えるのを望む方も、一定数存在します。一方、日常生活にさまざまな介助が必要な場合には、介護施設へ入所するという選択肢もあります。

自分自身の考えをもつことは大前提ですが、それだけでなく家族からの意見も参考にしながら決めましょう。

尊厳死や安楽死について考える

自分自身の死期が近づいてきたとき、尊厳死や安楽死を希望する患者も少なくありません。尊厳死とは、本人およびその家族の希望に沿い、過度な延命治療を施すことなく死を迎え入れることです。末期がんなどで回復の見込みがない場合に用いることが大前提であり、あくまでも自然死であることが特徴です。

一方、安楽死も回復の見込みがない患者を対象におこなわれますが、尊厳死と決定的に異なるのは、自然死ではなく意図的に死期を早める点です。日本において安楽死は法律上認められておらず、仮に患者本人や家族が希望したとしても医師は安楽死に導くことができません。

もし、尊厳死を希望する場合には、あらかじめ家族や担当の医師に自分自身の希望を伝えておくことが大切です。

やりのこしたことを考える

これまでの人生を振り返り、やり残したことがないかを考え、実行できるものは実行に移してみることです。

たとえば、「学生時代にケンカをしたまま連絡を断っていた友人に謝りたい」、「仕事で困っていたときに助けてくれた恩人に感謝の気持ちを伝えたい」など、会いたい人がいれば直接気持ちを伝えておきましょう。あらかじめ、そんな気持ちを楽クラライフノートに記録しておくと、忘れずに伝えることもできます、

またそれ以外にも、「自分が生まれ育った故郷にもう一度帰って風景を見ておきたい」、「観光名所に行ってきれいな景色を見たい」など、行きたかった場所に行ってみるのもよいでしょう。

どんな些細なことでもよいので、これまでできなかったことを着実に実行していけば、人生に対する後悔が小さくなり穏やかな気持ちで死期を迎えられるようになります。

必ずしも理想どおりにならないことも受け入れる

このように死生観をもつことは、自分らしく生きて最期を迎えることにつながるだけでなく、遺された家族の不安も軽減できます。

もっとも、必ずしも理想どおりの死を迎えられるわけではありません。とはいえ、あらかじめ死生観や自分の死について考えておけば、理想どおりにはいかなくても「できるだけ理想に近づくには何をすべきか」がわかるようになります。

そのような意味でも、生と死について考えるのは決して無駄ではないということです。


(執筆編集:NTTファイナンス 楽クラライフノート お金と終活の情報サイト編集部)

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