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お墓の種類とメリット・デメリットをご紹介|自分にあったお墓を選ぼう

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この記事の内容

この記事を監修した人
㈱はせがわ 赤坂浄苑 赤坂営業所 所長 大石光一

お仏壇のはせがわ銀座本店長をはじめ、都内の主要店舗の責任者としてお仏壇やお墓の販売に従事、その経験を活かし現在は赤坂営業所の所長として屋内墓苑の販売を行っている。近年、墓じまいに伴うお墓のお引越し(改葬)に関するご相談が急増しており、オンラインセミナーや百貨店サロン等での外部セミナーを積極的に開催し、多くの方のお悩み解決に努めています。

https://www.dentouin.or.jp/akasaka/

この記事をおすすめする人

生前のうちにお墓の種類を決めたいと考えている方


この記事のポイント

  • お墓は場所や種類を検討し、現地見学をした上で決めるとよい
  • 埋葬方法によるお墓には、家墓、両家墓、個人墓、夫婦墓、共同墓がある
  • お墓の場所は寺院墓地、民間霊園、公営霊園、共同墓地がある


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亡くなった人を埋葬し、お盆やお彼岸の時期にはお参りをする、お墓。ひと口にお墓といってもさまざまな種類があり、それぞれにメリット・デメリットが存在します。

こちらの記事では、お墓や墓地の種類とそれぞれのメリット・デメリットをご紹介します。また、多種多様な供養の方法についてもご紹介しますので、ぜひ参考にしてくださいね。

「埋葬される人」によるお墓の種類の区別

どのような形で人を埋葬するかで、次のような区別ができます。メリット・デメリットもあわせて紹介しますので、ぜひ自分にあったお墓の種類を検討してみてください。

先祖代々続く家墓、累代墓

一つの家で親から子へ、子から孫へと受け継がれていくお墓のことを「家墓(いえはか)」「累代墓(るいだいぼ)」といいます。家墓を建てる場合の費用相場はおおむね100万円からとなっており、墓石の質や霊園の立地といった諸条件によって費用が大きく変わります。

家墓、累代墓のメリット

代々継承されているお墓のため、そのお墓を引き継ぐ人が新たにお墓の場所を選んだり、墓石を買ったりする必要はありません。

家墓、累代墓のデメリット

子どもをはじめとした親族の継承者がいなければ、お墓を存続させることができなくなってしまう点が、デメリットといえるでしょう。継承していく過程でお墓のある場所から遠く離れた場所に引越しした場合、お墓参りしたり管理したりするために出向かわなければならないため、負担が大きくなってしまいます。

複数の姓の人が入る両家墓

家墓は一つの家にいる人が入るお墓でしたが、両家墓は姓の異なる二つの家の人々がいっしょに埋葬されるものです。ひとり娘が結婚して跡継ぎがいない場合、結婚した相手の家とともに両家墓を建てるケースなどがあります。両家墓のなかには、一つの区画のなかに2つの墓石を建てたり、一つの墓石に2つの家の姓を彫ったりします。両家墓を建てるための費用相場は、100万円から200万円ほどです。

両家墓のメリット

2つの家の人々が一つの場所のお墓に入るため、お墓を管理する人やお参りする人の負担が減ります。

両家墓のデメリット

墓地、霊園によっては両家墓が建てられない場合があります。また、2つの家がともにお墓を建てる際に、宗派やその家独自の風習の違いがトラブルになるケースも。両家墓は、2つの家がきちんと話しあって建てることが必要といえるでしょう。

個人墓

先祖代々が埋葬される家族墓に対し、ひとりだけが埋葬されるお墓が個人墓です。お墓の後継者がいない場合などに選択されることが多く、基本的には永代供養となる墓の一種となっています。個人墓は埋葬のタイプによっても相場が変わり、10万円程度でお墓を建てられる場合もあれば、後で解説する納骨堂では20万円以上かかることもあるなど、さまざまです。

個人墓のメリット

永代供養の個人墓の場合、埋葬が完了すると霊園もしくは寺院が管理してくれるため、お墓を継いでもらう人がいない、家族にお墓の管理で負担をかけたくない、といった方には大きなメリットがあります。

