基礎知識

2024年にはじまる新NISA制度とは?3つのポイントと注意点

この記事の内容

「楽クラライフノート お金と終活の情報サイト」読者の方のなかには、一定期間、投資で得た利益が非課税(税金がかからなくなる)となるNISAを活用し資産づくりに励んでいる方がいるかもしれません。そんなNISAが2024年に制度変更されます。

NISAの制度変更によって「つみたてNISAの口座開設可能期間が延長される」「一般NISAが2階建て構造になる」などの変更点があります。この記事では、新しいNISAの内容と注意点について解説しますので、ぜひ読んで、来る2024年に備えてくださいね。

新しいNISAのポイントその1 つみたてNISAの口座開設可能期間が延長

まずはつみたてNISAの改正についてです。大きな改正点はとくになく、現行の制度内容を維持しつつ、口座開設期間が2037年から2042年に延長されました。

非課税枠は年間40万円、非課税期間20年、非課税期間経過後はロールオーバー(非課税期間が経過する商品を翌年の非課税投資枠に移管する)不可な点についての変更はありません。

新しいNISAのポイントその2 一般NISAは2階建て構造に

現行の一般NISAでは、非課税枠が年間120万円で5年間が非課税期間となる、比較的シンプルな制度でした。一方、新NISAは「2階建て」構造となり、今回の制度改正で大きな変更点となります。

「2階建て」構造とは、つみたてNISAと同様の対象商品が20万円を限度に購入できる1階部分と、上場株式、投資信託(一部を除く)、ETF、REITを最大102万円購入できる2階部分が存在する構造になるということです。1階部分の枠を使わなければ2階部分の購入はできません。ただし、1階部分は20万円の枠すべてを使い切る必要はなく、少額でも投資すれば2階部分へ投資できます。

また、これまで一般NISAを利用していた人や、上場株式等の取引をおこなったことがある人については、NISA口座を開設している証券会社に届け出ることで2階部分だけを購入することもできます。ただし、この場合に購入できるのは上場株式の個別銘柄のみで、1階部分への投資額を問わず非課税枠は102万円となります。

新しいNISAのポイントその3 ジュニアNISAは終了

ジュニアNISAは、未成年者(0~19歳)を対象とした非課税制度です。年間80万円分の非課税投資枠が設定され、株式・投資信託等の配当・譲渡益等が非課税対象となります。今回の制度変更のタイミングで、ジュニアNISAは延長されずに2023年末で終了することになりました。ほかのNISAと比較して利用実績が乏しい点が要因として挙げられています。

なお2023年までに投資した分は、口座開設者が20歳になるまで非課税となるだけでなく、既存の「18歳まで引き出しができない」という制限が撤廃されます。たとえば、子どもの進学などでお金が必要なときに引き出せるため、以前の制度より使い勝手がよいといえるでしょう。終了時期は決まっていますが、いまがジュニアNISAのはじめどきかもしれません。

新NISAと改定前一般NISAとつみたてNISAのちがいとは


現行の一般NISA
新NISA
つみたてNISA
非課税投資枠(年)
120万円

1階部分:20万円

2階部分:102万円

=合計122万円

40万円
非課税期間
最長5年間
最長5年間
最長20年間
口座開設可能期間
2023年まで
2024年~2028年まで
2042年まで
投資対象
上場株式、株式投資信託、ETF、REITなど

1階:積立・分散投資に適した一定の公募株式投資信託など(つみたてNISA対象商品)

2階:上場株式、株式投資信託など(高レバレッジ投資信託などは除外)

積立・分散投資に適した一定の公募株式投資信託など

上の表は、2023年をもって終了する現行の一般NISAと、制度改正により一般NISAから移行する新NISA、そしてつみたてNISAを一覧にしたものです。NISA口座は1人1口座(一般NISA〈2024年以降は新NISA〉又はつみたてNISAのどちらかを選択)しか開設できません。

