コラム

NFTとは?活用事例と注意点

この記事の内容

2010年代の終わりに、暗号資産の売買で大きな利益を挙げた人が注目されました。もしかしたら、読者のなかにもビットコインをはじめとした暗号資産を所有しているという人もいるかもしれません。

そして近年、暗号資産に新たな潮流が生まれています。それは「非代替性トークン=NFT」です。NFTと紐付けられたアート作品などを売買することによって、数億円の価値をもつ、といった事例もあります。

まだ耳馴染みのないNFTですが、いったいどんなものなのか、なぜNFTアートが高い価値をもつようになっているのかを取り上げます。

NFTとは

そもそもNFTとは、「Non-Fungible Token」の略称で、「非代替性トークン」のことです。しかし、これだけでは言葉が難しく、何を意味しているのかわからないという方も多いでしょう。

NFTはブロックチェーンを応用した技術なのですが、デジタルデータという特性上、データをコピーしてしまうとどれがオリジナルのデータ(元データ)なのかを区別することができません。そこで、NFTでは、ブロックチェーン技術のなかの「ERC-721」という仕組みによって、データ一つひとつに固有の識別子を付与します。これにより、デジタルデータをコピーしたとしても識別子が異なるため、オリジナル性を担保できる、すなわち非代替性を実現できるのです。

NFTをよりくわしく理解するために、今回は3つの特徴をピックアップし解説しましょう。

特徴1 アート作品などが代替不可能なものであると証明される

デジタルデータのオリジナル性が担保できるということは、アート作品などの流通過程にNFTが活用できることを意味します。

たとえば、デジタルのアート作品を制作した場合、第三者がコピーしてしまうとどちらが本物なのかを客観的に証明することは困難です。しかし、アート作品のデジタルデータそのものに固有の識別子が付与され、なおかつそれがブロックチェーン上に記録されることにより、代替不可能な本物であることを証明できます。

特徴2 盗難のリスクが低い

一般的なアート作品の場合、物理的な保管場所が必要であり、盗難のリスクが伴います。しかし、NFTの場合はブロックチェーン上にデジタルデータを保管できることから、物理的な保管場所は不要であり盗難のリスクは低いです。

特徴3 だれでも自由にデジタルデータを作成できる

NFTによってデジタルデータを販売したり送ったりする際には、NFTの販売所へ登録・出品するだけで簡単に実行できます。また、スマートフォンやタブレット端末、PCなど、あらゆるデバイスで自由にアート作品などを作成でき、それを手軽に売買可能です。

NFTはどのように使われているのか

NFTとは、一言で表すと「識別子を付与したデジタルデータをブロックチェーン上でやり取りする技術」ということがわかりました。では、肝心のデジタルデータはどのようなものがあるのでしょうか。実際にNFTでやり取りされているデジタルデータの一例をピックアップしましょう。

デジタルアート

NFTで取引されている代表的なコンテンツがデジタルアートです。NFTを活用することで、紙に描かれたオリジナルのアート作品と同様に、デジタルアートの作品にも識別子を付与し、オリジナル性を担保できます。

これまでNFTアートとして出品された作品のなかには、無名の画家やアーティストの作品が数千万円で取引された事例もあります。

SNSの投稿などに価値を付与

何気ない日常のなかでSNSへ投稿した内容も、NFTで取引されるケースがあります。たとえば、Twitterの創業者であるジャック・ドーシー氏が2006年に投稿した初ツイートは、3億円以上の値で取引されたことでも話題になりました。

NFTゲーム

NFTを活用したさまざまなゲームを楽しむユーザーも増えています。ブロックチェーンを活用していることから不正が起こりにくく、フェアな環境の下で安心して楽しめるのが特徴。アート作品と同様にゲーム内のアイテムなども売買でき、仮にゲームそのものが終了したとしても、ゲームから独立したNFTアイテムとして手元に残るため、場合によってはプレミアがついて、資産価値が上がる可能性もあります。

スポーツ関連のデジタルアイテム

スポーツ関連アイテムといえば、選手のユニフォームやシューズ、その他競技に必要なアイテムなどさまざまで、希少価値の高いものは高値で取引されることも珍しくありません。

日本のプロ野球球団、西武ライオンズはNFTへ参入し、記念コンテンツとして現物とデジタルデータを数量限定で販売しました。

トレーディングカード

熱狂的ファンも多いトレーディングカードの世界では、希少価値の高いカードは高値で取引され、1枚数十万円、数百万円の値がつくこともあります。

従来のような物理カードではなく、NFTを活用することでデジタルデータとして管理できるようになります。これにより、盗難や紛失のリスクを防げるでしょう。

NFTのマーケットプレイス

NFTでデジタル作品を売買するためには、暗号資産のような取引所を介すのが一般的です。取引所は別名マーケットプレイスともよばれますが、今回は日本国内で利用できる代表的なマーケットプレイスを3つ紹介しましょう。

