基礎知識

老後資金は何に、いくらかかる?目安や内訳、準備すべきことをご紹介

この記事の内容

少子高齢化が進み、老後生活に不安を感じている方も多いと思います。安心して老後生活をおくるためには、必要になるお金と見込まれる収入を把握して、早いうちから準備をしておくことが大切です。

こちらの記事では、老後資金の目安や内訳、老後に見込まれる収入などをくわしく解説します。どのように家計や資産の管理をおこなっていくべきか、ぜひ参考に考えてみてください。

老後資金とは

老後資金とは、食費や家賃、医療費、住居費などに加えて、旅行や趣味のためのお金など、老後に使用するすべての費用のことを指します。

「老後」とは何歳以降のことか、という明確な定義はありませんが、経済的には「収入が減り、預貯金や年金などを使いはじめる時期」を指すことが多いです。生命保険文化センターの「生活保障に関する調査」(2019年度)によると、老後資金を使いはじめる平均年齢は65.9歳となっています。

厚生労働省の「令和元年簡易生命表」(2019年)によると、65歳時の平均余命は、男性で19.83年、女性で24.63年。つまり、「老後」と呼ばれる期間は男性だと20年、女性は25年程度ということに。これだけ長期間にわたって安定した生活をおくるためには、定年退職後に支給される年金だけでは心許ないのが実情です。

定年後安心して過ごすために、かかる費用や資産を増やす方法など、お金に関するいろいろなことを知っておきましょう。

老後資金の内訳

(引用元:総務省「家計調査報告(家計収支編)」2019年)

こちらは、高齢者夫婦無職世帯(夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみの無職世帯)の収入と支出を表したグラフです。総務省の「家計調査報告(家計収支編)」(2019年)によると、一般的な高齢者夫婦無職世帯の場合、毎月33,269円の赤字になると推計されています。

続いて、具体的にどのようなお金がかかるのか、老後資金の内訳を見てみましょう。

生活費

食費や家賃、水道光熱費など、生活のために使うお金は「消費支出」と呼ばれ、一般的な高齢者夫婦では239,947円になります。
(参照:総務省 「家計調査報告(家計収支編)」2019年)

また子どもの結婚や出産、家の購入や孫の教育費など、大切な家族のためにお金を使う機会もあります。生活費はギリギリに切り詰めるのではなく、余裕をもった資金計画が必要だと言えるでしょう。

入院・手術費用

病気やケガの治療などにかかるお金です。一般もしくは低所得者の場合、医療費の自己負担は70歳未満で3割、70歳以上74歳までは2割、75歳以上は1割です。

生命保険文化センターの「生活保障に関する調査」(2019年度)では、入院した場合の1日あたりの自己負担費用は平均で約2.3万円。また厚生労働省の「患者調査」(2017年)によると、65歳以上の平均入院日数は37日、75歳以上では43日です。単純に計算すると、おおよそ85万円から99万円の費用がかかることになります。

また、高齢になると病気で長期間入院する可能性も高くなるもの。たとえば、75歳以上に多い病気である脳血管疾患の平均入院数は98日、費用にすると約225万円。アルツハイマー型認知症の場合は257日、約591万円かかる計算になります。

ただし病気によって医療費は異なるほか、高齢者の場合は自己負担額が低くなり、さらに高額療養費制度もあるため、実際はここまで大きな出費にならないこともあります。

介護費用

内閣府がまとめた「令和元年版高齢社会白書」(2019年)によると、65歳から74歳で、心身のケアが必要である「要支援」と認定を受けた人は1.4%、常時介護が必要な「要介護」と認定された人が2.9%でした。対して75歳以上では要支援の認定を受けた人は9.0%、要介護は23.5%となっています。
つまり75歳以上では、およそ3人に1人が要支援や要介護の認定を受けていることになります。

介護費用は、介護が必要になった年齢や所得、サービスの種類、そして介護度によっても大きく変化します。
高額療養費制度とおなじく、高額介護サービス費として一部の払い戻しを受けられる制度があるものの、高額介護サービス費制度を利用しても、所得の金額によって毎月15,000円から44,400円の自己負担が必要となります。
(参照:厚生労働省 「平成29年版厚生労働白書」p.109, 2017年)

老後資金を支える基盤

老後資金を支える収入には、どのようなものがあるのでしょうか。この項目では、年金制度など老後資金に充てられるお金についてご説明します。

1.  公的年金

公的年金とは、国が運営する年金です。現在は「国民年金」と「厚生年金」の2種類があり、日本では20歳以上60歳未満のすべての人に国民年金への加入が義務付けられています。

