基礎知識

葬儀費用はどう準備する?葬儀保険・生命保険・互助会を徹底比較

この記事の内容

故人との最後の別れの場としておこなわれるお葬式。

規模によって額は異なりますが、お葬式では会場代、お布施など宗教家に支払うお金、火葬費用……とさまざまなお金がかかります。突然不幸が起こったら、家族はこうしたお金をどのように工面するかと悩んでしまうかもしれません。

こちらの記事では、葬儀費用の相場をご紹介するとともに、「葬儀保険」「互助会」「生命保険」といった葬儀費用への備え方についても解説します。家族の負担を減らすために、ご自身でできる備えは何であるか、ぜひ考えてみてくださいね。

葬儀費用の相場

お葬式をおこなうには、いったいどれほどのお金がかかるのでしょうか?

日本消費者協会が2017年におこなった「葬儀についてのアンケート調査」によると、葬儀費用の合計の平均は195.7万円でした。2014年のおなじ調査では188.9万円でしたので、3年のあいだに約7万円も相場が上がっていることになります。

項目別の平均を見てみると、「通夜からの飲食接待費」が30.6万円、「寺院へのお布施」が47.3万円、「葬儀一式費用」は121.4万円となっています。

もちろん、家族葬などごく小規模で葬儀をおこなうならばこの平均よりも低い金額になることはあります。とはいえ、平均でも200万円近いお金がかかってしまうことに対しては、驚かれる方もいるのではないでしょうか。

「もしも」のときは、いつ訪れるかわからないもの。ここからは、葬儀費用の工面で家族にかける負担をすこしでも減らすために、自分で備える方法を見ていきましょう。

葬儀のための備え(1)葬儀保険

葬儀保険とは、その名前のとおり葬儀費用に備えるための保険で、被保険者が亡くなったときに保険金が支払われるものです。生命保険とおなじもののように感じるかもしれませんが、葬儀保険は少額短期保険の一種で保険金は300万円以下、保険期間は1年間ごとに更新する形となっています。

葬儀保険のメリット

葬儀保険は生命保険と異なり、加入時に医師の診断書が必要とされません。また葬儀保険を提供する会社によって条件は異なるものの、加入年齢の上限がおおむね75歳〜85歳と高めであるなど、比較的加入がしやすい保険です。

そのほか保険金がすぐ支払われる(最短で請求の翌営業日支払い)ため必要資金の準備に安心なことや、自分の意思のとおりに受取人を指定することができる点などのメリットがあります。

葬儀保険のデメリット

葬儀保険は掛け捨ての保険です。そのため、保険期間が長くなると元本割れになる可能性があります。また保険金は最大でも300万円と、生命保険より低い金額となっています。

さらに、葬儀保険を含む少額短期保険は、保険を提供する会社が倒産したときに契約者を保護する「保険契約者保護機構」の保護の対象外ですので、万が一、保険会社が倒産した場合の保障はありません。

入るときのポイント

葬儀保険は、高齢になるほど保険料が高くなる傾向にあるため、保険料が「葬儀費用に充てるための保険金」に見合わない場合もあります。加入する前に「月々いくら支払って、どれだけの保険金を受けとれるのか」を保険会社が配布する資料やWebサイトで確認し、いくつかの会社を比較検討するようにしましょう。葬儀保険の比較サイトもあるので、ぜひご参考にしてください。

また葬儀保険を提供する会社が倒産した場合の保障がないため、倒産の場合に保険金がおりるのか、金額はどのくらいになるのかを確かめておく必要があります。

そのほか、

・個々の葬儀保険と提携している葬儀社のサービスを利用できる

・保険会社によっては葬儀会社の口座に保険金を振り込むことができる

など、お葬式の際の「ひと手間」を省けることもあるので、加入の際は保険金以外の特典にも目を向けてみるとよいでしょう。

葬儀のための備え(2)互助会

互助会は、正式には「冠婚葬祭互助会」といい、加入者が毎月一定金額の掛金を前払金として支払うことで、冠婚葬祭をおこなう際にサービスが受けられるシステムです。

本来は、お葬式だけでなく結婚式でも互助会のサービスを利用する人が多かったのですが、少子高齢化の影響もあり、サービスの重点は冠婚から葬祭へシフトしてきています。月々の掛金は1,000〜5,000円程度となっています。

互助会のメリット

互助会の会員になっていると、非会員よりも割引された金額でお葬式のサービスを受けられます。それに加えて、月々の掛金を葬儀費用に充当するため、突然やってくる葬儀への出費に対応できることは互助会の大きなメリットといえるでしょう。

また、会員本人だけでなく同居する家族が喪主・施主をする場合も、互助会のサービスを利用できます。

互助会のデメリット

互助会は葬儀保険や生命保険と異なり、積み立てたお金が保険金ではなく「サービス」という形で戻ってきます。会費の使いみちの自由度が低く、事実上、葬儀費用にのみ使われる点では、柔軟性が低いといえます。加えて、掛金だけで葬儀をおこなう際に選択できるサービスには限りがある場合が多いため、より質の高いサービスを受けるには追加の費用を支払う必要があります。

