コラム

年金生活でも賃貸に暮らせる?気を付けることやリスクを徹底解説

この記事の内容

会社員であれば定年退職、自営業やフリーランスの人であれば仕事を引退し、65歳になると年金生活が始まります。仕事の煩わしさ、忙しさから解放される反面、日々の生活費に医療費や介護費用など、お金の不安をもつ方も少なくないのではないでしょうか。

とりわけ、持ち家がなく賃貸住宅で暮らしている方は、このままでいいのか、家賃が払えなくなるリスクが出てくるのではないかと感じているかもしれません。この記事では、老後も賃貸で暮らすメリットやデメリットを解説しますので、ぜひ参考にしてくださいね。

シニアの住居費平均と賃貸に住むシニアの割合

シニアの人々は家賃や修繕費など住居に関する費用に、いくらのお金をかけているのでしょうか。総務省統計局の「家計調査」(2019年)によると、高齢夫婦無職世帯が住居にかける1か月の支出金額は平均1万3625円という結果が出ています。地方都市のワンルームマンションでも家賃が数万円程度必要とされることを考えれば、この数字から持ち家のあるシニアが多いと推測できますね。

では、実際に賃貸暮らしをしているシニアはどれほどいるのでしょうか?内閣府の「高齢者の住宅と生活環境に関する調査結果」(2018年)では、シニア(60歳以上)の住まいの住居形態に、賃貸住宅と答えた人の割合は11.3%でした。なお、賃貸に暮らすシニアを都市の規模別に見ると、大都市では19.9%、中都市で10.8%、小都市で6.5%、町村では7.3%となっています。都会であるほど、賃貸に暮らすシニアが多くなる傾向があるということです。

賃貸に住むメリット

賃貸に住むシニアが少数派であるのはわかりましたが、では賃貸暮らしをするメリットには何があるのでしょうか?

住宅ローンを払う必要がない

一戸建てやマンションを購入する際、住宅ローンを組むケースが多いと思います。しかし、賃貸住宅であればローンを組むわけではないため、資金的な負担を感じずに済みます。

住み替えがしやすい

持ち家に暮らしている場合、もっとコンパクトな家に住みたい、駅の近くに住みたい、などといった希望が出てきても、住み替えをするのは容易ではありません。住み替える家のための資金を得るだけでなく、現在の家を売却し、次の持ち主に引き渡すまでさまざまな手続きをしなければならないのです。しかし、賃貸に暮らしている場合は、こうしたハードルは存在せず、比較的容易に住み替えができます。

修繕費や固定資産税がかからない

持ち家では、家を修繕する必要が出てきた場合、持ち主が負担します。しかし賃貸住宅では、大家(貸主)が負担するため、こうした家賃以外の費用がかからないのは大きなメリットといえるでしょう(ただし、借主の故意や過失により修繕の必要が出た場合、大家は修繕の義務を負いません)。また、固定資産税も不動産の持ち主にかかるものであるため、賃貸住宅では大家が支払います。税負担を抑えられることも、賃貸のメリットなのです。

賃貸に住むデメリット

費用や住み替えの点でメリットのある賃貸住宅ですが、デメリットには何があるでしょうか?

実は、シニアが賃貸に住めない可能性が出てくるというリスクがありますので、こちらもぜひご覧ください。

シニアに不向きな賃貸住宅も多い

多くの賃貸住宅は現役世代が住むことを想定して建てられています。そのため、家のなかにで段差がある、廊下や階段に手すりがついていないなど、シニアが住むには不向きな住宅が少なくありません。

シニアを敬遠する大家は少なくない

年金生活となれば、必然的に現役世代よりも収入が低下します。そのため大家は、家賃を毎月支払ってもらえるかと不安になり、シニアを敬遠することも少なくありません。また、入居者が認知症となることで周囲に迷惑をかけてしまったり、孤独死することで賃貸物件が事故物件と化してしまったりするなどの理由を挙げ、シニアに貸したがらない大家もいます。現役時代から住み続けている賃貸住宅でも、年金生活となると契約更新を断られる可能性も否めません。

退去を求められる場合もある

「シニアを敬遠する大家は少なくない」で述べたように、認知症や孤独死、あるいは高齢そのものを理由にシニアの入居を好まない大家は存在します。それだけでなく、大家側の理由(賃貸住宅を建て替える、大家自身や親族がその賃貸に住む、など)によって、契約更新を断られるケースもあります。この場合、退去し、新たな家を見つけなければなりません。

持ち家の場合と異なり、家賃は支払い続けなければならない

持ち家であると、現金一括で購入、あるいはローンを完済することで、それ以上は購入費用を支払う必要はなくなります。しかし賃貸では、住んでいる限り、家賃を支払い続けなければなりません。

家賃だけでなく、更新料もかかる

賃貸住宅では、多くの場合は家賃だけでなく更新料もかかります。一般的に契約は2年で、更新料は家賃の1〜3か月分です。2年に1度、数万〜数十万円の出費があるというのは、看過できるものではないと感じる方も少なくないと思います。

老後の賃貸暮らしに備えるために

2019年に「老後には年金以外に2000万円が必要となる」という報告書を金融庁がまとめ大きな話題となりましたが、この2000万円が必要となるモデルケースでは、1か月の住居費を1万3656円として計算されています。つまり、持ち家の人を想定したものであり、年金生活となっても賃貸に住み続けるならば2000万円プラスアルファの金額が必要となるということです。

もし年金を受給しながら賃貸に住み続けるのであれば、まずはご自身の資産をすべて把握するとともに、綿密な資金計画を練ることが求められます。老後生活の期間を想定し、家賃を何年間、いくらで支払い続けるのかをシミュレーションしてみましょう。

そのうえで、支払い続けるのに無理のない家賃の物件を探してみてはいかがでしょうか。最近では、サービス付き高齢者向け住宅をはじめとしたシニア向けの賃貸物件も存在します。賃貸に住み続けるならば、シニア向け物件に移住することも検討するとよいでしょう。

また、身体が動かせるうちはもう一度、働いてみるというのも選択肢の一つです。毎月家賃を支払い続ける賃貸生活では、年金以外の収入源を確保することで、ある程度の余裕を生み出すことができます。

賃貸暮らしに不安になったらプロに相談しよう

年金生活に入ってから賃貸で暮らすことは、お金の面での不安や、そもそもシニアは契約できない可能性も出てくるなど、さまざまなリスクがあります。たとえ賃貸に住み続けるという選択をとるとしても、これらのリスクを踏まえた準備をし、それでも不安が消えないならばプロに相談しましょう。

相談先には、不動産の仲介やコンサルティングを扱った信託銀行がありますが、その信託銀行グループに属する三井住友トラスト不動産であれば、終活のさまざまな悩みや不安を相談できます。終の棲家に関することから相続についてまで、まずは気軽な気持ちで店舗を訪ねてみてはいかがでしょうか。


(執筆編集:NTTファイナンス ライフノート編集部 情報は2021年4月6日時点のものです。)

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