コラム

年金生活は苦しい?「老後資金2,000万円問題」から考えること

この記事の内容

日本人の平均寿命は高く推移しており、いまや「人生100年」とも言われる時代になりました。しかし、厚生労働省の「平成30年就労条件総合調査」(2018年)や「将来の公的年金の財政見通し(財政検証)」(2019年)によると、退職金が減少傾向にあったり、年金の支給額も今後の減少が見込まれていたりと、不安に感じることも。安心して老後を過ごすためにも、前もって老後資金について考えて具体的な対策をおこなっていきましょう。

こちらの記事では、年金生活の実態をご紹介するとともに、老後の生活資金を確保するための対策についてくわしく解説します。

年金生活の実態

総務省統計局が調査した「家計調査報告(家計収支編)」(2019年)の結果によると、夫65歳以上・妻60歳以上の「高齢夫婦無職世帯」では、月平均の支出額が239,947円。これに対して、年金などの平均所得は206,678円となっており、33,269円が不足している計算に。

また60歳以上の「高齢単身無職世帯」の場合は、平均支出が139,739円。対して平均所得は112,649円となっており、こちらも27,090円が不足している計算となります。

60代後半、70代と年齢が上がるつれて平均支出は少なくなっていく傾向にあるものの、年金だけで余裕のある暮らしを実現することは難しいのが現状です。

「老後資金2,000万円問題」とは?

2019年6月、金融庁が公表した報告書には「定年退職後の30年間、老後の生活資金を年金のみに頼って暮らしていく場合、2,000万円の金融資産の取り崩しが必要となる」という旨の記載がありました。

このような問題に対しては、以前からさまざまな専門家からも意見が出されていたのですが、国がまとめた報告書に記載されたことで大きな話題になりました。

ちなみに2,000万円という金額は「定年退職後の20年から30年間」を想定したものであるため、予測されているように100歳まで平均寿命が伸びれば、さらに金額が膨れ上がる可能性もあります。

年金はいくらもらえる?

老後資金にまつわる不安が高まるなか、多くの方が気になっているのは「自分はいくら年金がもらえるのか?」ということではないでしょうか。

年金は「国民年金」と「厚生年金」に分類され、一般的に会社勤めをしている方は両方の年金制度に加入しています。

[年金の種別について、くわしく知りたい方はこちら]

厚生労働省が調査した「平成30年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」(2018年)によると、2018年度末時点での厚生年金受給額の平均は145,865円、国民年金受給額の平均は55,809円。あわせて201,674円になる計算です。

また自営業者の場合、会社員とは異なり厚生年金を受けとることはできないため、老後の収入に大きな差が生まれると言われています。1ヶ月あたり55,809円という平均受給額を見ても、年金だけに頼って生きていくことは難しく、老後への備えが大切であるとわかります。

年金生活の家計を上手にやりくりする方法

年金生活に備えてできるだけ生活費を節約し、余裕のあるシニアライフを実現したいもの。急に生活スタイルを変えることは難しいので、無理なく上手に家計をやり繰りしていくのが理想的です。ここからは、節約につながるヒントや事例をご紹介します。

通信費の見直し

厚生労働省が発表した「家計調査報告(家計収支編)」(2019年)によると、前年と比較して増加している支出には「交通・通信」「教養娯楽」「保健医療」などがあります。

とくに注目すべきなのが「交通・通信」です。近年はシルバー世代でもスマートフォンユーザーが増加しており、それにともなって通信費も増加傾向になっています。
インターネットの利用頻度が少ないにもかかわらず大容量のプランを契約していたり、不要なオプションサービスに加入していたり、というケースもあるため、ショップやサポートセンターで契約内容を見直してみましょう。

食費・交際費の見直し

生活費の多くを占める、食費や交際費の見直しも大切です。しかしこれらの支出は生活スタイルに深く関わるものであり、なかなか節約がしにくいもの。

そこでおすすめなのが「ふるさと納税」の活用です。ふるさと納税とは、故郷や応援したい自治体に寄附ができ、寄附した金額が住民税や所得税などの控除対象になる制度のこと。魅力的な返礼品がもらえるお得感から、多くの方に利用されています。

ふるさと納税の返礼品を活用すれば、日ごろの食費を浮かせたり、友人や親戚への贈りものにして交際費を節約したりできます。

[家計の見直しについて、くわしく知りたい方はこちら]

資産の管理運用

節約だけでは家計のやりくりが難しい場合も。そのようなときは、貯蓄や退職金の一部を資産運用にまわしてみるのもおすすめです。株式や不動産などの資産をうまく運用することができれば、年金だけではカバーできない生活費の不足分を補うことができます。

ただし、資産運用にはリスクがつきもの。万が一のことを考えて、複数の資産に分散的に投資するなどの対策も不可欠です。

[資産運用の種類や概要について、くわしく知りたい方はこちら]

[資産管理のやり方について、くわしく知りたい方はこちら]

シルバー割などを使った楽しみも

シルバー世代は日本の総人口のなかでも高い割合を占めており、その市場規模の大きさから、さまざまな企業がシニア向けの割引サービスを展開しています。

たとえば鉄道や飛行機での旅行や、スーパーや薬局、おもちゃ屋さんなどでのお買いもの、さらには映画やカラオケ、野球観戦などの趣味まで。年齢や会員登録の有無などの条件を満たすことで、さまざまな割引を受けられるようになっています。また携帯電話料金などの固定費用においても、シニア向けの割引が充実しています。

生活を楽しむためにも、また食費や娯楽費などを節約するためにも、シルバー割をうまく活用しましょう。

たったいまから備えはじめよう

「老後資金2,000万円問題」に危機感を覚えた方も多いと思いますが、悲観的になるのではなく、すこしずつ老後に備えていくことが重要です。支出の節約をおこなうのはもちろん、シニアライフの計画を立てたり、資産の管理・運用を検討することもひとつの対策といえるでしょう。

そのための第一歩として、まずはいまどのくらいの資産があるのかを把握し、老後資金が不足しないかシミュレーションをすることが大切です。

終活アプリ『楽クラライフノート』では、自身の資産状況を把握できる「資産管理機能」や、将来に必要な資産がわかる「シミュレーション機能」もご提供しています。元気で豊かな生活をずっと続けていくためにも、いまから将来の生活に向けて備えを始めてみませんか?


(執筆編集:NTTファイナンス ライフノート編集部 情報は2020年12月1日時点のものです。

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