コラム

葬儀社に聞くコロナ禍のお葬式〜後悔しないために、いまできること

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この記事の内容

この記事を監修した人
白根 勉

株式会社セレモア 常務執行役員。一級葬祭ディレクター(厚生労働省認定 葬祭ディレクター技能審査)。

1993年、株式会社セレモア入社。家族葬から一般葬・5000人規模の社葬・合同葬・お別れ会までの葬儀執行並びに管理監督責任者を担当。

以上の経験で培った知識を生かし、年間約100件の終活セミナー、社葬セミナー講師を務める傍ら、社員指導にあたっている。

https://www.ceremore.co.jp/

この記事をおすすめする人

お葬式について生前のうちに決めておきたい方


この記事のポイント

  • コロナ禍のお葬式では式の参列や火葬への立会いに入場制限が設けられている
  • コロナ禍では密集状態を避けるために一日葬を選ぶ方が増えた
  • コロナ禍でのお葬式は決断が難しいからこそ葬儀社や家族との話し合いが大切


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冬に入り、ますます猛威を見せる新型コロナウイルス(COVID-19)。その感染拡大防止策として、不要不急の外出や3密(密閉、密集、密接)を避けることが推奨されています。

人が集まる場所といえば、お葬式もまたそのひとつ。
今回は、株式会社セレモア 常務執行役員の白根 勉様に、コロナ禍でのお葬式の変化と、備えとしてできることについて伺いました。

さまざまな形で執りおこなわれる、コロナ禍のお葬式

――まずはコロナ禍での、お葬式の実態を教えてください。お葬式はこれまで通りおこなわれているのでしょうか?

新型コロナウイルスとは関係なくお亡くなりになられた方のお葬式に関しては、通常どおりおこなわれています。ただ、感染防止対策が徹底されるようになったという大きな変化がありますね。

たとえば、葬儀社のスタッフからご遺族、ご参列の方まで、お葬式に出席する方はマスク着用が必須です。コロナが流行しはじめた当初は「マスクを着けるとお経があげづらい」とおっしゃる宗教家の方もなかにはいらしたのですが、いまでは皆さん必ずマスクをされています。

また式場にお入りになる際には、アルコール消毒にも必ずご協力をいただいています。

――イベント会場では「ソーシャルディスタンス」がとられるようになり、会場への入場制限などもなされていますが、お葬式の場合はいかがですか?

おなじですね。たとえば式場のなかでは、定員を通常の半数におさえてご案内し、隣の方と距離をあけてご着席いただいております。お焼香の列でも間隔をあけてお並びいただいております。

また、火葬場の多くでは感染防止対策として、火葬に立ち会われる方の人数が20名前後に制限されています。

――新型コロナウイルスによってご逝去された方の、お葬式の形を教えてください。

基本的には、お葬式はできません。新型コロナウイルスによってお亡くなりになられた方は、決められた火葬場にご移送し、そこで火葬されます。

とても悲しいことですが、感染拡大防止の観点から、ご遺族やご親戚、ご友人が故人様と対面することはできないです。入院中も面会が難しいのが現状ですから、最後のお別れもできずに、お骨になって帰ってこられます。

そこで、ご遺族の方にはお骨にされてからお葬式を執りおこなうことをご提案しています。

――お骨にされてからのお葬式は、どのような形で執りおこなうのでしょうか?

新型コロナウイルスでお亡くなりになられた方は、通常どおりお通夜、葬儀・告別式をご提案させて頂いておりますが、実際はお通夜をおこなうケースは少なく、コロナの影響で遠方の親戚も集まりにくいので、2日間のお葬式を1日で執りおこなうケースが増えています。

通常のお葬式と大きく異なるのは、出棺がないことです。通常のお葬式ですと、最後にお棺にお花入れをして釘を打ち、喪主様が挨拶をされてから出棺する流れになりますが、先に火葬しお骨にされる場合のお葬式は出棺がありませんので、喪主様がはじめにご挨拶をされて、その後にお焼香をおこなう流れになります。

お葬式をおこなう方の胸中にあるのは、申し訳ない気持ち

――お葬式自体の数が減るということはないのでしょうか?