一般NISAについては先述のとおり、2023年までは株式や投資信託等に対して120万円を限度に購入できたものが、2024年からは、1階部分はつみたてNISA対象商品に対してを20万円分を限度に、2階部分は上場株式や一定の公募株式投資信託等に対して102万円分を限度に、非課税投資枠として購入できます。一方のつみたてNISAは年間40万円を限度に、「長期・分散・積立」を意識した一定の公募株式投資信託などを非課税投資枠として購入できます。

一般NISA(新NISA)とつみたてNISAの大きなちがいは、非課税期間の長さにあります。一般NISA(新NISA)の非課税期間は5年なのに対して、つみたてNISAは20年です。よって、まとまった資産を運用したい方は一般NISA(新NISA)を、時間を武器に資産運用したい方はつみたてNISAを選ぶ、といった考え方もできます。

新NISAの注意点

ここからは新NISAの注意点について解説します。とくに注目すべき点を挙げると、ロールオーバーの仕組みが複雑となっていますので、ぜひご覧ください。

新NISAは原則的に1階部分の積み立てをする必要があり

こちらは先述のとおり、原則として1階部分の投資を行わなければ、2階部分への投資ができません。ただし投資経験がある人については、2階部分だけを購入できます。この場合に購入できるのは、上場株式の個別銘柄のみです。

新NISAで2階部分のみ投資したい場合は従来より非課税枠が狭まる

投資経験があれば、新NISAで2階部分にのみ投資をすることができますが、非課税枠は1階部分の20万円と2階部分の102万円を合計した122万円ではなく、2階部分の102万円のみが非課税枠となります。現行の一般NISAの120万円より非課税枠が狭まりますので、注意が必要です。

新NISAを知る前に覚えておきたい「ロールオーバー」

NISA口座で投資商品を運用していて、非課税期間が終了した際に、現行の一般NISA口座で保有している金融商品は翌年の非課税投資枠に移管(移行)ができます。この移管のことを「ロールオーバー」といいます。

現行の一般NISAでは、年間120万円までの投資で得られた利益にかかる税金は、5年間非課税になります。120万円で購入した投資商品が仮に1000万円に値上がりしたとしても、非課税期間である5年間で得た利益についてはすべて非課税になるということです。

しかし5年経ったあとに、この投資商品は「もっと値上がりするかもしれない」もしくは「損失が回復するまで待ちたい」と思うかもしれません。そういったときに利用できるのがロールオーバーです。現行のNISAが2023年に終了してしまうことだけが決まっていた時点では、2019年以降にNISA口座で購入した分のロールオーバーはできない可能性がありました。しかし新NISAの導入が決まり、現行の一般NISAから新NISAへのロールオーバーが可能になっています。

新NISAのロールオーバーは複雑

新NISAのロールオーバーは、仕組みが少し複雑です。ここからは、大きく3つのケースに分けて解説します。

  • 新NISAの枠(122万円以内)を超えてロールオーバーする場合

  • 新NISAの枠(122万円以内)でロールオーバーする場合

  • 1階部分のみをロールオーバーする場合

 新NISAの枠(122万円以内)を超えてロールオーバーする場合

現行の一般NISAでは、非課税期間の終了時点で投資額よりも値上がりしていた場合でも、その全額を翌年の非課税投資枠にロールオーバーすることができました。

これは新NISAでもおなじで、ロールオーバーする金額が122万円を超えていても、一般NISAから新NISAへは、時価で全額ロールオーバーできる見込みです。ただし、高レバレッジの一部の投資信託や上場廃止となるおそれのある個別銘柄はロールオーバーできません。

新NISAの枠(122万円以内)でロールオーバーする場合

ロールオーバーする資産が122万円以内の場合は、まず2階部分(102万円)から枠を使い、2階部分の枠が埋まった場合は1階部分(20万円)の枠を使用します。

たとえば、現行のNISAで投資している金額が110万円として、この金額をロールオーバーするとします。まず2階部分の枠(102万円)を使い、残った8万円に対して1階部分の枠(20万円)を使用します。すると1階の枠が12万円残るので、つみたてNISA対象商品であれば1階部分の枠を使って投資商品を購入できます。