個人墓のデメリット

個人墓の大きなデメリットは、たとえ永代供養つきであっても、最終的にほかの人の遺骨と合祀されてしまうことが多い点です。まったくの他人の遺骨といっしょに埋葬されるのは抵抗があるという方は、最終的な供養方法をしっかり確認しておく必要があります。

夫婦2人だけで入る夫婦墓

家墓、累代墓ではなく夫婦だけが埋葬されるお墓です。家墓とおなじ区画に夫婦墓を建てる場合と、家墓とは関係のない区画に建てる場合があります。夫婦墓の費用相場は50万〜150万円程度です。

夫婦墓のメリット

夫婦墓はお墓掃除などの管理をする必要がない永代供養つきであることが多く、のこされた子どもへの負担が少ないことがメリットとして挙げられます。また、子どもがいなくても夫婦で墓を建てられる、夫婦の思いをお墓に反映できることもメリットといえるでしょう。

夫婦墓のデメリット

個人墓とおなじく、夫婦墓に入った遺骨は永代供養つきであっても三十三回忌、五十回忌といったタイミングで合祀されることが多くなっています。また、家墓と離れた場所に建てた場合、子どもは先祖代々の墓と親の夫婦墓の両方をお参りしなければならないといった負担もあります。

2タイプある共同墓

共同墓はおなじ信仰をもつ友人どうしなどで建てられるお墓です。最近では、独居老人同士やおなじ老人ホームに入る人どうしで共同墓をもつ「墓友(はかとも)」といった言葉も。共同墓は比較的安価であり、数万円から高くても100万円前後で建てられます。

全く知らない人と一緒に入る共同墓

墓友と呼ばれる人間関係が構築されることから、生前に仲間づくりができま冒頭で墓友について記しましたが、なかには全く知らない人と一緒に入るタイプの共同墓・共同墓地も存在します。一つのお墓のなかに個々人の骨壷を納骨するものや骨も一緒にしてしまうものなど、さまざまな埋葬の仕方がされています。

友人同士で一緒に入る共同墓

いわゆる墓友同士で入る墓がこのタイプです。また、友人でなくても地域住民が一緒に入る共同墓地も日本には古来より存在します。

「埋葬する場所」によるお墓の種類の区別

お墓の場所は、大きく次の4つに分けられます。

寺院墓地

お寺の境内に設けられている墓地のことです。基本的にはそのお寺の宗派の信仰をもっていることが求められます。

寺院墓地のメリット

すぐそばにあるお寺が世話をしてくれます。忙しかったり遠方に住んでいたりしてお墓参りがあまりできなくても、僧侶の方が手厚く供養してくれます。また、お墓以外の仏事に関しても、そのお寺に相談することができますね。

寺院墓地のデメリット

そのお寺の宗派の信仰や檀家になることを求められる場合が一般的です。お墓のお世話のほかに、法事や仏事に関しての相談や世話を頼むことができる代わりに、寺院修復のための寄附やお布施をする必要があることも。経済的負担がかかってくることがデメリットです。

民間霊園

宗教法人や石材店などが出資した管理会社によって運営されている霊園です。寺院墓地と異なり宗派、あるいは国籍を問いません。

民間霊園のメリット

トイレや休憩所、売店など、民間霊園は施設が充実しているところが多いです。バリアフリー対応の民間霊園もあり、足腰に不安のあるお年寄りも比較的快適にお参りすることができるでしょう。

民間霊園のデメリット

民間霊園には宗教者が常駐していない場合も少なくなく、仏事に関する相談がしづらいことも。また、墓石は指定された石材店に注文しなければならない場合もあります。

公営霊園

都道府県、市町村などの自治体が運営・管理している霊園です。

公営霊園のメリット

公営霊園は宗教・宗派不問であり、寺院墓地のように檀家になるのを求められることもありません。また、管理費や永代使用料も比較的安く済むケースが見られます。

公営霊園のデメリット

都市部の公営霊園では、立地のよさなどから希望者も多く、そのため倍率の高い抽選に当選しなければ利用できない場合があります。また、運営する自治体に住んでいないとお墓を建てられない、お骨をもっていないと建てられない、などの応募条件が設けられることも少なくありません。

共同墓地

集落をはじめとした、地域のコミュニティによって管理、運営されている墓地のこと。それぞれの地域で自然発生的に生まれたとされていて、地域住民の生活に根差したものになっています。