Adam

AdamはGMOインターネットグループが運営しているNFTマーケットプレイスです。アート作品やマンガ、トレーディングカード、音楽などのコンテンツが豊富で、ジャンル別に作品を探せるのもポイント。NFTの初心者にもおすすめのマーケットプレイスです。

nanakusa

nanakusaは、2021年3月に国内初のNFTマーケットプレイスとして誕生しました。アーティスト登録制を採用しており、独自の審査を通過したアーティストの作品のみが登録できる仕組みであることが最大の特徴。閲覧権限機能やロイヤリティ分配機能など、アーティストにとって便利なさまざまな機能が充実しています。

Open Sea

Open Seaは2017年にアメリカで設立されたNFTマーケットプレイスです。世界最大のNFTマーケットプレイスとしても知られており、日本国内のみならず世界のアーティストの膨大な作品が登録されています。

NFTを取引するときの注意点

ビジネスの世界においてNFTは大きな盛り上がりを見せており、とくに2021年はNFT元年ともいえるほど多くの作品が取り引きされてきました。しかし、NFTを始めるにあたっては、いくつか注意しておかなければならないポイントもあります。

1. 詐欺に気をつける

NFTはブロックチェーン技術を応用しており、改ざんや盗難の予防面で大きなメリットがあることは事実です。しかし、出品されている作品そのものが著作権を侵害しているケースもあります。また、NFTはあくまでも出品者と購入者の同意のもとで価格が決定されるため、第三者から見た場合に本当にその価値があるとは限りません。

そのため、作品を購入する際には、そのアーティストやクリエイターが信頼できる人物なのか、本当に購入できるのか、価格が適正であるかなど取引内容を十分確認しておく必要があります。

2. 実態が不明瞭な取引所・マーケットプレイスに気をつける

アーティストやクリエイターの信頼性に加えて、取引をおこなうマーケットプレイスにも注意しなければなりません。なかには取引実態がほとんどなく、運営元が不明なマーケットプレイスも存在します。登録時に本人確認が行われているか、運営元が記載されているか、信頼できる運営元であるかなどを事前に確認しておきましょう。

3. 法的整備がされていないことを念頭に置く

NFTはデジタルデータを売買することですが、日本の法律では「実体のないものに所有権はない」という前提があります。そのため、デジタルデータの所有権という概念も法律上は存在しません

したがって、所有権に関する民法の規定は適用されず、これまでの裁判例等も参考にならない可能性がありますので、取引をおこなう際には、契約書の規定を充実させるなどして、自己の権利をいかに保全していくかが重要と考えられます。

また、NFT自体はここ数年のあいだに登場し市場が拡大しましたが、取引に関するトラブルの判例やルールなどが十分整備されていないことから、今後NFTの取引に対してどういった見解がなされるかが不透明な状況です。NFTの機能や用途によっては、暗号資産、前払式支払手段、為替取引に該当するとして、資金決済法の適用を受けたり、有価証券に該当するとして金融商品取引法の適用を受けたりする可能性もあり、また、今後新たな規制がなされる可能性もゼロではありませんので、規制当局の動向には注意が必要です。

まとめ

シニア世代になると趣味として絵を描き始める人も少なくありません。従来は、趣味としてアートを始めた場合は、描いた本人が満足するだけで終わっていたのが一般的でした。しかし、NFTによって無名の人の絵にも価値が出る可能性は十分あります。

そう考えると、NFTはとても興味深い技術であるといえるでしょう。ただし、今回の記事で取り上げたように、法律面などはまだ未整備の技術です。何らかの損失を被ったとしても、保証がありませんので、その点はよく覚えておきましょう。


(執筆編集:NTTファイナンス 楽クラライフノート お金と終活の情報サイト編集部 情報は2022年2月28日時点のものです。)

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この記事を監修した人
Authense法律事務所 森中 剛

一橋大学法学部法律学科卒業。元裁判官。企業法務、M&A、労働法、事業承継、倒産法(事業再生含む)等、企業に係わる幅広い分野を中心とした法律問題に取り組む。弁護士としてだけでなく、裁判官としてこれまで携わった数多くの案件実績や、中小企業のみならず、大企業や公的企業からの依頼を受けた経験と実績を活かし、企業組織の課題を解決する多面的かつ実践的なアドバイスを提供している。

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