コラム

株主優待とは?実際の企業の優待事例も紹介

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ライフパートナーズ代表 竹内弘樹

投資信託・株初心者アドバイザー。独学で株式投資を学びながら、Webサイト「やさしい株のはじめ方」、「楽しい株主優待&配当」などを立ち上げる。初心者でもわかりやすいとの声が多く、現在のアクセス数は延べ3,500万人を達成。ライフパートナーズを設立し、代表を務める。
主な著書に「はじめての株1年生~新・儲かるしくみ損する理由がわかる本~」、「儲かる株・成長する株を自分で見つけられるようになる本」などがある。

この記事をおすすめする人

株主優待を狙って、株を購入しようかと考えている方


この記事のポイント

  • 株主優待は100株以上の保有で受けられる場合が多い
  • 割引券や自社製品を受け取れる
  • 優待ばかりに注目せず、数値もチェックし続けよう


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NISAやiDeCoといった税制優遇制度が設けられたことにより、それまで株に興味がなかった人も投資に関心をもつようになりました。こうした株式投資、とくに個別銘柄への投資ではおもに2つの利益を狙っておこなわれます。1つはいわゆるキャピタルゲインで、株価が上がってから株を売却することによって得られる利益。もう1つは、株式の配当金による利益です。

一方で、こうした金銭的な利益とは別のメリットとして、「株主優待」を狙って個別銘柄を購入する人もいます。

株主優待とは、企業が自社の株主に商品やサービスを無償、もしくは優待価格で提供するものです。この記事では、そんな株主優待についてくわしく解説します。

株主優待とは

株主優待とは、企業が株主に対して、商品やサービスを提供することです。無償で提供される場合もあれば、◯%割引というように優待価格で提供される場合もあります。また、株主優待制度を設けている企業は、多くの場合、自社の商品・サービスを提供していますが、なかには直接事業とは関係のない商品などを提供するケースも見られます。

なお、すべての上場企業が株主優待を設けているわけではありません。また、株主優待が制度的に充実している日本の株式市場は、世界的に見れば稀なケースといえ、海外で株主優待を設けている企業は非常にすくなくなっています。日本の証券口座から外国株に投資する場合は株主の名義が海外企業となってしまう点とあわせて鑑みると、外国株に投資しても株主優待を受けられることはほとんどないといえます。

株主優待のメリットとデメリット

株主優待は、商品やサービスが手に入れられる反面、その優待がいつまでも続く保証がないという注意点も存在します。ここでは、株主優待のメリットとデメリットをそれぞれ解説します。

株主優待のメリット

株主優待の最大のメリットは、商品やサービスを無料もしくは安価に入手できる点といえるでしょう。上場している音楽事業会社のなかには、株主総会開催時に株主のみを対象としたライブをおこなうなど、限定商品・サービスを提供する企業もあります。

また、目的は株主優待だとしても、株価が上がれば当然、含み益は大きくなります。さらに、配当利回りと株主優待をあわせて考えたときに、高利回りの銘柄も存在します。

株主優待のデメリット

株主優待ばかりに注目してしまうと、銘柄の正確な価値判断がなおざりになりがちです。優待目的で個別銘柄を購入したとしても、株価をはじめとしたさまざまな数値は時折、チェックしたほうがよいといえるでしょう。

株価は随時動いているため、優待目的で株を買ったあとに株価が下がってしまう場合がある点もデメリットです。

また、企業は株主優待を恒久的に実施すると宣言しているわけではありません。優待を得られる条件が厳しくなったり、優待で得られる商品・サービスの内容が悪くなったりする場合もあります。ときには、優待自体が廃止されるケースもあり得ます。

株主優待を目的とした投資の流れ

株主優待は個別銘柄の株式の購入によって得られます。ここでは、株主優待を目的とした投資の流れを説明します。

1. どの会社がどんな優待を設けているか確認する

株主優待を主な目的として投資をする場合は、あらかじめ欲しい商品やサービスが決まっている場合が多いと思います。そうしたケースでは、自分のお気に入りのメーカーやブランド(=企業)が株主優待を設けているかどうかを確認しましょう。上場企業のWEBサイトには「IR情報」のメニューがあり、そこで株主優待の有無や内容が掲載されています。

また、証券会社によってはWEBサイトに株主優待の特集ページを設けています。そのページで得たい商品・サービスから個別銘柄が検索できる場合もありますので、カタログを見るような気分で各企業の株主優待を見られそうですね。

2. 優待を受けるための条件を確認する

次に優待を受けるための条件を確認しましょう。日本株の最低の保有単位である100株から株主を優待する企業が一般的ですが、なかには「◯株以上保有」「◯年以上保有」といった条件を設ける企業もあります。