共同墓地のメリット

共同墓地の運営は利益を得ることを目的としたものではなく、地域住民による相互扶助のような意味合いをもつもの。そのため、管理団体によって費用はさまざまですが、公営や民間の墓地と比べて費用が安い場合が多くなっています。

また地域に根差したものであることから、お墓参りに行きやすいのも嬉しいポイントです。

共同墓地のデメリット

共同墓地を選びたいと思っても、家のそばに共同墓地がない場合や、空きのスペースがない場合は、墓地が取得できません。また区画分けなどが明確に定められていないこともあるなど、管理が曖昧に感じられる可能性があることはおさえておきましょう。

墓石以外の供養方法

いわゆる「お墓」という形態をとらない供養のスタイルも登場しています。代表的な墓石以外の供養方法を紹介しますので、こちらも検討してみてはいかがでしょうか。

納骨堂

都市部を中心に、お墓ではなく納骨スペースにお骨を収蔵する「納骨堂」。墓石を建てるより安価で、またアクセスのよい納骨堂が多いのが特徴です。ひとり用、夫婦用、家族用が用意されています。また納骨堂の種類も、ロッカー式や機械搬送式、棚式などさまざまな種類がありますので、希望の形がある方は事前に調べてから納骨堂へ見学してみましょう。

納骨堂のメリット

一般的に納骨堂は建物内に設けられるので、天候を気にせずお参り、納骨ができます。さらに、お墓を建てるよりも費用が安く済みます。

納骨堂のデメリット

個人墓や夫婦墓と同様に、永代供養されるとはいっても一定の期間を過ぎると合祀する納骨堂は多く存在します。また、納骨堂を設ける建物の耐用年数が訪れたときの対応も確認しておきましょう。

散骨や手元供養、樹木葬など新しいスタイル

散骨は、海や山林、あるいは宇宙などに遺骨をまくことです。最近では散骨の知名度が上がったこともあり選択する人も多くなっていますが、お参りする場所がなくなるため、家族の理解が不可欠といえるでしょう。

遺骨を埋葬せず自宅で管理する、手元供養というスタイルもあります。こちらは、亡くなった人と離れるのが寂しいといった遺族の気持ちに寄り添った供養法といえるでしょう。

樹木葬は木を墓標とし、その下にお骨を埋葬します。一般のお墓と同様に骨壷に入れるタイプの樹木葬と、地面に埋めることで遺骨を自然に還すタイプの二つがあります。


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お墓の選び方

亡くなったときに備えて、いまのうちにお墓を建てようと考えている人も少なくないかもしれません。お墓選びの際、次の3つのポイントを整理、検討しておくと、より自分にあったお墓の形を見つけられることでしょう。

1. お墓の大まかな場所を相談する

これから新たにお墓を建てる場合、「自宅の近く」「実家の近く」「お参りに行きやすい場所」が主な候補地として浮かぶのではないでしょうか。これらのなかでどこがよいか、家族の方と相談することがお墓選びの第一歩といえます。

また、海や山などといった思い入れのある場所の近くにお墓を建てる方もいますので、自分の好きな場所を候補の一つに挙げてもよいでしょう。

2. 条件にあうお墓の種類を検討する

お墓には家墓や個人墓、寺院墓地や公営霊園など、さまざまな種類が存在します。自分がどんなお墓に入りたいのかをまずは明確にして、希望の条件をある程度絞ってから、お墓の種類を選んでいきましょう。

3. 見学して現地を確認する

いざ良さそうな霊園を見つけたとしても、そこが本当にアクセスしやすい場所なのか、お供えする花・線香などを販売する施設やトイレがある霊園なのかなど、実際に行ってみないとわからないポイントはあります。

しかし寺院墓地や民間霊園の場合は私有地のため、勝手に敷地内へ立ち入ることを好まない運営者もいます。お墓を建てる場所の候補が決まったら、事前に予約して見学するのが望ましいでしょう。

まとめ

多種多様なお墓、あるいは、埋葬のスタイルがありますが、そのいずれも故人とのつながりが反映される場であることから、家族とよく話しあって結論を出すのが必要といえるでしょう。また生前に、お墓に関する情報収集を始めて自分が亡くなったあとを考えておけば、あとにのこされた家族の助けにもなります。


(執筆編集:NTTファイナンス 楽クラライフノート お金と終活の情報サイト編集部)

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