また民間のサービスであるため、互助会が破たんする可能性がある点もデメリットです。この場合、積み立てた金額の半分の返還が法律で保障されています。

入るときのポイント

互助会で積み立てた費用は、葬儀費用の一部をまかなうための備えとなるため、不足する分の費用を準備する方法も併せて考えておくようにしましょう。また、本人が互助会で積み立てをしていることを知らずに家族が別の葬儀社でお葬式を契約してしまった場合、積み立てたお金は戻ってこないため、互助会への加入は必ずご家族に知らせるようにしてください。

互助会は冠婚葬祭のさまざまな場面で利用されるのを想定されたもの。葬儀はもちろん、子どもや孫の結婚式、七五三、成人式などでどのようなサービスが受けられるかを検討した上で、入るのがよいでしょう。

葬儀のための備え(3)生命保険(死亡保険・定期保険特約付終身保険)

生命保険は人が亡くなったり、病気やケガになったりしたときに備える保険で、なかでもとくに人が亡くなったとき保険金が支払われるものを、死亡保険といいます(生存時の保障に加えて死亡時にも保険金が支払われるものとして、「定期保険特約付終身死亡保険」もあります)。

生命保険の保険金の使途は自由ですので、葬儀費用あるいはお墓の購入などにも充当することができます。

[生命保険について、くわしく知りたい方はこちら

生命保険のメリット

一般的に、生命保険は掛金を多くすればするほど受けられる保障も大きくなり、葬儀保険のような保険金の上限もありません。公益財団法人生命保険文化センターが発表している「生命保険に関する全国実態調査」(2018年)によると、普通死亡保険金の平均は2,255万円であり、葬儀費用はもちろん、のこされた家族の生活までカバーできるといえるでしょう。

また受けとり人を指定することで財産をのこしたい相手に引き継ぐことができる点や、相続税の「非課税枠」によって【法定相続人の人数 × 500万円】までは非課税で財産を引き継ぐことができる点もメリットと言えます。
(参照:国税庁ホームページ「No.4114 相続税の課税対象になる死亡保険金」)

生命保険のデメリット

葬儀保険や互助会と比べると、生命保険の月々の保険料(掛金)は割高になり、加入条件も厳しくなっています。

また貯蓄性のある生命保険商品の場合、生活資金や介護費用などが必要となったときに解約することで解約返戻金が受けとれますが、こうした場合は、死亡保険金は受けとれません。加えて短期間で解約をすると、解約返戻金が支払った保険料を下まわる場合あります。

保険金の支払日にも注意が必要です。多くの生命保険会社は保険金請求書類の到着から5営業日以内に保険金を支払うとしていますので、請求書類の作成・発送に時間がかかってしまうと、その分、保険金の受けとりも遅くなってしまいます。

入るときのポイント

死亡保険金の金額では、葬儀保険や互助会よりも手厚い保障を受けられる分、月々の掛金も大きな金額となってきます。生活資金や介護費用、その他の費用がどれくらいかかるかを考えた上で、葬儀費用を工面する方法として生命保険に加入するか否かを検討するのがよいでしょう。

また「保険金は葬儀費用のつもりだったのに、受けとり人が別の用途に使ってしまった……」とならないように、使い道として葬儀費用の負担軽減を考えていることをご家族に伝えておくのも大切です。

まとめ

葬儀費用の平均は約200万円であり、最低限の弔いをする直葬にしたとしても10万円以上はかかるといわれます。こうした葬儀に備えるための保険や互助会を比較すると、それぞれで一長一短であることがご理解いただけるのではないでしょうか。自分や家族が亡くなったとき、どういった葬儀にしたいのかを考えた上で、保険、互助会への加入を検討する必要があるといえます。

また、家族との情報共有も不可欠です。とくに互助会の場合、故人が入会していたことを知らずにサービスを受けられなかったというケースもあります。縁起の悪い話だからと死後や葬儀の話を遠ざけず、話し合ってみることが大切といえるでしょう。そのためにも、終活アプリ『楽クラライフノート』をぜひ活用してくださいね。


(執筆編集:NTTファイナンス ライフノート編集部 情報は2021年2月8日時点のものです。)

この記事を監修した人
武藤 頼胡

1971年生まれ。一般社団法人終活カウンセラー協会 代表理事。終活カウンセラーの生みの親、「終活」という考えを普及するべく全国の公民館や包括センター(行政)での講演を年間200回以上行い、日本の高齢者を元気にする活動に励む。テレビ、新聞、雑誌などメディアへの掲載多数。

https://rintealign.com/index.html

アプリをダウンロードして
終活で直面する様々なお悩みを解消しましょう
楽クラライフノート