なお仮に、現行NISAから60万円をロールオーバーすると、2階部分の枠42万円余りますが、この余った枠については、まず1階部分で積立投資を行った上で、2階の枠を使うこととなります。なお、投資経験者であれば2階部分のみ利用し、上場株式に投資することも可能です。

1階部分のみをロールオーバーする場合

新NISAの1階部分は、つみたてNISAと同様の商品に投資できることから、5年間の非課税期間終了後につみたてNISAにロールオーバーすることができます。その結果、最長で 25 年間非課税で積立投資をすることができます。この場合、簿価(帳簿上の価格。この場合は購入した時点での商品の価格)で、ロールオーバーできる見込みです。新NISAの1階部分で投資した20万円をつみたてNISAへロールオーバーすると、つみたてNISAの枠が20万円余るので、その枠を使って新たに積立投資をおこなえます。

まとめ

一般NISAの制度変更、とくにロールオーバーについては、複雑でよくわからないと感じる方もいるかもしれません。NISA口座は売却時に値下がりによる損失が出ても、特定口座や一般口座と損益通算ができないというデメリットがあります。また、非課税期間満了にロールオーバーの手続きをしない場合、NISA口座で運用していた投資信託や株式は自動的に課税口座へ払出しされます。まだ2024年までは時間がありますので、それまでに制度を覚えながら今後の戦略を練ってはいかがでしょうか。非課税の恩恵を最大限にいかすためにも、新しいNISA制度を正しく知りましょう。


(執筆編集:NTTファイナンス 楽クラライフノート お金と終活の情報サイト編集部 情報は2021年12月23日時点のものです。)

「自分がいま持っている資産全体がよく把握出来ていない」「将来の老後資金がどれくらい必要かわからない」という方には、終活アプリ『楽クラライフノート』がおすすめ。資産管理機能で銀行やクレジットカードなど複数の金融サービスをアプリで一元管理することが可能。シミュレーション機能では老後に必要な資金を可視化することもできます。登録した情報のうち、共有したいものを共有したい家族に共有できます。

『楽クラライフノート』をご利用いただいている方に、おすすめ情報をお届け。自身の現状や思いを登録したり資産・家計管理をしたりするなかで、「専門知識を持ったプロの方に相談してみたい」など自分の終活がうまくできているのか不安な方もいらっしゃるのではないでしょうか。『楽クラライフノート お金と終活の情報サイト』から、アプリ会員様限定で専門家への無料相談の申し込みが可能です。
また、お得な優待も揃えておりますのでぜひご活用ください。

『楽クラライフノート』をご利用いただいている方に、おすすめ情報をお届け。自身の現状や思いを登録したり資産・家計管理をしたりするなかで、「専門知識を持ったプロの方に相談してみたい」など自分の終活がうまくできているのか不安な方もいらっしゃるのではないでしょうか。『楽クラライフノート お金と終活の情報サイト』から、アプリ会員様限定で専門家への無料相談の申し込みが可能です。
また、お得な優待も揃えておりますのでぜひご活用ください。

この記事を監修した人
つじもとFP事務所代表  辻本由香

ファイナンシャルプランナー(CFP®認定者)、相続手続きカウンセラー。
大手金融機関での営業や企業の経理など、お金に関する仕事に約30年従事。
43歳のとき乳がんを発症し、誰にも言えない悩みこそ誰かを頼るべきことだと気づく。
2015年2月金融商品を販売しないFP事務所を開業。

主に子どものいない方、がんなど病気を抱えている方、医療従事者の「お金に関する相談」、「残さない終活プランニング」、講演を行っている。

http://fp-myhappiness.com/

アプリをダウンロードして
終活で直面する様々なお悩みを解消しましょう
楽クラライフノート

Page Top