3. 株式を購入する

条件がわかれば、いよいよ株式を購入しましょう。

ここで注意したいのが、株式を購入する日にちです。「権利確定日」と呼ばれる日の2営業日前までに株式を購入していなければ、その権利確定日を基準とする株主優待は受けられません。権利確定日とは、株主名簿に記載されることで株主としての権利が確定する日です。株主としての権利は株主優待だけでなく、配当金を得られる、株主総会に出席できる、といった権利があります。権利確定日は通常、決算日となっており、決算日は前述の企業WEBサイト内にあるIR情報などに記載されています。

4. 権利確定日を待つ

株式を購入して権利確定日を迎えれば、あなたも晴れて株主の1人として株主名簿に記載されます。ただし前述のように株主優待の条件を「2年以上保有」としている企業もあり、その場合は翌々年以降を待たなければ優待を得られない点に注意しましょう。

5. 優待の商品などが届くのを待つ

株主優待の対象となっている商品や「優待券」などが届くのは、権利確定日からおおむね2〜3か月後です。

さまざまな企業に見る株主優待の例

実際に株主優待制度を設けている企業はどんな商品・サービスを提供しているのでしょうか。ここでは、株主優待の実例(2021年12月時点)を紹介します。なお、前述のとおり株主優待の有無や内容は変更されることもありますので、ご注意ください。

オリエンタルランド

オリエンタルランドは東京ディズニーリゾートの運営会社です。そして株主優待も、東京ディズニーリゾートのパスポートとなります。ただし、現在はオフィシャルサイトから指定した入園希望日の抽選に当選しなければならないため、注意しましょう。また、保有株数によってパスポートの配布枚数も異なり、以下の表のとおりとなります。なお、配当が年2回で、権利確定日も優待と同じく9月末と3月末(実際に配当金が得られるのは6月末・11月末ごろ)です。

保有株数
9月末
3月末
合計
100株以上
なし
1枚
1枚
400株以上
1枚
1枚
2枚
800株以上
2枚
2枚
4枚
1200株以上
3枚
3枚
6枚
1600株以上
4枚
4枚
8枚
2000株以上
5枚
5枚
10枚
2400株以上
6枚
6枚
12枚

東日本旅客鉄道(JR東日本)

関東や東北地方に7000kmをこえる鉄道網を敷く、JR東日本。株主優待の内容は、運賃・特急などの料金が割り引かれる株主優待割引券です(このほかに、グループ施設で利用できる「株主サービス券」も配布)。割引率は4割です。1枚につき1回限りの利用となりますが、切符と特急券などを同時購入すれば運賃・特急等料金の両方が割り引かれます(一部、利用できない料金あり)。こちらも保有株数によって得られる株主優待割引券は異なり、以下の表のとおりです。

保有株数
割引券の発行枚数
100〜1000株
100枚ごとに1枚
1000株超〜1万株未満
10枚+1000株超過分200株ごとに1枚
1万株超〜2万株未満
55枚+1万株超過分300株ごとに1枚
2万株以上〜5万株未満
100枚
5万株以上〜10万株未満
250枚
10万株以上
500枚

味の素

食品会社である味の素では、株主優待として自社グループ商品の詰めあわせが贈呈されます。条件は半年以上の保有となっており、100株以上500株未満では1500円相当、500株以上1000株未満では3000円相当、1000株以上では4000円相当の詰めあわせが贈られます。なお、1000株以上を3年以上保有していると、7000円相当の詰めあわせにアップグレードされます。

王子ホールディングス

「ネピア」ブランドの生活消費財で知られる製紙大手の王子ホールディングス。株主優待は、1000株以上を半年以上の保有でグループ商品のカタログギフトが贈られます。なお、5000株以上の保有では同社が展開する植林活動への参加が可能です。

得られる優待だけでなく「長期保有」できる個別銘柄か考えよう

株式を保有する年数が株主優待の条件となっている点に見られるように、企業が株主優待制度を設けるのは長期保有してくれる安定した株主を確保したいとの理由もあります。よって、株主側もその銘柄が長期保有するのにふさわしいかどうかという視点をもつことが求められるといえるでしょう。

また、投資初心者にとっては、株主優待が投資への入り口だったとしても、実際に株式を購入したのをきっかけに金融や経済に対する興味が高まるかもしれません。単に株主優待をねらうだけではなく、世のなかのお金やモノがどう動いているかを学んでみてはいかがでしょうか。

もちろん、投資にはリスクがつきものですから、購入を検討する銘柄にどんな長所と短所があるかをよく考えることも必要です。


(執筆編集:NTTファイナンス 楽クラライフノート お金と終活の情報サイト編集部)

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