コラム

死亡保険の保険金はいくら必要?統計や亡くなったときに必要なお金から考える

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この記事を監修した人
新井智美/トータルマネーコンサルタント

公式サイト:https://marron-financial.com/

 

(保有資格)

・ファイナンシャルプランナー(CFP®)

・1級ファイナンシャル・プランニング技能士

・DC(確定拠出年金)プランナー

・住宅ローンアドバイザー

・証券外務員

 

マネーコンサルタントとしての個人向け相談や、資産運用などにまつわるセミナー講師のほか、大手金融メディアへの執筆および監修に携わっている。現在年間300本以上の執筆・監修をこなしており、これまでの執筆・監修実績 は2,000本を超える。

この記事をおすすめする人

死亡保険の契約前で、契約内容を迷っている方


この記事のポイント

  • 世帯主の死亡保険金は「500~1000万円未満」が最多である
  • 配属者の死亡保険金の場合は「200〜500万円未満」の割合がもっとも高い
  • 置かれている立場や経済的な環境を見直すことから始めよう


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自分自身の死亡リスクに備える死亡保険(生命保険)は、死亡時に保険会社から支払われる保険金額を自分で決定し契約を結びます。

しかし、自分で保険金額を決めるとなると、いくらにすればいいのか迷ってしまうかもしれません。あまりにも高額な死亡保険金だと、その分毎月支払う保険料も高額となり、家計に大きな負担を強いてしまうでしょう。

本記事では、さまざまな角度から死亡保険金の額をいくらにすればよいのか、必要保障額の考え方も含めてくわしく紹介します。

統計から見る死亡保険金

死亡保険の加入者が亡くなったときに、保険会社から支払われるお金を死亡保険金とよびます。死亡保険に高額な保険金額を設定することは、万が一のときでも手厚い保障を受けられるメリットがある一方で、毎月支払う保険料も高額となります。

すなわち、万が一のリスクに備えてどの程度の保険金額を設定するかは、毎月の支出となる保険料とのバランスを考慮しなければなりません。

では、実際に死亡保険へ加入している方は、どの程度の死亡保険金額を設定し契約しているのでしょうか。生命保険文化センターが2021年12月に調査した「生命保険に関する全国実態調査」の統計結果から見ていきましょう。

前提として、世帯主が死亡した場合に備える死亡保険と、配偶者が死亡した場合に備える死亡保険とでは保険金の額も大きく変わってきます。まず、世帯主の死亡保険金額としては、もっとも多いのが「500〜1000万円未満」で16.7%。次いで「1000〜1500万円未満」が15.8%、「200〜500万円未満」が15.3%となっています。「200万円未満」の8.7%をあわせると、全体の50%以上が1500万円未満の死亡保険金額で契約していることがわかります。

また、世帯主の年齢別に見てみると、働き盛りである35〜49歳が約2000万円の死亡保険金額を設定しており、50代、60代になるにつれて保険金の額も急激に下落している傾向が見られました。

では、世帯主の配偶者に対する死亡保険金額はどのような傾向が見られるのでしょうか。配偶者の死亡保険金としてもっとも多いのは、「200〜500万円未満」の23.0%。次いで「500〜1000万円未満」の18.7%、「200万円未満」の13.3%となっています。世帯主が亡くなった場合は収入の大幅な減少に備えるため高額な死亡保険へ加入する必要がありますが、配偶者の場合は収入減に対するリスクが低いため死亡保険金の額も少なくしてもよいと考える人が多い傾向にあるようです。

亡くなったときにかかるお金から死亡保険金を考える

死亡保険金に関する統計データをもとに、平均的な額や全体の傾向を把握することはできました。しかし、上記のデータを細かく見てみると、死亡保険金の額は全体的に分散している傾向も見られ、加入者の考え方や経済状況、家族構成、ライフスタイルなど、さまざまな要因によって必要な額は変わってくるでしょう。

では、自分自身にとってどの程度の死亡保険金額が理想的なのかについて、何を基準に考えればよいのでしょうか。万が一自分が死亡したときにどの程度のお金が必要なのか、押さえておきたい重要なポイントを4点紹介します。

