コラム

【自分史 連載②】「読まれる自分史」のポイント

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この記事を監修した人
河野初江

一般社団法人自分史活用推進協議会代表理事

岡山市生まれ。東京女子大学文理学部(史学科)卒。株式会社リクルート入社。リクルートの顔『月刊リクルート』編集長を務めたのち独立。コンサルタント会社を経て、編集工房オフィス河野を設立。広報誌の編集実績は2万ページ以上に及ぶ。人物の魅力を引き出す本作りを得意とし、リクルートの創業者である江副浩正氏ほか、多数の自叙伝、自分史を手がける。2017年より現職。著書に『熱中できるものを探す』(日本経済新聞社)。

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つくるからには読んでもらいたいものです。読まれる自分史となるにはいくつかポイントがあります。

①    いまにして思えば、と考えてみる

自分のことは自分がだれよりもよく知っている、そんな気持ちで自分史を書いてしまうと、本人だけでなく読み手にも発見と驚きの少ない退屈な自分史になりがちです。また、自分の体験を忠実に再現しようとするあまり、データや記録を追うだけになり、肝心の自分の影が薄くなってしまう、ということも起こりがちです。よく知っているできごとであればあるほど、いまいちど当時に立ち戻って、「そのときの周囲の情景はどうであったか」「そのときどんな気持ちだったのか」ということが、読み手にもわかるように書くとよいでしょう。また、ひとわたり当時の様子を再現したあとで、「いまにして思えば」と振り返り、いまの思いをひとこと添えるだけでも原稿は生きてきます。

②    点と点をつなげてみる

一つひとつのできごとを、ただ追って書いていくだけでは、どんな人生であったかはわかりません。一つのできごとは、一つの点でしかありません。けれどもれが起きたことで何が変わったのか、その結果どうなったのかと考えながらできごとを結んでいくと、そこから浮かんでくる情景があります。こうして点と点をつなげたなかで描かれる情景こそ、その人ならではの「人生」であり、「意味」であるといっていいでしょう。読み手はそこに魅力を感じ、惹きつけられるのです。

③    自分だけ史にしない

この世にポツンとただひとりで存在する人はいません。けれども時々、自分史ではそういうことが起こります。自分の人生を書くことに熱中するあまり、世の中のことを忘れ、書き急いでしまうのです。そのころ、どんな部屋に住み、どんな本を読み、世の中ではどんな音楽が流行っていたでしょうか。テレビではどんな番組が話題になり、世間を騒がせたニュースにはどんなことがあったでしょう。そんな時代のなかで何を思っていたのか、そこまで描いてはじめて人は情景が浮かび、どんな時代を生きようとしていたのかがわかり、共感するものです。

④    自慢だけ史にしない

頑張ってきた自分のことを伝えたい、これは人間の本能であり、それにブレーキをかける必要はありません。けれども何ひとつ失敗のない、いいことずくめの人生、それもまた本当だとは思えません。人生にはいいこともあれば、辛いこともあるものです。むしろ、その辛いことからどのように脱し、克服し、いまに至ったのか、それを聞くときはじめて読み手のなかに、頑張って生きてきた書き手への敬愛の念が芽生えてきます。

⑤    どん底体験が物語を生む

人にはそれぞれ、どん底体験があるものです。そのどん底体験と向きあうことを、たいていの人は嫌がり、避けて通ります。記憶から消し去って、無かったことにしている人もいるでしょう。けれどもその挫折や失敗体験を、そのまま持ち続けることが必ずしもよいとは限りません。人生のどこか、振り返ってみようと思える時期が来たら、一度はそのどん底体験と向き合い、そこから得たものについて考えてみましょう。過去は変えられませんが、過去に対する見方は変えることができます。時を経てみれば、失敗体験や挫折体験が、自分を鍛え、人生をより豊かなものにしてくれたと気づいたりするものです。そして、その経験談に助けられ、励まされる人もまた居るのです。


一般社団法人自分史活用推進協議会 代表理事
河野初江

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(執筆:一般社団法人自分史活用推進協議会代表理事 河野初江 編集:NTTファイナンス 楽クラライフノート お金と終活の情報サイト編集部)

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