「国民年金」はすべての国民を対象としたもの。一方、「厚生年金」は会社員や公務員など、組織に雇用される人が国民年金とあわせて加入するものです。

厚生労働省によれば、平成30年度時点の国民年金の平均月額は、55,708円。厚生年金の平均月額は、143,761円です。厚生年金は就労期間の関係で男女間に差があり、男性の平均年金月額が163,840円なのに対して、女性は102,558円となっています。
(参照:厚生労働省 「平成30年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」2019年)

2.  退職金・企業年金

企業を退職した後に会社からお金が支給される退職給付制度には、大きく分けて「退職一時金制度」と「企業年金制度」の2つがあります。

多くの企業で導入されている退職金制度が「退職一時金制度」。退職したタイミングで支給されます。企業によってさまざまですが、一般的に雇用期間や役職などの要素によって金額が決まります。退職金の額を知るために、社内規定を確認しておきましょう。退職金の支給条件や計算方法が掲載されているはずです。

また一部の会社では、会社の負担で公的年金に上乗せして年金を支給する「企業年金制度」を設けているところもあります。企業年金に加入されているかどうか、また加入されている場合の制度内容などについては、勤め先の人事・総務部門などに確認しておくのがよいでしょう。

3.  私的年金

私的年金とは、公的年金の上乗せの給付を保障する制度です。企業年金の個人版のようなもので、国民年金基金や民間の保険会社などが販売しています。大きな分類は「保険型」と「貯蓄型」の2種類ですが、それぞれ細かく2タイプに分けられます。

保険型の個人年金

  • 運用しながら元本と利息を受けとる「元本取崩型」
  • 元本に手を付けず利息や配当を年金として受けとる「元本温存型」

貯蓄型の個人年金

  • 一定期間ごとに受けとる「確定年金」
  • 亡くなるまで受けとることができる「終身年金」


受給額はそれぞれで異なるため、契約の際の資料などを確認しましょう。

4.  老後資金に充てられるそのほかのお金

年金や退職金以外に老後の資産にゆとりをもたせる方法として、資産運用があります。損をする可能性がある資産運用ですが、なかにはリスクが比較的低い運用商品もあります。

[資産運用の種類や注意点、運用方法について、くわしく知りたい方はこちら]

ゆとりあるシニアライフをおくるための準備

ゆとりある老後生活をおくるために大切なのは、以下の3点です。

1.  現状の資産を把握する

まずは現状を把握すること。どのくらいの資産をもっているのか、計算してみましょう。

[何が資産にあたるのか、くわしく知りたい方はこちら]

2.  将来の支出と収入を確認する

老後の支出と収入を確認しておきましょう。年金の受給額や退職金はどれくらいになるかなどをしっかりと調べることが大切です。また、介護にかかる費用や子どもの教育費、趣味や旅行を楽しむお金など、突発的にかかる費用の計算も忘れずに。

3.  生活を見直して、支出を減らし収入を増やす

いまの資産額を把握し老後資金も予測できたら、将来に備えて準備を始めましょう。できるだけ早く生活を見直すことで、老後の生活の楽しみが広がります。

収入と支出のバランスが変わる時期に備える

「老後破産」の大きな要因となるのが、退職直後の収入の変化です。退職すると収入が一気に減り、支出とのバランスが崩れやすくなります。慌ててなんとかしようと思っても、すぐに生活費を減らしたり、収入を増やしたりするのは難しいですよね。40代、50代のうちから将来を見こして、生活費の見直しや資産運用などの準備をしておきましょう。

準備はシミュレーションを活用して計画的に

資産状況の把握や将来の資金の予測は、自分だけの力でおこなうのは大変なもの。どうしても資産項目の抜け漏れがあったり、費用の概算が甘くなってしまったりします。また、シミュレーションは退職や子どもの結婚、介護などライフイベントにあわせて何度かおこなう必要があります。

そこでおすすめなのが、終活アプリ『楽クラライフノート』のシミュレーション機能です。指定された項目を入力するだけで、現在と将来の資産状況が明らかになります。また、一度入力した項目も簡単に変更できるので、生活の変化にあわせて何度でもシミュレーションができます。

まとめ

老後資金は公的年金だけではまかなえないと言われており、不安を抱える人がたくさんいるはずです。定年後の老後生活に備えるために、必要なお金と予想される収入を把握し、早いうちから計画的に資金を準備していきましょう。

まずは終活アプリ『楽クラライフノート』のシミュレーション機能などを活用しながら、現在や将来の生活を考えてみてはいかがでしょうか?


(執筆編集:NTTファイナンス ライフノート編集部 情報は2020年10月27日時点のものです。)

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