葬儀費用や身辺の整理にかかる費用

まずはお葬式にかかる費用や、遺品整理にともなう不用品処分にかかる費用です。

ひと口にお葬式といってもさまざまな形式があり、お葬式の規模によってもかかる費用は大きく変わってきます。たとえば、近親者や家族だけでおこなう場合には100万円程度、会社関係や友人、知人、親戚も招いての一般葬であれば、最低でも150万円以上の費用がかかるとされています。

また、自宅に大量の不用品があり、遺品整理のために専門の業者へ依頼しなければならない場合には、数十万円の費用がかかることも予想されます。

家族の生活費

死亡保険に加入後、たとえば40代・50代といった早いタイミングで亡くなってしまった場合、残された配偶者や子どもが経済的に不安定となり、生活に困窮する可能性もあるでしょう。そのため、当面の生活費を保険金で賄えるよう、手厚い保障を検討しておく必要があります。

総務省が公表した「家計調査」では、2人暮らしの平均食費は1か月あたり6万7153円、水道光熱費は1万9459円となっており、これに日用品や通信費なども含めると、1か月あたりおよそ10万円以上の生活費が必要ということになります。

教育費

子どもがいる場合、万が一自分が死亡したときに備えて教育費も考慮しておかなければなりません。

文部科学省が実施した「平成30年度子どもの学習費調査」によると、幼稚園から高校までをすべて国公立の学校へ通学させた場合、1人あたり平均521万円の教育費がかかるとされています。また、国公立の大学は4年間で平均477万円もの教育費がかかるともいわれており、総額は1000万円近くになります。

さらに私立の学校へ通学させるとなると、上記の学費の2〜3倍に達することもあります。

住居費

正確には生活費の一部にも含まれますが、住居費も大きな出費となります。賃貸住宅の場合は家賃、一戸建てや分譲マンションをローンで購入した場合、月々の住宅ローンの支払いもあるでしょう。原則的には、ローンを組む際に団体信用生命保険への加入が条件となるため亡くなったときにはその保険金でカバーできるものの、そうでない場合は住居費をどう賄うか考えておく必要があります。

また、すでに一戸建てや分譲マンションを所有している場合には、固定資産税や修繕費も支払っていかなくてはなりません。

現在の住居費も参考にしながら、年間でどの程度の費用がかかるのかを試算しておきましょう。

必要保障額の考え方

では、上記で挙げた4つのポイントをもとに、のこされた家族に必要な金額(死亡保険金)はどう計算すればよいのでしょうか。必要保障額は、基本的に以下の式に当てはめることで算出できます。

必要保障額 = のこされた家族に必要なお金 − のこされた家族の貯蓄額や収入

「のこされた家族に必要なお金」の主な内訳としては、上記で紹介した葬儀費用や生活費、教育費、住居費などが挙げられます。また、「のこされた家族の貯蓄額や収入」の内訳としては、現在の預金残高や株式、不動産などの資産総額、配偶者の収入などが挙げられるでしょう。これらに加えて、遺族年金や勤め先からの弔慰金も考慮に入れておくのがおすすめです。

ただし、前提として押さえておくべきなのは、シニア世代と現役世代とでは必要保障額も大きく変わってくるということです。

たとえば、すでに配偶者とも死別し、子どもも独立しているシニア世代の方は、自分自身の葬儀代や遺品整理代などがメインとなり、独立した子どものことはほとんど考える必要がない場合も多いことから、必要保障額も必然的に低くなると考えられます。

一方、子どもや配偶者の生活を守らなければならない現役世代の方は、生活費や教育費、住居費も別途考えなければならないため、必要保障額も高くなる傾向にあります。

自分自身の立場や環境を見直してみるのも大切

現役世代でなおかつ家族のある人は、自分が亡くなることで収入が絶たれたり家事全般が滞ってしまったりするため、ある程度の保険金額が必要とされるかもしれません。一方でシニア世代は、その人の考え方によっては葬儀代くらいがあれば十分と感じる人もいるでしょう。

このように、死亡保険で保険金額をいくらにするべきかについて個人の考え方や価値観によって大きく異なってきます。

まずは、自分自身の置かれている立場や経済的な環境を見直すことから始めてみましょう。客観的な視点で考えていくうちに、自分自身の死後にどの程度のお金が必要とされているのかが見えてくるでしょう。


(執筆編集:NTTファイナンス 楽クラライフノート お金と終活の情報サイト編集部)

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