お亡くなりになられている方が減っているということはありません。ただできる限り人が集まる機会を減らそうと、お通夜をおこなわずに、葬儀・告別式だけを一日でおこなう「一日葬」を選ぶ方が多くなりました。

また、式が終わった後の会食(お清め・精進落とし)を省略し、お持ち帰りのお弁当にしてご自宅で召し上がっていただくなど、皆さんの感染防止対策への意識が大きく変わっています。

――ほかに、増えているお葬式の形式などがあれば教えてください。

お通夜や葬儀・告別式をせず火葬だけをおこなう「直葬」を選ばれる方も非常に増えてきています。

とくに東京では、毎日メディアで「今日の東京の新規感染者は◯人」「東京の重傷者は◯人」と報道されていますが、それを受けて、東京でお葬式をおこなうご遺族の方は「地方の親族に東京まで来てもらうのが申し訳ない」と考え、直葬を選択されるケースがあるようです。

また東京に住んでいらしても、お墓やお寺が地方にある方もいます。なかにはご住職から「お通夜や葬儀・告別式をおこなわずに東京でお骨にされて、感染拡大が落ち着いたら改めて考えましょう」とご家族に伝えられたこともありました。宗教家の方も、東京へ来ることに抵抗があるのではないでしょうか。

――お通夜や葬儀・告別式はおこなわれない方がほとんどなのでしょうか?

お葬式をおこなわないということはありません。従来どおりお通夜や葬儀・告別式を執りおこなっていますが、大勢を呼ぶことは少なくなっています。その場合、お亡くなりになられたことは、ご遺族から、ご親戚・友人に「感染防止のため、お葬式は近親者のみで執りおこなうことをご理解ください」という旨でお伝えされています。

一度きりのお葬式を、後悔のないものにするために

――お葬式をおこなうか考えるご遺族の方は、どのような悩みをもたれているのでしょうか?

のこされた者としてお葬式を執りおこない、お亡くなりになられた方への感謝を伝えたいという思いや、やるべきことをしっかり果たしたいという気持ちがある一方で「お葬式をすること自体が、ご参列される方に、新型コロナウイルス感染の不安をもたせてしまうのではないか」という悩みをもたれています。

その狭間で、お葬式をおこなうことやお知らせすることを躊躇してしまったり、どうすればよいか決めきれなかったりする方が多いように思います。

――実際にそうした場面で、どのような決断をするのがよいとお考えですか?

お葬式の知らせを受けた方が感染の不安からご参列されるかどうかは、それぞれの方のご判断だと思います。またたとえご参列される方を気遣ってお葬式をおこなわなかったとしても、「お世話になった方へ感謝を伝えたい」、「お線香だけはあげたい」とご親戚やご友人が次々と自宅を訪れるケースも見受けられますから、お葬式を「しない」選択が唯一正しいとは限りません。

どの決断が正しいのではなく、「どのようなお葬式にしたいのか」ご家族で相談しておくことが大切なのではないでしょうか。お葬式は一度きりしかできないことですから、後から「もっとこうしておけばよかった」と後悔のないように。

ご家族のなかでもお葬式に対する思いがまったく違うこともあります。そのうえでさらにコロナ禍での決断の難しさがあるからこそ、お葬式の話題を敬遠せず、あらかじめご家族で話しあいをすることを大切にして欲しいと思います。

――事前の相談のなかで、考えておくべきことがあれば教えてください。

お亡くなりになられてからお葬式のことをすべて慌てて決めることは、とても大変ですので、お葬式の形式や費用、段取り、またご心配されていることなどは事前に相談されておくと安心です。

コロナ禍に限った話ではありませんが、どの葬儀社も事前相談を受け付けています。ご家族で思いを共有された後は、後悔のないお葬式をするために、ぜひプロを頼ってほしいですね。

さまざまな考え方があるからこそ、事前の相談を

新型コロナウイルスの流行によって人々の意識が大きく変化し、さまざまなお葬式の形や考え方が生まれています。白根様のお話から、そうした状況下ではより、お葬式について家族間で事前に相談をしておくことが大切になるとわかりました。

死後のことやお葬式のことを「触れてはいけない話題」とする風潮はもう過ぎ去りつつあります。故人や家族の希望を実現し、後悔のないお葬式をおこなうためにも、ぜひ一度互いの思いを確認してみてはいかがでしょうか。

あらゆるお葬式の形式に対応し、数多くの方々の「最期のお別れ」をサポートしてきたセレモアでは、お葬式にまつわる不安や心配ごとの無料相談を受け付けています。事前に準備を進めてのこされる家族の負担を減らしたい方や、ご自分やご家族のお葬式に悩まれている方は、ぜひ一度セレモアに相談されることをおすすめいたします。


(執筆編集:NTTファイナンス 楽クラライフノート お金と終活の情報サイト編集部)

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